Catégories:“歴史・時代小説”

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江戸末期。上野の端にある小さな神社の禰宜を務める弓月の元を訪れたのは、由緒正しい大神社の権宮司・佐伯彰彦。彰彦は、弓月の夢告(ゆめつげ)の能力で、神社の氏子である蔵前の札差・青戸屋の1人息子の行方を占って欲しいと言うのです。
畠中さんの江戸時代物!やっぱりこの方は、江戸時代が合ってるんでしょうねー。どうしても若旦那のシリーズのインパクトが強いので、同じ江戸時代が舞台となると、どんな風に特徴を出すんだろう... とちょっぴり心配していたのですが、心配無用でした。こちらは妖怪こそ出ませんが、主人公の弓月もいい味出してますし、ほのぼのとして暖かくて、やっぱりこの雰囲気は大好きです(^^)。...ちょっと頼りなくて、でもやる時はやるゾ!って弓月のキャラクターは、若旦那と少しかぶってるんですけどね。(笑)
青戸屋の1人息子は一体誰なのか、神社に集まった彼らを狙うのは誰なのか、という謎が中心にあるし、弓月のゆめつげの能力が、本人にもなかなか意味が解けない謎の情景ということで、立派にミステリ仕立てと言える作品なんですが、でもミステリという以前に1つの物語として面白かったです。シリーズ化して欲しいような作品だけど、でもこれはもうこれでお仕舞いかなあ。ちょっともったいないような気がするけど、これは仕方ないかなあ。(角川書店)


+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「おまけのこ」
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
「いっちばん」畠中恵
Livreに「しゃばけ」「ぬしさまへ」「百万の手」「ねこのばば」の感想があります)

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ということで、読み終わりました、「蒼穹の昴」!
面白かったですー、一気に読んでしまいました。...でもすごく面白かったんだけど、後半は新聞記者とかの視点に移り変わってしまって、主役2人の比重がかなり小さくなってしまったのは残念だったな。前半は史実以外の物語の部分が大きくふくらまされてて、そういう肉付けの部分が凄く面白かったのに、後半は史実に負けてしまったような... 主役の2人は、もちろん光緒帝派と西太后派として重要な役回りなんだけど、でももう既に個人のドラマというレベルではなくなってしまったから。それはこの作品の良い面でもあるんでしょうけど、でも1巻2巻を読み終わった時点で、少し違う方向性を期待してしまったんですよねえ。(^^ゞ
とは言え、それでもやっぱり面白かったです。普段中国物を読んでいると、私が好きなのはもっと古い時代のせいか、他の国との交流があまり出てこなくて、中国だけで完結していることがほとんどなんですよね。それがこういう清の時代、それも末期の話ともなると、日本を含めた諸外国の存在も無視できなくなってきていて、それが中国物としてまたすごく新鮮でした。ここから今の時代に繋がるんだなあって実感。現代に通じるマスコミのペンの力みたいなものも良く分かりますしね。実在を実感できる歴史というか何というか。...で、まずはここから「ラスト・エンペラー」に繋がるのね。(笑)
でも西太后って、本当の本当のところは、どういう女性だったんだろう?? どんな人だったのか、歴史を遡って覗き見てみたい!!(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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ということで、2巻まで読了。ハードカバーは全2巻ですが、文庫は全4巻となっているので、丁度半分読んだことになります。いやー、面白いっ。中国物好きとは言っても、清の時代に関してはあまり詳しくない私なんですが、去年陳瞬臣氏の「阿片戦争」や「太平天国」を読み、今年になって井上祐美子さんの「雅歌」を読んで、自分の中でだんだん歴史が繋がってきました。こうやって徐々に繋がっていくのが、歴史物の醍醐味ですよねえ(^^)。
ええと、中心となる人物2人は架空の人物なんですが、西太后、光緒帝、袁世凱ら歴史上の有名人物も登場してて、で、この中でびっくりしたのが西太后の描かれ方!「有名」というよりも「悪名高い」と言った方がぴったりの西太后なんですが、こんな風に描かれてるなんて面白いなあ。しかも彼女の祖父に当たる乾隆帝とカスチリョーネ(郎世寧ですね)のエピソードがすごくいいのです。あと、科挙や宦官についてもかなり詳しく書いてあって、その辺りも興味深いですね。特に科挙。これまでも色々読んで、大変だったんだなあとは思ってたんですど、本当に途轍もなく凄まじい試験だったんですね...。日本の受験戦争なんて、これに比べたら甘い甘い。日本の受験は、試験会場で気が狂ったりなんてしないですもんね。
今のところ一番好きな場面は、主人公の春児が、宮廷を出た老宦官たちの住む老公胡同に一緒に暮らしているところです♪ (講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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明治維新によって江戸時代が終わりを告げ、新政府が発足。まだその体制が整いきっていない頃、腐敗した役人を裁くための役所「弾正台」が作られます。その弾正台で大巡察として活躍するのが香月経四郎と、後に初代警視総監となった川路利良。そして2人は様々な犯罪に出会うことに。
伝奇小説で有名な山田風太郎氏によるミステリ作品。最初は長編のように始まるのですが、3章以降は連作短編集のような作りになっています。...実はこの最初の2章がどうも退屈で... 何度読み返しても頭に入ってこなくて困ってしまいました。ほとんど挫折しそうになったほど。でもここで諦めちゃダメ。3章からはずんずんと面白くなります! 奇怪な不可能犯罪の目白押し。で、このトリックにもびっくりなんだけど、作品最後の真相にはボーゼン。いやー、そういうことだったのね。これは驚いた。
謎解きをするのは、香月経四郎の愛人のフランス女性・エスメラルダ。彼女の推理部分が全部カタカナで読みにくいのだけはネックなんですけど、でもこれは頑張って読むべし!(ちくま文庫「山田風太郎明治小説全集7」)


