Catégories:“歴史・時代小説”

Catégories: / /

 [amazon]
陰陽師のシリーズ4作目。一応順を追って読んでたつもりなのに、なぜかこれだけが抜けてるのに先日気がついたので早速読んでみました。でもこれがシリーズ4作目ってあとがきに書いてあったんだけど、出版順から言えば「陰陽師」「飛天ノ巻」「付喪神ノ巻」「生成り姫」に続いて5作目なのでは...? あ、違うのかしら。きっと「生成り姫」だけ朝日新聞社から出てたせいでややこしくなったんですね(^^;。
今回は短編が7編。1編1編がいつもよりも短くて、ややあっさり風味。蘆屋道満との方術比べは、西遊記にも似たようなエピソードがあったなあって感じだったし、どこかで既に読んだような気がする話が多かったです。でもやっぱりここを流れる空気が心地良いんですよね。私が一番好きだったのは、「青鬼の背に乗りたる男の譚」。青鬼に乗った男の最後の台詞が良かったです♪(文春文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「陰陽師-付喪神ノ巻」「陰陽師-生成姫」「陰陽師-鳳凰の巻」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「陰陽師 龍笛の巻」夢枕獏
「陰陽師 鳳凰ノ巻」夢枕獏
「『陰陽師』読本 平安の闇に、ようこそ」夢枕獏

+既読の夢枕獏作品の感想+
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」夢枕獏
「シナン」上下 夢枕獏
(Livreに「猫弾きのオルオラネ」「羊の宇宙」「大帝の剣」の感想があります)

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / /

 [amazon]
なんだか怖い表紙ですねー。これは本のことどもの聖月さんのオススメの作品。聖月さんったら力を入れるあまり、まるでスパムのようなトラックバックまでばら撒いたんですよー。(笑) その聖月さんの書かれた書評はコチラ
で、そのトラックバックを頂いてから1ヶ月以上経ってしまったわけなんですが、読んでみました。(←これでも早い方なのだ) 
舞台は江戸末期から明治にかけての日本。表題作は、とある狂言作家が、若い頃に師匠に聞かされた話を物語るという形式。この表題作の中にも、顔は美しく化粧をしていても心の中は...という譬えが出てくるんですが、まさにそういう感覚の作品群です。核となる登場人物たちは、かつては華やかな暮らしをしていたり、幸せを掴んでいたりと一応恵まれた日の当たる場所にいたはずの人々。なのに物語の視点となる人物が見ている「今」は、既に凋落した生活ぶり。そこには一応、一般的な人々が納得できるような理由や解釈が存在するんですが、それだけではないんですよね。読んでいると、まるでたまねぎの薄皮を1枚ずつはがしていくような感覚です。1枚ずつはがしていって、その一番奥に潜むものは...? もうほんとゾクリとさせられます。5つの物語には特に繋がりも何もないのですが(日本の伝統的芸能が多く登場するけど)、でもやっぱりこれは連作短編集なんじゃなかろうかーって思います。全て読み終えてみると、どれも1人の狂言作家の目を通してみた物語という気がするし。本物の芝居を書くために、人々の生業やそこに潜む闇を覗きこむ目、ですね。
ええと、純粋に好きかどうかと聞かれると、実はあまり私の好みとは言えないのだけど...(聖月さん、ごめんなさいー)、でもオススメしたくなるのも良く分かる良質の短編集。翔田寛さんって、去年ミステリフロンティアに書かれるまでは、実は名前も良く知らなかったんですけど、こんな作品がデビュー作だなんて! しかも埋もれていたなんて!(あ、別に埋もれてない?) たとえば心の闇を描いた作品が好きな人なら、すごくハマると思います。一読の価値はあるかと♪(双葉文庫)

