Catégories:“ファンタジー”

Catégories: / / /

 [amazon]
日限の親分が若だんなのところへ。最近通町で横行している質の悪い掏摸は、おそらく打物屋の老舗の大店の次男坊が飴売りの女の共謀。しかし肝心の証拠がまるでなく、親分は困り果てていました... という「いっちばん」他、全5編の連作短編集。

しゃばけシリーズの第7弾。「ひなのちよがみ」だけは雑誌掲載時に既読。
相変わらずのしゃばけワールドで、若だんなだけでなく妖たちも相変わらず。このシリーズはマンネリになろうが何しようがこのまま頑張って欲しいなと思う気持ちと、でもそろそろ狐者異を再登場させてみても面白いんじゃ?という気持ちと半分半分なんですよね。まあ、もし畠中恵さんがそろそろ終わりにしたいと思ったとしても、まあ出版社が止めさせてくれないでしょうけど。
今回は妖たちが勢ぞろいする「いっちばん」が楽しかった! みんな若だんなを喜ばせようと頑張るんですけど、なかなか上手くいかないまま最後になだれ込んで、気がついたら事件もすっかり解決してマシタ! というこの構成が素敵。そして「餡子は甘いか」では、相変わらず菓子作りが下手な栄吉が頑張っている様子が見られて、こちらもいいですねえ。器用貧乏な人よりも、栄吉みたいなタイプの方が一度コツを掴んだら安定度はずっと高いはずだし、これからも負けずに頑張って欲しいな。(新潮社)


+シリーズ既読の感想+
「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「おまけのこ」
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「いっちばん」畠中恵

+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
Livreに「百万の手」の感想があります)

| | commentaire(2) | trackback(0)
Catégories: / /

 [amazon]
5年ぶりに姿を見せた師匠の僕僕とともに、桃花の花びらが舞う街道をゆく王弁。光州を出た2人は釣りをし、花を愛で、酒を飲みつつのんびりと南西へと向かい、僕僕が長江で呼び出した巨大な亀の珠鼈(しゅべつ)と共に荊州江陵府の春の祭りへ。そこで王弁が見つけたのは荊州一の料理人を決めるという料理大会の高札でした...という「羊羹比賽」他、全6編の連作短編集。

可愛らしい女の子の姿をした仙人「僕僕先生」の続編です。連作短編集と書きましたが、長編と言ってもいいような感じですね。前回のラストで僕僕が去ってから5年の月日が流れ、王弁は仙道に通じたものとして皇帝に「通真先生」という名前をもらい、立派な道観を建ててもらって薬師としてひとり立ちしています。
僕僕が空白の5年間に何をしていたのか、なぜ今帰って来たのか、どんどん南下して王弁をどこに連れて行こうとしているのかなど、その辺りははっきりと語られてないんですが、どうやらまだしばらく物語は続きそうだし、じきに明らかにされるのかな? 王弁は少しずつ一人前になってきたものの、まだまだ僕僕にいいようにからかわれてるんで、そんな2人のやり取りが相変わらずほのぼのとして楽しいです~。その2人と一緒に旅することになる亀の珠鼈や薄妃もいい味を出してましたしね。いい感じで安定してました。今回は爺さんの姿にはならないんですけどね。ほっとしたような、ちょっぴり残念なような。(笑)
でもほんとになんでどんどん南に行っちゃうのかしら。南に何かあるのかな?(新潮社)


+シリーズ既刊の感想+
「僕僕先生」仁木英之
「薄妃の恋 僕僕先生」仁木英之

| | commentaire(3) | trackback(1)
Catégories: /

 [amazon]
お目当ては、光原百合さんの「旅の編み人」。これはオール讀物に不定期連載中の潮ノ道幻想譚のシリーズ最新作です。今回の主人公は、せっかく編んだマフラーをなかなか渡せないでいる友香。電車の中で編み物をしていた女性に出会います。

「編み物をしているとどんな人でも優しく見えると思うのは、友香だけだろうか」
...あ、なんだか素敵。そう言われてみると、確かにそうかもしれないですね。実際にそう思って見たことはなかったけど...。私が電車の中で編み物をしてるのを見かけるのって、上手すぎて手の動きが既に人間に見えないようなオバサマばかりだからかしら。(笑)
いや、今回はいつも以上に切なかったです。痛いぐらい。でも最後は優しく暖かく包み込んでもらえます。ぽかぽか。丁度2~3日前から急に冷え込んでるんですけど、その今の時期に読むのにぴったりくる作品でした。

この作品は今回でシリーズの6作目。光原百合さんによると、あと1作で本にまとまるだろうとのことなんですよね。新作はもちろんなんですけど、早く全部通して読みたい! 本になる日が待ち遠しいな~。


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「ピアニシモより小さな祈り」「花散る夜に」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / / /

 [amazon]
長屋に女の幽霊が出ると聞いた岡っ引の長次は、下っ引きの宇多に調べるように言いつけます。その幽霊は近頃息子と娘を失ったばかりの大和屋由紀兵衛の持つ長屋に出るのだというのですが... という「恋はしがち」以下、全6編の連作短編集。

9人の幼馴染たちの物語。下っ引きの宇多、岡っ引きの長治の娘のお絹、大和屋由紀兵衛の息子・千之助とその妹・於ふじ、大工の棟梁の娘のお染、野菜のぼて振りの弥太、叔父の口入屋の手代をしている重松、茶屋の看板娘のおまつ、裕福な煙管屋の娘・お品。この話が始まる時点で千之助と於ふじは既に亡くなってしまっていて、大きな流れとしてはこの2人の亡くなった事件のミステリですが、むしろ青春小説といった感じでしょうか。

小さい頃は男女の区別もなく毎日のように遊び回っていた9人も、今やもうお年頃。それぞれの生活が忙しくてなかなか会えなくなるし、お互いを男や女として意識するようにもなります。そこで上手く「思い思われ」になればいいんですけど、9人ですしね。なかなか上手くいかなさそうだなという予想通り、実際それぞれの思いはすれ違い... そうこうしてるうちに仲間を失ってしまったり。
大人になるってこういうことなのよね、なーんて切ない感じが前面に出てるのはいいんですけど... やっぱり9人というのは多すぎやしませんかねえ。せいぜい7人なんじゃ? 区別がつかなくて困るってほどではなかったんですけど、それほど9人の描き分けができているとは思えなかったし、逆にそれぞれのイヤな面は目についてしまったりで、感情移入できるような人物はいなかったな。せっかくなのにあまり楽しめず、ちょっと残念でした。(光文社)


+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「おまけのこ」
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「こころげそう」畠中恵
「いっちばん」畠中恵
Livreに「しゃばけ」「ぬしさまへ」「百万の手」「ねこのばば」の感想があります)

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: /

 [amazon]
校舎をたてに揺さぶるような酷い雨の日。授業中に教室の後ろのドアがあいた時、一郎は心臓が止まるほど驚きます。そこには黒装束で異様に顔の長い化け物のような3人の大男がいたのです。しかしよくよく見てみると、それは同じクラスの宮本と武田と斉藤。思わず椅子の上に立ち上がってしまった一郎ですが、そこまで驚いていたのは一郎だけ。しかしその後一郎がふと気付くと、その3人も、学級委員の吉川も、鋭い目付きで一郎のことをにらみつけていたのです。

私のファンタジー的バイブル、石堂藍さんの「ファンタジー・ブックガイド」にも紹介されていて、気になってた作品なんですよね。数年前にブッキングで復刊された時に読もうとしたんですけど、ぼやぼやしてるうちに文庫が出てしまっていて、今度こそ読まなくては!と、読んだのですが...

やっぱり子供の頃に読んだ方が夢中になれたかもしれないな、なーんて思ってしまいました。そういうことを思うのって、自分の中の子供の部分を失ってるのを目の当たりにさせられてしまうようで、ちょっとサビシイんですが...。解説で三浦しをんさんが小学校低学年の頃に読んで、現実のお話だと思い込んでしまったほど夢中になったと書いてらっしゃるんですが、そこまでのものは感じなかったです。大人になった今読んだ印象は、ああ、懐かしい雰囲気の話だなーということ。こんな雰囲気のSF作品を、子供の頃に時々読んでましたよ。「懐かしい」のは、登場人物の名前や会話のせいもあると思うんですが、「時をかける少女」を初めて読んだ時のことを思い出しちゃいました。あと「緑魔の町」とか... あ、これってどっちも筒井康隆作品なんですね。「緑魔の町」は眉村卓かと思い込んでました。
と、ふとここで気付いたのは、自分が思い出しているのがSF作品だということ。この「光車、まわれ!」は、ファンタジー作品のはずなのに、なぜ? 水が異界との境目となっていることからも、むしろ石井桃子さんの「ノンちゃん、雲に乗る」を思い出してもおかしくないのに。水の向こうの異界の闇が、ノンちゃんの世界とは到底比べられないほど暗くて濃いものだったからなのかしら。

光車のことも他のことも、全ての情報は龍子という大人びた少女から。主人公の一郎も他の子供たちも龍子の言う通りに動く駒。たとえ失っても、誰も嘆いていないみたい。だからこの世界に入り込めなかったのかな? 光車というイメージは美しいし、地霊文字はぜひ見てみたいと思えるようなものだったのに、どうも違和感が残ってしまって残念。(ピュアフル文庫)

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / /

 [amazon]
その日メアリーがツクツクさんを見かけたのは、川沿いの桜並木の下。ツクツクさんは大きなザルをかかえて桜の花びらが地面に落ちる前にザルの中につかまえようとしていました... というお話に始まる、メアリーとお隣に住むツクツクさんのシリーズ4作目。

