Catégories:“歴史・時代小説”

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鎌倉幕府が倒れ、後醍醐天皇による建武の新政が始まって間もない頃。都で不世出の麒麟児と言われた北畠顕家は、わずか16歳の若さで陸奥守に任じられ奥州へと下向。多賀国府に入った顕家は、北条家の残党との戦を繰り返しながらも、山の民である安家一族の協力も得て、わずか2年間で見事に奥州を制定します。しかしその後、後醍醐帝と足利尊氏の争いが表面化して...。

久々の日本史物。もしかし火怨(感想)以来かも。なかなか日本史物の気分にならなかったんですよね。
いやー、久しぶりなのでペースを掴むのにちょっと時間がかかっちゃいましたが、面白かったです。北方さんだから男の人たちがみんなカッコいいんですよ。(笑) わずか16歳で、北畠顕家のこの落ち着きぶりってナニモノ?!なんて思ったりもしたんですが(笑)、でも武家と公家の間で揺れ動く顕家の心情(顕家は公家)がしっかり描かれていたし... 味方はもちろんのこと、敵方の尊氏・直義兄弟、斯波家長といった武将も魅力的で、あと奥州藤原氏の末裔という設定の山の民や、忍びの如月という存在が物語に奥行きを出してました。そして特に良かったのが合戦のシーン。奥州から京都までひた走りに走って尊氏を敗走させてしまうシーンが最高! 最後の戦と、「七ヶ条の諌奏」をしたためるシーンも良かったなあ。
でもね、この南北朝時代って、私のピンポイントな日本史の知識からはすっぽりと落ちている部分なんです... だって「イイクニツクロウ鎌倉幕府」の次は「足利尊氏の室町幕府」、程度の知識しか残ってないんですもん... これで事前の知識があればもっと面白かっただろうにと思うと勿体ない... もっと勉強しないとダメですね。(涙)(集英社文庫)


+既読の北方謙三作品の感想+
「破軍の星」北方謙三
「楊家将」上下 北方謙三
「水滸伝」1~3 北方謙三
「水滸伝」4~6 北方謙三
「水滸伝」7~9 北方謙三
「水滸伝」10~12 北方謙三
「水滸伝」13~15 北方謙三
「水滸伝」16~18 北方謙三
「水滸伝」19 北方謙三
Livreにブラディ・ドールシリーズと「三国志」の感想があります)

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「風の王国」シリーズ5冊目。唐の国から吐蕃(チベット)の王に嫁いだ公主が主人公の、史実に基づいた歴史物。(1~4巻の感想はコチラ
今回、とうとう翠蘭がソンツェン・ガムポ大王に会って、自分が世民の娘ではなく姪だと告白することになります。でもそこがクライマックスになるのかと思ったら違ったのでほっ... このシリーズを読み始めた時から、世民の実の娘じゃないっていうのがそんなに大問題なのか?とずっと思い続けてたんですよね。「偽公主」だなんて言うほどの問題じゃないでしょ。だってある意味、世民の実の娘っていうより凄いのに!(謎)
初登場のソンツェン・ガムポは、かなりの狸親父。でも決めるところは決めてくれました。なかなかいいですねえ。さすが大王の風格。この父親と一緒にいると、リジムが妙に子供っぽく見えてくるのが可笑しい♪ でもそれに引き換え、リジムの幼馴染の底の浅いこと... 仮にも王様の親友扱いなんだから、もうちょっと何とかしてもらえないですかねえ。なんでこんなヤツと仲が良かったんだ? 人を見る目がないとしか思えないぞ...っ。とはいえ、今回がシリーズで一番緊迫感があって面白かったです。
しかしこれで偽公主問題は一応解決してしまいました。これからどうするんでしょ。史実の通り突き進む? 単純に史実通りにはして欲しくないなあ。さて、どんな風に料理してくれるのやら楽しみです。(コバルト文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「風の王国」1~4 毛利志生子
「風の王国 月神の爪」毛利志生子
「風の王国 河辺情話」毛利志生子
「風の王国 朱玉翠華伝」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国 目容の毒」毛利志生子
「風の王国 臥虎の森」毛利志生子
「風の王国 花陰の鳥」毛利志生子
「風の王国 波斯の姫君」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国 初冬の宴・金の鈴」毛利志生子
「風の王国 嵐の夜」上下 毛利志生子
「風の王国 星の宿る湖」毛利志生子

