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「技」とよばれる力を持った遠視者一族が治める六公国。地方の貧しい農夫の家で生まれ育った「わたし」は、実は六公国の跡継ぎ・シヴァルリ(騎士)王子の私生児。6歳の時に、その地を訪れたヴェリティ(真実)王子に託されて以来、「わたし」は王家の庇護の下で生きることになります。しかし「わたし」が王都に到着する前に、私生児のことを聞いたシヴァルリ王子は王位継承権を放棄し、子供のいない妻と共に宮廷を去っていたのです。そして、それまで名前のなかった「わたし」につけられた名前は、「フィッツ(私生児)」。祖父でもあるシュルード(賢明)王に対して絶対的な忠誠か死の二者択一を迫られたフィッツは忠誠を選び、昼は厩舎の仕事を手伝いながら読み書きや武術を教わり、夜は密かに暗殺者としての技を伝授されることに。

ファーシーア一族のシリーズ第1弾です。
この本を読みたくなったのは、積読山脈造山中のうさぎ屋さんのこの記事がきっかけ。「影のオンブリア」も「デイルマーク」も読んでるんですけど、「ファーシーアの一族」って、何? 初耳!状態だったんです。「影のオンブリア」(大好き~~)と一緒に挙げられてるなんて、それだけでも気になっちゃうじゃないですか。調べてみたら「騎士(シヴァルリ)の息子」「帝王(リーガル)の陰謀」「真実(ヴェリティ)の帰還」の3部作で全6巻が刊行済のようだったので、とりあえず「騎士の息子」2冊を購入。

いやー、面白い。こんな面白い作品があったのに、題名すら知らなかったとは迂闊。 ...や、言われてみれば、この本が出た時に書店で平積みになってるのを見たような気もするし、他のサイトさんで感想を読んだことがある気もするんだけど... ファンタジー好きとは言っても、また読み始めたのってここ2~3年のことだし、新刊はあまりチェックしてないんですよね^^;。
フィッツがいかにも薄幸な少年のせいか、それとも少年時代を思い起こしている今のフィッツが幸せそうじゃないせいか、全体的に雰囲気は暗いし重いし、「技」とか「気」といった力はあるんですけど、まあこれは基本的にテレパシーのようなものなので、それほど派手さもないんです。冷静に考えてみると、権謀術数渦巻く宮廷に投げ込まれた孤独な少年、なんてそれほど目新しい設定でもないんですけど、でもやっぱりこれはイイ! 面白い! でも、どこがいいか書こうとしても、もうほんとありきたりの言葉になっちゃうのがもどかしーい。重厚でリアルな世界観? 個性的な人物たち? 日々の生活の細やかな描写? そういうのももちろんあるんですけど、一番肝心のところを全然言い表せてないような...。
新年明けてから面白い本ばかりなんですが、没頭度ではこれが一番だったかも。続きも急いで買ってこなくっちゃ。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「騎士(シヴァルリ)の息子」上下 ロビン・ホブ
「帝王(リーガル)の陰謀」上下 ロビン・ホブ
「真実(ヴェリティ)の帰還」上下 ロビン・ホブ

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ロバート・バラシオンとエダード・スタークが、狂王・エリス・ターガリエン2世を討ち、ロバートが七王国の玉座について9年。エダードが領主として暮らす北の地・ウィンターフェルを、ロバートが訪れます。その目的は、エダードを「王の手」に任命すること。彼らの第2の父親であり、「王の手」でもあったジョン・アリンが急死し、その後任として選ばれたのです。気が進まないエダード。しかし丁度ジョン・アリンの死の疑惑に関する極秘文書が届いたこともあり、エダードは陰謀渦巻く王都・キングズランディングへと向かうことに。

以前からBOOKS AND DAYS のnine さんにオススメされていた本。「氷と炎の歌」の第1部です。ハヤカワ文庫SFに入ってるので、最初ちょっと躊躇ったんですけど、全然SFじゃありませんでした。これは完璧ファンタジーでしょ...! それがなんでSFの方に入ったかといえば、ジョージ・R・R・マーティンという人が元々SF作家さんで、これまでの作品がSF文庫の方に入ってるからなのかな? パトリシア・A・マキリップの「ムーンフラッシュ」「ムーンドリーム」が完璧にSF作品なのに、FT文庫の方に入ってるのと逆パターンで。