| | commentaire(2) | trackback(1)
Catégories: /

    [amazon]
普段は左から1巻→4巻と並べるんですけど、今回は4巻→1巻と並んでいます。こうすると絵柄が繋がるんですねえ。(←表紙を並べるのが好きな人)
この作品は以前おかぼれもん。のpicoさんに面白いと教えて頂いて以来(確かたらいまわし企画の「秋の夜長は長編小説!」の時)読みたくて、その後moji茶図書館のmoji茶さんが読んでらっしゃるのを見て、やっぱり面白そうだとますます気になっていた作品。自主的に図書館自粛期間をやってたこともあって随分遅くなってしまったんですけど、とうとう読めました...!
いや、ほんと面白かったです。遣唐使として唐に渡り長安に入った空海が、妖異だの何だのから思いがけない出来事に巻き込まれていくという伝奇小説。このタイトルがまたいいですよね! 「沙門空海」が、「唐の国にて鬼と宴」をしちゃうんですよー。(そんな風に書いたら、せっかくのタイトルも台無しかしら) 読み始めこそ、空海と橘逸勢(たちばなのはやなり)の会話がまるで「陰陽師」の安倍晴明と源博雅のようだなあ~という感じだったんですが、でもこっちの2人は「陰陽師」の2人とはまたちょっと違うんですよね。空海にしても野心家だし、意外と計算高かったりしするところが面白い♪ それに物語のスケールの大きさも全然違うんです。...とは言っても、私は「陰陽師」も大好きなので、スケールが大きいからこっちの方が上とかそういう話じゃなくて、「陰陽師」とはまた違う魅力があるという意味なのですが!
空海もいいし、橘逸勢もいいし(でもその後のことを知ってるとちょっと切ない)、中国側の人たちも、既に歴史上の人物となってしまっている人たちもみんな良かった。でも確かにこれは空海が主人公なんだけど、空海の話でありながら、白居易の世界でもあるんですね。二重写しというか、空海の物語の奥底に「長恨歌」が伴奏のように響いてる感じというか... 途中までは「ワクワク」がメインで読んでいたのですが、終盤は一気に切なくなりました。切ない切ない切ない哀しい切ない。 
連載開始から17年、4回も掲載誌を変えながらついに完結したという作品。あとがきの1行目に「ああ、なんというど傑作を書いてしまったのだろう。」という夢枕獏さんの言葉がありますが、これも素直に頷けちゃいます。ほんと凄いです。いい作品を読みました。そのうち空海の日本編も書くつもりがあるとのことで、楽しみ。いずれ役小角の話も書くつもりがあるとのことで、これも楽しみ。夢枕獏作品、今度は16世紀のオスマントルコ帝国を舞台にしてるという「シナン」が読みたいんですよね。あと、李白と白居易もちゃんと読みたいな。...ああ本当に、読んでも読んでも読みたい本は尽きないのですねえ。(徳間書店)


+既読の夢枕獏作品の感想+
「陰陽師 龍笛の巻」夢枕獏
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」夢枕獏
「陰陽師 鳳凰ノ巻」夢枕獏
「『陰陽師』読本 平安の闇に、ようこそ」夢枕獏
「シナン」上下 夢枕獏
(Livreに「猫弾きのオルオラネ」「羊の宇宙」「大帝の剣」「陰陽師-付喪神ノ巻」「陰陽師-生成姫」「陰陽師-鳳凰の巻」の感想があります)

| | commentaire(4)
Catégories: / /

 [amazon]
陰陽師シリーズの... ええと6作目かな...? ...と、数えていて気がついたんですけど、もしかして私、4作目の「陰陽師 鳳凰ノ巻」を読んでなかったかも! しかもこのシリーズは大好きなはずなのに、読んだのは2000年11月以来でした... 我ながらちょっとびっくり。
...というのはともかくとして。
相変わらずの、独特なリズムを感じさせてくれる文章が素敵です。やっぱりこの空気感がいいんですよねえ、このシリーズは。今回、博雅と晴明の2人のシーンが、いつもよりもやや薄いようにも感じられたんですけど、でもその分は蘆屋道満や初登場の賀茂保憲が補ってくれたような。(というより、博雅がこの2人の濃さに負けてる...?!) 道満は相変わらず濃いキャラクターだし(笑)、相変わらず面倒なことを起こしてくれてるんですけど、でも単なる敵役ではなくなってるような。ちょっと言葉は変なんですけど、晴明とは戦友みたいな感覚のように思えました。で、賀茂保憲は兄弟子で、こちらも濃いです。(笑) いきなり真っ黒い虎に乗って登場しちゃうし(晴明の白い狩衣と好対照)、面倒だからとやりかけの仕事を晴明に押し付けちゃうようなキャラ。なんか可笑しーい。そして今回は5編が入ってるんですが、私がその中で一番好きなのは「むしめずる姫」。このシリーズは読んでいるといつも、場面場面がくっきりと鮮やかに浮かび上がってくるんですけど、その中でもこの「むしめずる姫」の最後の場面は特に素晴らしいです。
ということで、「鳳凰ノ巻」も買ってこなくてはーっ。あ、一緒に「『陰陽師』読本」というのもいいかも。野村万斎さんとの対談、読みたーい。(文春文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「陰陽師-付喪神ノ巻」「陰陽師-生成姫」「陰陽師-鳳凰の巻」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「陰陽師 龍笛の巻」夢枕獏
「陰陽師 鳳凰ノ巻」夢枕獏
「『陰陽師』読本 平安の闇に、ようこそ」夢枕獏