+既読の山田風太郎作品の感想+
「明治断頭台」山田風太郎
「警視庁草子」上下 山田風太郎
Livreに「魔界転生」の感想があります)

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200歳とも300歳とも言われるすっぽんの徐庚先生に師事している、県令の1人息子・趙昭之。今日も2人で香山の照月亭へと赴き、街を見下ろしながら世の中のことについて学んでいます。
森福さんお得意の、中国を舞台にしたミステリ風味の連作短編集。「森福版"聊斎志異"」という言葉にも納得の少し不思議な雰囲気が漂います。すっぽんの徐庚先生は、本当に「すっぽん」の化身だし、その他にも幽霊や人面瘡が当たり前のように登場。でもそんな妖異が登場しても素朴でのんびりとしていて、こういう雰囲気は大好き。
でも、とても面白いんだけど、どこか決め手に欠ける気もするんですよね。短編同士の繋がりが薄いからかなあ。キャラクターのインパクトが弱いのかなあ。(昭之のお父さんとお母さんは好きなんだけど!)それにいくら社会勉強と言っても、他人の生活を勝手に覗き見してるというのがちょっとね。しかも高みの見物だし...。この部分でもう少し説得力があれば良かったのになあ。(光文社)


+既読の森福都作品の感想+
「琥珀枕」森福都
「漆黒泉」森福都
「狐弟子」森福都
「楽昌珠」森福都
「肉屏風の密室」森福都
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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中国四大奇書の1つとも言われる「紅楼夢」を元に書き上げられたミステリ作品。栄華を極めた賈家の作った人口楽園「大観園」で繰り広げられる連続殺人事件。
ここで起きる事件は、どれもこれも不可能犯罪。衆人環視の中で犯人が消えうせてしまったり、被害者の衣類だけが空を飛んでいたり、密室状態の現場にある遺体は、空から落ちてきたとしか思えなかったり。そんな事件ばかりが次々と起こります。そういう不可能犯罪って、「なぜそのような状況にしなければならなかったのか」という部分がポイントですよね。ただ単に「密室が作ってみたかったから」という理由では、読者は納得しないもの。この作品では、それが綺麗にクリアされていました。そして、なぜ大観園が舞台じゃなきゃいけなかったのかという理由も最後の最後に明らかになります。その理由自体は、正直それほど意外とは思わなかったんだけど、でもここでは全てが連動してて、そうなるとやっぱりもう、「そうだったのか!」。いやー、お見事です。
芦辺さんが「紅楼夢」を十分読み込んでらっしゃるのが分かりますね。完全にこの世界を自分のものにしてるもの。それがやっぱりスバラシイー。(文藝春秋)


+既読の芦辺拓作品の感想+
「紅楼夢の殺人」芦辺拓
Livreに「十三番目の陪審員」「真説 ルパン対ホ-ムズ-名探偵博覧会」の感想があります)

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「西遊記」でお馴染みの三蔵法師が、長安を出発して天竺に向かう物語。以前、中国物のアンソロジー「チャイナドリーム」1~3で、最初の3章は読んでたんです。で、その時は連作短編集なのかと思ってたんだけど、改めて通して読んでみると普通の長編でした。(笑)

「西遊記」での三蔵法師といえば、すぐ魔物とか悪者にさらわれてしまって、いちいち孫悟空が助けに走らなくちゃいけなくて、とっても手間のかかるヒト。孫悟空が悪者を早めに倒してしまうと、自分が危なかったことも信じないで、「慈悲」を言い出す困ったちゃん。しかも孫悟空の言うことはあまり信用しようとしないくせに、猪八戒の言うことはすぐに鵜呑みにしてしまったり、どちらかといえば頭の悪い印象だったんですよね。でもここでの玄奘は、意思の強い天才青年でした。天竺に行きたいという奏上が太宗皇帝自らの勅によって却下されると、なんと実力行使で密出国してしまうのです!
この作品って、きっと本当は大長編になるはずだったんでしょうね。たった200ページ強のノベルス1冊で終わらせてしまうのは、あまりに中途半端。でもその後続編が書かれることもなく、10年ぐらい経っているので、もう書かれることもないのでしょうね。これから面白くなりそうなところなのに、勿体無いなあ。(トクマノベルズ)

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