ということで、ジャンルとしては私の大好きな異世界ファンタジーなんですが、いやあ、これが凄かった。読み始めてまず驚いたのは、視点がどんどん移り変わっていくこと。8人の主要な人物の視点から描かれていくんです。でも、普段ならそれだけ視点がめまぐるしく変わってしまったら、なかなか感情移入できないところなのに、この作品は全然違うんです。語り手それぞれに引き込まれちゃう。しかも8人の視点から一体何人の人生が描き出されてるのかと思ってしまうほど、様々な人間の運命が複雑に絡み合っていくのが凄い。この作品はきっと、誰が主人公って決まってなくて、読み手が気に入った人物が主人公なんでしょうね。はっきり悪役の人もいるんですけど、敵なのか味方なのか分からない人も沢山いて、何が起きるか分からないし、舞台となる世界もとても魅力的。もう一気に読んでしまいました。
このシリーズは全部で7部作になるようで、日本では第2部「王狼たちの戦旗」と第3部「剣嵐の大地」がハードカバーで刊行されてるようです。文庫で全て読めるのはいつの日か... って感じですけど、続きがとっても楽しみ。この「七王国の玉座」は、きっとこの壮大な歴史絵巻のほんの序章なんでしょうね。

...でもハードカバーでは上下巻の作品を文庫では全5巻にしてしまうって、あまりに小分けしすぎなのでは。それぞれの巻の後ろに詳細な登場人物表と索引が載ってるんですけど、それに30ページ以上使ってるんですよ! まだページがあると思って読んでると、あれ、もう終わり? 状態。それがちょっと物足りなーい。せいぜい全3巻で十分だと思うけどなあ。(ハヤカワ文庫SF)


+シリーズ既刊の感想+
「七王国の玉座」全5巻 ジョージ・R・R・マーティン
「王狼たちの戦旗」全5巻 ジョージ・R・R・マーティン

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今年の初読みは、「西方の大君主」「砂漠の狂王」「異形の道化師」「闇に選ばれし魔女」「宿命の子ら」の5冊。一昨年の夏に読んだ「ベルガリアード物語」全5巻の続編です。以前は全10巻で刊行されていたのが、去年復刊されるに当たって原書通りの全5巻になり、題名も変わりました。だから1冊ずつが結構分厚いんですよー。5巻全部で3182ページ、背表紙の厚みは14cm。本棚に揃えて置くと結構な存在感があります。...もちろん京極さんのあのシリーズの文庫(分冊されてない方ね)に比べると、まるで問題ない厚みとも言えるんですけど... あれは「本」という形態として如何なものかと思うので論外と言いたい。(笑)

前作を読んでから1年半経ってしまっているので、細かい部分はかなり忘れてしまってたんですが、1巻の最初は後日譚的な流れになっていたので助かりました。登場人物の会話が相変わらず楽しくて、これこれ、前もこれが良かったのよねえ、と思いながら、色々と思い出していける感じ。いやあ、やっぱり面白いなあ。
でも「ベルガリアード物語」の時も引っかかったんですけど、ファンタジー作品に予言書を登場させるのって難しいですね。そういう時に登場する予言書って大抵意味不明のことが書き連ねてあって、実際に物事が起きて初めて「そのことだったのか!」状態になることも多いですし、この作品でも解読するのが大変なんです。でもそんな予言書を行動の指針にする程度ならいいんですが、予言書が占める割合が大きくなればなるほど、結局運命からは逃れられないのかという疑問も大きくなることに...。最終的にどういう決着がつくのかはまだ決まってないと言われても、どうしても予定調和的な部分を感じてしまうし、やっぱり最初から決まってたんじゃないの?って疑っちゃう。これはエディングスのやり方がどうだというより、予言書という小道具の難しさのような気がするんですけどね。
それと今回、主人公一行の旅に1人の女予言者がかなり絡んでくるんですが、彼女のことがどうもすっきりしなかったです。彼女は私的な行動は厳しく制限されているようで、どちらかといえばレフェリーみたいな存在。「光」と「闇」の双方がきちんと予言を満たす行動をしているのを確認し、謎めいた言葉によって必要な情報を小出しにして助けていくんですが... それにしては主人公側に絡みすぎのような... まあ、それは理由がないわけではないのでいいとしても、どうやら太古から定められている出来事をものすごーく細かい部分まで正確に遂行しなければ、次のイベント(まるでRPG)が発生しないらしいんですよね。そういう部分もなんだかなあ...
...と、引っかかった部分もあったんですが、やっぱり面白かったのには変わりなく。今回一番印象に残ったのは、「ベルガリアード物語」での旅との類似点が指摘されていたこと。世界の運命が決するまで、一連の同じ出来事を何度も経験しなければならないという考え方が面白かったし、その行動の類似点を追うためにも、「ベルガリアード物語」を再読したくなってしまいました!