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17世紀半ばの群雄割拠時代のドイツが舞台。ブランデンブルクの若き選定侯フリードリヒ精鋭部隊がハルバーシュタット公国に攻め込みます。落城寸前の城から、公爵の嫡男・ヨハンと令嬢ソニアを逃がしたのは、宰相の14歳の娘・マリア。彼女はソニアの身代わりとして、城に残ってフリードリヒを待ち受けるのですが...。

千・年・庭・園の凛未明さんのオススメ。西洋史を背景にしたジェットコースター・ロマンスと聞いてたんですが、まさにその通りでした! いやあ、展開が速い速い。(笑) それでも14歳のマリアがなぜか気になって仕方がないフリードリヒの不器用な愛情や、父の敵のはずのフリードリヒに父親的な包容力を見出していくマリアの様子はなかなか繊細に描かれていて良かったです。途中でマリアもフリードリヒもやけに気弱になってしまって、気が強かったはずのマリアが守られるだけの女の子になってしまった時はどうしようかと思いましたが、最後にようやく自分の道を自分で決めることができて、ほっ。
ちなみにこの作品、元々は講談社X文庫から出てたのだそうです。第3回ホワイトハート大賞佳作受賞作品ですって。その時の表紙が右の画像。F文庫がどういう性格のものなのかは、まだ今イチ掴めてないんですけど(大人の女性のための恋愛物?)、やっぱりかなり雰囲気が変わりますね。(笑)(講談社F文庫)

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夢枕獏氏のこの作品に対する思いを語ったエッセイや、映画「陰陽師II」の第一稿と第四稿、映画で安倍晴明役を演じた野村萬斉氏、山口博氏、志村有弘氏らとの対談、登場人物・作品詳解など、人気シリーズ「陰陽師」にまつわることを集めた1冊。

実は野村萬斉氏との対談目当てだったんですが(笑 ←もちろん「陰陽師」シリーズは大好きですが!)、その対談も面白かったし(映画の裏話とか、演技中のトリップや呪の話など)、あと夢枕獏さんの安倍晴明・源博雅の誕生秘話、特に源博雅に関する辺りも良かったです。博雅が実在の人物だというのは知ってたんですけど(とは言っても、以前あとがきか何かで読んだ程度ですが...)、実際に色々な逸話が残っている人物だったんですねー。博雅が無自覚の天才という辺り、なるほどなあという感じ。博雅自身は自分の能力に気付いていないけれど、晴明だけはは知っているから「博雅、おまえはすごい」という言葉が頻繁に出てくるんですね。なるほどー。
以前読んだ「七人の安部晴明」というアンソロジーは、いかにも晴明人気に便乗した感じがあったんですが、こちらは晴明の生きていた時代がぐっと身近に感じられる1冊でした。登場人物・作品詳解で、晴明と博雅の会話を読んでたら、またシリーズを読み返したくなっちゃった。(文春文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「陰陽師-付喪神ノ巻」「陰陽師-生成姫」「陰陽師-鳳凰の巻」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「陰陽師 龍笛の巻」夢枕獏
「陰陽師 鳳凰ノ巻」夢枕獏
「『陰陽師』読本 平安の闇に、ようこそ」夢枕獏

+既読の夢枕獏作品の感想+
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」夢枕獏
「シナン」上下 夢枕獏
(Livreに「猫弾きのオルオラネ」「羊の宇宙」「大帝の剣」の感想があります)

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唐の時代、李世民(太宗皇帝)の姪として生まれながらも、諸事情から母方の祖父母の家で商家の跡取り娘として育てられていた翠蘭は、突然皇帝の命令で吐蕃(チベット)へと嫁ぐことに...。