+既読の夢枕獏作品の感想+
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」夢枕獏
「シナン」上下 夢枕獏
(Livreに「猫弾きのオルオラネ」「羊の宇宙」「大帝の剣」の感想があります)

| | commentaire(2) | trackback(0)
Catégories: /

 [amazon]
「白妖鬼」(感想)、「鬼」(感想)と並ぶ、弓削是雄の登場する鬼シリーズの1作。「白妖鬼」の3年後、弓削是雄もいつの間にか陰陽寮の頭となっていました。今回は、ある晩弓削是雄が寒気を感じて目を覚ますと、目の前には5つの生首が。そしてその持ち主が1人ずつ死んでいって... という話。祥伝社15周年記念の書き下ろし企画の1つで、「鬼」というテーマで競作された1作。(他の2作は加門七海さん「大江山幻鬼行」、藤木稟さん「鬼を斬る」) ...本当は400円文庫って苦手なんですよね。「長すぎない短すぎない 中編小説の愉しみ」と銘打ってある400円文庫なんですが、私にとってはまさに、「短編にしては長すぎるし、長編にしては短すぎる」という印象。...もちろんその中にも、若竹七海さんの「クール・キャンデー」のようなピリッと引き締まった作品もあるのですが。
で、この作品はどうかといえば、長さのハンディにも関わらず読ませてくれました! まあ、シリーズ物ということで、人物の造形が既にほとんど出来上がっているので、単発物に比べて条件はいいし、元々このシリーズは他の作品もそれほど長くないんですけどね。まあそれはともかく、なかなか美しい人間ドラマを見せてくれます。

book01.jpg最初検索した時、AmazonでもBK1でも画像が出なかったので(BK1にいたっては、何度調べなおしても「空中鬼」のページすら見つからなかった)、先日買った世界史年表と一緒にパチリ。いやー、歴史物って好きなんですけど、「これっていつ頃の話?」とか「アレとコレと、どっちが先?」とか、いつも全然分からなくて困ってるんですよね。で、何か年表か参考書が欲しかったんですが、GWの間にとうとう買ってしまいました。この「世界史年表」は、愛想は全然ないんですけど、日本史を含めた世界史が地域別に並列して載ってるので分かりやすくていいかなーと思って。あまり詳しすぎないところもGood。この「空中鬼」でも、早速活躍しています。(その数時間後、もう一度BK1で検索したら、今度はちゃんと画像付きで出てきました... なぜ???)(祥伝社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「白妖鬼」高橋克彦
「鬼」高橋克彦
「空中鬼」高橋克彦

+既読の高橋克彦作品の感想+
「闇から招く声」高橋克彦
「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦
「天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実」1~3 高橋克彦
「炎立つ」1~5 高橋克彦
「風の陣」高橋克彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

| | commentaire(2) | trackback(0)
Catégories: / /

 [amazon]
「願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ」という歌からも、桜のイメージの強い西行。ここ数年、桜の季節に合わせて白洲正子さんの「西行」を読もうと思いつつ、果たせずに積みっ放しだったのですが、今年こそ!
ということで、まずは辻邦生さんの「西行花伝」を読んでみました。(えっ、白洲さんじゃないの?) 西行の死後、弟子の藤原秋実という人物が、生前の西行に関わりあいのあった人物を訪ね歩いて、西行に関する話を聞き出していくという形態。秋実自身はもちろん、乳母や従兄、友人知人、そして他ならぬ西行自身の言葉によって、徐々に西行という人間が浮かび上がってきます。西行に関する知識など皆無に等しい私にとっては、人間関係を掴むまでがちょっと大変だったのですが、でも文章がなんて美しい...! 柔らかな語り口なんですけど、芯の強さがあるんでしょうね。読んでいてすごく心地良かったです。森羅万象を愛しむ西行の懐の深さと相まって、なんだか大きな温かいものに包まれているような気分になりました。和歌の説明が特についていなくても、読んでいるうちに自然と分かってくるような気がしたし。そして西行といえば、もっと世を儚んで出家したのかと思っていたのですが、この作品によるとそうではないのですね。歌に生きるため、この世の全ての物を愛するがため、この世を美しく豊かに生きるための出家。現世(うつせみ)が好きだからこそ、現世を棄てる。現世から一歩離れてこそ、その良さが見えてくるし、より深く現世に関わるための出家。700ページという大作で、結構時間をかけて読んだのですが、でももっとゆっくり読みたかったな。序+21帖に分かれてるから、1日に1帖ずつ読むというのもいいかも。今度ぜひとも再読して、またじっくりと味わいたいものです。