「女魔術師ポルガラ」「魔術師ベルガラス」という外伝(?)も手元に用意してあるので、近いうちに読むつもり。こちらは3冊ずつなんですが、やっぱり1冊ずつのボリュームが結構あるんです。続けて読むのはさすがにしんどいので、少し時間を置いてから。でもデイヴィッド・エディングスの作品はエレニア記全6巻が復刊されたところで、その続編のタムール記全6巻も続けて復刊するそうなんですよね。追いかけるつもりなら、とっとと読まないといけません。や、楽しいからいいんですけど。嬉しい悲鳴だな。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
留守中に読んだ本(18冊) (「ベルガリアード物語」全5巻の感想)
「マロリオン物語」全5巻 デイヴィッド・エディングス
「魔術師ベルガラス」全3巻 デイヴィッド&リー・エディングス
「女魔術師ポルガラ」全3巻 デヴィッド&リー・エディングス

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タッチストーンとサブリエルは巧妙に古王国の外におびき出されている間に、武装した集団に襲われます。投げつけられた手榴弾が炸裂。一方、サメスとライラエル、不詳の犬と白猫のモゲットはアブホーセンの館にいて、周囲を仮面のクロールや何百もの奴霊に取り囲まれていました。2人と2匹は、館の井戸から外に脱出し、ネクロマンサーのヘッジに操られているニコラス・セイアーを助けるために紅の湖へと向かうことに。

古王国記シリーズの第3作。最終作です。
「ライラエル」では、ただのお荷物だったサメス王子も、ここに来てようやくしっかりと動き始めて、前巻感じていた苛々も解消。とても面白く読めました。が、物語の展開の速度が速まった分、1作目「サブリエル」の時に感じていたような重厚さが薄れてしまったような気も... せっかく今どきのファンタジーと少し違う独特な雰囲気だったのに、ちょっと残念。
でもやっぱり面白かったです。今回嬉しかったのは、1作目の時からとても興味のあった冥界についてじっくり書かれていたこと。やっぱりこのシリーズは、こういった描写がいいですねー。7つの銀のベルで敵と対峙する場面も良かったし。結局分かったような分からなかったようなといった感じで謎が残ってしまった部分もあったんですけど、これはこのままなのかしら? まあ、いいんですけどね。またこの世界を舞台にした話を書くつもりがあるのかもしれないなあ。(主婦の友社)


+シリーズ既刊の感想+
「サブリエル 冥界の扉 古王国記I」上下 ガース・ニクス
「ライラエル 氷の迷宮 古王国II」上下 ガース・ニクス
「アブホーセン 聖賢の絆 古王国記III」上下 ガース・ニクス

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4150200939.jpg 4150200947.jpg [amazon] [amazon]
19世紀末のニューヨーク。盗賊団・ショート・テイルズ団に追われていた泥棒のピーター・レイクは、絶体絶命のピンチに逃げ込んだ薪小屋の陰に、1頭の白馬がいるのに気づいて驚きます。この白馬はブルックリンの小さな厩から逃げ出して、マンハッタンへと駆けて来ていたのです。ピーターは白馬に飛び乗り、呆気に取られている追っ手たちを尻目に、猛烈な勢いで馬を走らせ逃げ去ります。

いやー、とても不思議な物語でした...。一言で言えば、時を超えた話なんですけど、とっても説明しづらいです。上に書いたあらすじなんかじゃあ、全然説明できてません。これはほんのさわり部分。19世紀末のニューヨークと20世紀末のニューヨークを背景に、様々な人々が描かれていきます。主人公は一応ピーター・レイクだと思うんですが、登場人物がとても多くて、ほんの端役と思われる人物にまで詳細な描写が付け加えられてるんですよね。だからピーター・レイク1人というより、ニューヨークに住む多くの人々の生活が浮かび上がってくる感じ。そういう意味では、人間よりもニューヨークという街自体が主人公なのかもしれません。
退屈に感じる部分もあったし、よく分からない部分もあったし、色んな疑問が残ったままになっちゃったんですけど、それでも読後残ったのは美しい情景。「ウィンターズ・テイル」という題名だけあって、やっぱり冬の情景が一番印象的でした。特に雪に覆われたニューヨークのマンハッタンと、凍りついたコヒーリズ湖。厳しい冬の寒さは、現実の厳しさ同様、人間にも辛く当たるんですが、それでもなにやらとてつもなく美しく印象に残ります。この「冬」は、やっぱり人生そのものを象徴しているのでしょうかー。そしてその冷たい空気の中、風のように舞い上がる白馬・アサンソー。
どんな話だったか説明するのがとても難しいし、自分でも理解しきれたとは思えないのですが、魅力的な物語ですね。いずれまた最初から読み返してみたいです。そうすれば、今よりももう少し理解できるかも。(ハヤカワ文庫FT)