この本から時間の流れがランダムになるという予告通り、それぞれのお話の時系列順はバラバラ。ツクツクさんのメアリーへの呼びかけも変化するし、お話の中のちょっとした描写から、いつ頃の出来事なのか何となく分かるんですけどね。それにしても、相変わらずのほのぼのぶり~。やっぱりこのシリーズは可愛いです。この不思議さ加減がとっても居心地いいし。
今回一番楽しかったのは、夏に水琴窟を作るお話かな。暑い日に水琴窟の音を楽しむというだけでも素敵なのに、水羊羹に水菓子(西瓜)、水団扇、極めつけが魚洗。こういうのを読むと、日本の夏は五感で涼しさを堪能するものなんだなーって改めて思いますね。...お話の舞台は日本じゃないし、魚洗も日本の物ではないですが。ええと、漁洗っていうのはアレです、私も以前中華街でやってみたことがあるんですが、水をはった金属製のたらい(?)の取っ手を濡れた手でこすることによって、不思議な音と共に水面から水しぶきが上がるというもの。初めてやった私でも30cmぐらいあがったし、熟練してる人がやると、もっと上がります。
それから、春の色んなジャムを作ってしまう話も素敵だったな。こんなに色んなジャムが作れるとは~。桜の花びらのジャム、食べてみたい。色や香りが目の前に浮かんでくるようです。そういえば、コンデンスミルクの缶詰を鍋でことこと煮て、冷えてから缶を開けると茶色くて甘~いクリームになると聞いて、やってみたいなと思ったことがあるんだけど... まだ試したことがなかったな。
あと、虹は七色、とばかり思い込んでたんですけど、国や人によって6色とも5色とも... 2色だなんて言ってる場所もあるとはびっくり。虹の色の並び順を覚える言葉も、今回初めて知りました。「ナクヨ(794)うぐいす平安京」じゃないですけど、こんなのがあったんだ! これは覚えやすいですねー。と、ちょっと感動。 (GA文庫)


+既読の篠崎砂美作品の感想+
「お隣の魔法使い」1~3 篠崎砂美
「お隣の魔法使い 語らうは四季の詩」篠崎砂美

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / /

 [amazon]
山畑のネェやが山犬に襲われたという話を聞いてきたのは、タンダの妹のチナ。その山犬に青白い鬼火がまとわりついて、少し前に死んだオンザの顔に見えたらしいのです... という「浮き籾」他、全4編。

完結してしまった守り人シリーズの番外編。タンダ11歳、バルサ13歳の頃の物語です。この頃はまだバルサの養父のジグロが生きていて、2人は追っ手から逃れるために用心棒の仕事をしながら各地を転々としています。トロガイの家もその拠点の1つ。
4編のうち2編はタンダ視点の物語。タンダやその家族の生活ぶりを見ていると、古い時代の日本でもこういった暮らしをしていたんだろうなあって素直に思えてきますねえ。稲に虫がついた時の反応や稲刈り、収穫の祭りの様子なんかもそうなんですけど、目の薬を作るためにナヤの木肌を剥ぎ取る時の様子とか、食べ物が乏しい冬の最中に山の獣たちに食べ物を分ける「寒のふるまい」のことを読んでると、中沢新一氏のカイエ・ソバージュシリーズで読んだ、一神教や国家が誕生する前の時代の話を思い出しちゃう。そのものズバリ重なるというわけではないんだけど、まさにあそこに書かれていたような暮らしをしてたんだろうなと思えるのは、やっぱりそれだけ土台がしっかりと描かれてるということなんでしょう、きっと。
そしてあとの2編は、バルサ視点の物語。こちらではバルサとジグロが仕事をしてる酒場や隊商の旅が舞台となってるので、まるで雰囲気が違います。ススットという賭事が面白い~。このゲームの特徴がとても生かされている物語だったし、専業の賭事師を務めてるアズノという老女がとても印象に残ります。そして隊商の旅の方はちょっと痛い... でも「精霊の守り人」ではもう既に亡くなっているジグロが生きていて、その姿をバルサの視点から見られるのが嬉しいところ。もっと容赦ない厳しさ一点張りの人なのかと思い込んでいたんですけど、そうでもなかったんですね。いや、確かに厳しいですけど。バルサに対する愛情がしっかり感じられて良かったです。(偕成社)


+シリーズ既刊の感想+
「精霊の守り人」「闇の守り人」「夢の守り人」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「虚空の旅人」「神の守り人 来訪編」「神の守り人 帰還編」「蒼路の旅人」上橋菜穂子
「天と地の守り人」1~3 上橋菜穂子
「流れ行く者 守り人短編集」上橋菜穂子
「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道

+既読の上橋菜穂子作品の感想+
「獣の奏者」1・2 上橋菜穂子
Livreに「狐笛のかなた」の感想があります

| | commentaire(4) | trackback(1)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.