これは実は5回目のたらいまわし企画で、おかぼれもん。のpicoさんが「感銘を受けた本」として挙げてらした本。たらいまわしって、漫然とした私の読書意識にいつもほんとガツーンとショック与えてくれて凄いです。私なんて参加するたびに全然読んでない本ばかりで、自分の底の浅さにショック受けちゃうんですけど、でもおかげで少しは幅が広がりそう。
ということで、次こそは白洲正子さんの「西行」。本当は瀬戸内寂聴さんの「白道」も読んでみたいんですけど、こちらは未入手。これは来年かもしれないなあ。(新潮文庫)


+既読の辻邦生作品の感想+
「西行花伝」辻邦生
「手紙、栞を添えて」辻邦生・水村美苗

| | commentaire(2) | trackback(0)
Catégories: /

  [amazon] [amazon]
陸奥の奥にひっそりと暮らしていたため、朝廷から特に干渉を受けることもなかった蝦夷たち。しかし陸奥から黄金が産出することが分かり、事態は急転。陸奥の土地、そして人々の心を守るために立ち上がったのは、蝦夷の若き長となった阿弖流為(アテルイ)。

いやー、本当にいい作品でした...。「男が泣ける」小説とは聞いていたんですけど、まさにそんな感じ。これほどの作品だったとは。や、これは読まなくちゃいけません。面白いとか感動したとか、そんな言葉では言い表せないぐらい、もう心底良かったです。
この作品の主人公はアテルイという若き蝦夷。18歳にして蝦夷たちのリーダーとなった人物です。若いからちょっと血の気が多いんだけど、でもみんなその熱さに魅せられちゃうほどの男気のある人物。このアテルイが表に出てきて初めて、それまでバラバラだった蝦夷たちが1つにまとまることになります。アテルイの腹心となる飛良手(ひらて)や参謀の母礼(もれ)、幼馴染の伊佐西古(いさしこ)... もうみんなアテルイに男惚れしてるし、彼ら自身もいい男揃いなんですよね。朝廷軍との戦いっぷりもお見事。そして後半になると、坂上田村麻呂が登場します。アテルイを知らなくても、坂上田村麻呂という名前には聞き覚えのある人も多いでしょうね。この田村麻呂がまた男気がある人物なんだ! もうほんと敵ながら天晴れというか何ていうか、なんでアテルイと坂上田村麻呂は違う側に生まれてしまったんだろう... と哀しくなってしまうほど。でもアテルイたちと田村麻呂の、お互いに対する信頼が、またいいんですよねえ。
で、ここまでくると、大体の筋書きは想像がつくよっていう人もいるかもしれないし、かく言う私もある程度は予想してたんですが... もうそんなの途中で吹っ飛んじゃいました。後半4分の1は予想を遥かに上回る展開。物凄く良かったです。最後の100ページなんて、ティッシュと大の仲良し。涙で目が霞んで文字も読めなくなっちゃったほどでしたもん。目も鼻も真っ赤っ赤。...私がそんな風に泣くのって、ものすごーーーく珍しいんですよ! しかも100ページずっと涙が止まらないなんて、我ながらびっくり。
ということで、皆様ぜひ読みましょう。文句なしの傑作です。(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦
「天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実」1~3 高橋克彦
「炎立つ」1~5 高橋克彦
「風の陣」1~3 高橋克彦

+既読の高橋克彦作品の感想+
「白妖鬼」高橋克彦
「闇から招く声」高橋克彦
「鬼」高橋克彦
「空中鬼」高橋克彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

| | commentaire(5) | trackback(3)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.