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息子のジェイスンの10歳の誕生日に、フローリン国の文豪・S・モーゲンスターンの「プリンセス・ブライド」を贈ったウィリアム・ゴールドマン。これはゴールドマンが10歳の頃、肺炎で寝込んでいる時に、父が少しずつ読み聞かせてくれた本。ゴールドマンが本好きとなったきっかけの本なのです。でも苦労して手に入れた本なのに、ジェイソンは1章だけで挫折。息子が本を気に入ってくれずがっかりするゴールドマンですが、自分で本を開いてみて、かつて知っていた物語とは違っていることに気づきます。父は退屈な歴史部分を飛ばして、面白いアクションの部分だけを読んでくれていたのです。ゴールドマンは「プリンセス・ブライド」の娯楽抜粋版を作り上げることを決意します。

「明日に向かって撃て!」や「大統領の陰謀」の脚本で、アカデミー脚本賞も受賞している作家・ウィリアム・ゴールドマンが、フローリン国の文豪S・モーゲンスターンの名前を借りて作り上げた「真実の恋と手に汗握る冒険物語の名作」。
いやー、ほんとユーモアたっぷりの作品でした。作中作(?)の「プリンセス・ブライド」自体も面白いんですけど、一番楽しかったのは、やっぱりゴールドマン自身による遊び心たっぷりの解説! 「プリンセス・ブライド」が始まる前の、娯楽抜粋版を作るきっかけとなった話も面白いですし、本編が始まってからは、ゴールドマン自身による解説が随時織り込まれていて、これがまた楽しいのです。ハヤカワ文庫版では、この解説部分を分かりやすくするために赤字で印刷していますが、原書もそうなのかしら? 何度も解説が入るので、物語はそのたびに分断されることになるんですけど、勢いを殺いでしまったりはしないですね。むしろ、漫才のツッコミのような感じかも。(笑)
退屈な歴史部分を全部カットするのって、もしかして某大作ファンタジーに対する皮肉?なんて思いながら、楽しく読みました。もちろんフローリン国などという国はありませんし、文豪S・モーゲンスターンも存在しません。全てがゴールドマンによる一人芝居。上手いです~。
この作品は、「プリンセス・ブライド・ストーリー」という邦題で映画化もされているのだそう。これはちょっと観てみたいかも。(ハヤカワ文庫FT)

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狩りから帰ると妻と子供が無残な姿で殺されていて、大きなショックを受けたヒュー。3人を埋葬すると、残っていた足跡をつけ始めます。そして数日後、森の中で妻を殺した野獣に遭遇。野獣は2人の小人と痩せた若者に襲い掛かっていました。若者が絶体絶命の状態にあるのを見て、ヒューは思わず助けに入ります。そして若者が命を取り止め、野獣をけしかけたのが魔女ゴルタの仕業と知ったヒューは、若者たちの一行に加わって、魔女を討ちに行くことに。襲われていた若者は、白妖精族の王子。死の帝王トルゴンを倒せるただ1人の者だと予言に謳われているエイルワンだったのです。

トールキンのカレンダーやスターウォーズ1作目のポスターなどで爆発的な人気を博したという、アメリカの双子のイラストレーターの小説作品。作品自体はデイヴィッド・エディングスのベルガリアード物語のような雰囲気ですね。でも登場人物の区別がつきにくくて、個性が掴みきれないまま終わってしまいったし、話もイマイチ...。魔女ゴルタの最期があっけなかったし、味方を無造作に殺しすぎるし、予言が今ひとつ上手く機能していなかったし。2人はこの物語を書くために、ラフ・スケッチを千枚以上描いたそうなんですけど、その割に文章を読んでいても全然情景が思い浮かばなくて... そういうのって私にとっては致命的なんですよね。同じイラストレーターでも、ハネス・ボクの「金色の階段の彼方」(感想)や、マーヴィン・ピークのゴーメンガーストシリーズ(感想)は、すごく情景が思い浮かぶような作品だったのになあ。(ハヤカワ文庫FT)

下はヒルデブラント兄弟のイラストのトールキンカレンダー。左の絵がいい感じ? この大きさじゃ、ちょっと分かりにくいですが。
 

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