これはBlue windのmakiさんに教えて頂いた本です。コバルト文庫とかX文庫とか角川ビーンズ文庫とか電撃文庫とか、なかなか自分からは開拓できないんですけど、オススメされて読んでみると結構面白いのが潜んでますね。これもなかなか面白かったです。まず、中国物というところで私のハートをギュッと鷲掴みなんですが(笑)、メインの舞台はチベット。チベットを舞台にした作品というのが珍しくて、またしてもギュギュッと。(笑) 皇帝に命じられて辺境の地にお嫁入りしちゃうといえば、まるで王昭君(前漢時代)のような設定だなあ、やっぱり乙女心をくすぐる設定なのかなあなんて思ってたんですけど、実は史実に基づいた話なのだそうです。
展開は思いっきり王道。どこからどこをとっても王道。主人公が恋に落ちて、その相手と少しずつ距離を縮めていって、でも風習も民族も違う2人だから色々な問題は山積み、彼のことを奪おうとする女なんかも出てきて大変なわけです。だけどなんだかとっても和むんですよねえ。ラブラブになっても、文章がからっとしてるからかしら。ちょっと突き放した位置からの心理描写が濃やかだからかも。彼との間の邪魔者がやりすぎないというのも、きっとポイントですね。チベットの歴史や風物なんかもさりげなく紹介されて、ちょっと興味が広がっちゃいそうです。(コバルト文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「風の王国」1~4 毛利志生子
「風の王国5 月神の爪」毛利志生子
「風の王国6 河辺情話」毛利志生子
「風の王国7 朱玉翠華伝」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国8 目容の毒」毛利志生子
「風の王国9 臥虎の森」毛利志生子
「風の王国 花陰の鳥」毛利志生子
「風の王国 波斯の姫君」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国 初冬の宴・金の鈴」毛利志生子
「風の王国 嵐の夜」上下 毛利志生子
「風の王国 星の宿る湖」毛利志生子

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これは「蒼穹の昴」(感想1感想2)の続編。というか後日談。2年前の義和団事件の混乱のさなかに、光緒帝の寵妃・珍妃が井戸に投げ込まれて殺されたという話から、英・独・露・日の高官らが調べ始めるという物語。4人は、ニューヨーク・タイムズ駐在員や、宦官の蘭琴、袁世凱、光緒帝の側室・瑾妃などに話を聞いていきます。でも一体どこからどこまでが本当の話なのやら、それぞれの話は見事に食い違って、色んな人に話を聞けば聞くほど糸はからまっていっちゃうんです。珍妃を殺したのは西太后だというのが、歴史上の通説らしいんですが、ここではそうではないらしく。
「蒼穹の昴」は面白いけどこっちはイマイチだとか、いややっぱりこっちもオモシロイとか、色んな情報があって一体どっちなんだろうと思ってたんですけど、これも結構面白かったです。こんな風に色んな証言を集めていく話って好きなんですよー。解説には芥川龍之介の「藪の中」が引き合いに出されてましたが、それこそ先日読んだばかりの「ユージニア」とかね。登場人物は「蒼穹の昴」とかなり共通してて、でも作風がまた全然違うっていうのも良かったような。歴史ミステリなんだなあと思いながら読んでいたんですが、結局光緒帝と珍妃の恋愛物だったような気がします。
でもでも、最後のあの話だけは全部本当なのかしら? 本当だったら、なぜ彼らはこんなことしたの?
...ちょっと良く分からなくなってしまって混乱中...(恩田さんのもやもやには対応できるんだけど、浅田次郎さんのもやもやにはなぜか対応できない私です(^^;) (講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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自称☆芝居道楽委員会の菊花さんがお好きだと書いてらした山月記。実は私、中国物が好きと言ってる割に、これは全然読んだことがなかったんです。教科書で読んだという方も多いと思うんですけど、私が使っていた教科書には載ってなかったんですよねえ... なんて教科書のせいにしても仕方ないので!遅ればせながら読んでみました。この1冊の中に「山月記」「名人伝」「弟子」「李陵」の4編が収められています。内容的には、既にどこかで読んだような物語ばかりだったんですけど、でも漢文調の文章がとてもいい感じ。ちょっと難し目なんですけど、読んでいて心地良い文章。あ、でもちょっと難しいとは言っても、いっぱい注釈がついてるので大丈夫。巻末の注釈に指を差し込みっぱなしで、行ったり来たりしてしまいましたが。(笑) 
4つの作品のうち、「李陵」だけはちょっとぴんと来なかったんですが、ラストが物悲しい「山月記」も、大真面目にユーモラスな「名人伝」も、孔子の子路への愛情が感じられる「弟子」も、それぞれに良かったです(^^)。(新潮文庫)

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