Catégories:“ホラー”

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様々な媒体に発表されてきたホラー短編が、前後の会話を挟むことによって、数人のホームレスらしき人間の集まりで語られている物語として成立している作品。1つ話が終わるたびに、その語り手たちのことが少しずつ分っていくところが面白かったです。最初は「わたし」と「トヨさん」と「彼女」の3人。そこに「ヒゲ三」が加わって、「わたし」が「センセイ」であることが分かり、そして「サトーさん」が加わり... と、それほど大掛かりな仕掛けではありませんが、短編が苦手な私にはちょっと嬉しい趣向かも。
それぞれの作品はホラーと言うほど怖いわけではなく、あとがきで柴田よしきさんが書いてらっしゃるるように「夜」のイメージ。ごく普通の日常生活を送る「昼」に対して、それが歪み変化した「夜」。ほとんど怖くないんですけど、幻想的。何かの瞬間に歪んで変化してしまう女性の想いが様々な形で描かれているのが、柴田よしきさんらしかったです。...今、本の画像を見ていて気づいたんですけど、黒いのは女性の髪の毛だったんですね... 怖っ。(祥伝社)

で、本の感想とは関係ないんですけど、今朝、階段から落ちました... 上から下まで、ずどどどどーっと。
痛いやら情けないやらで、もう泣きそう。じっとしてる分には大丈夫なんですけど、身体を動かすと痛くって、結局今日は1日中寝てました。そしたら寝れること寝れること。ほんと信じられないぐらい1日中ぐっすりでしたよ。気がつかないうちに、ちょっと疲れが溜まってたのかもしれないですね。逆にいい休みになりましたー。
で、晩になって少し復活したんですが... 頭にできたたんこぶがやっぱり痛いです(^^;。


+既読の柴田よしき作品の感想+
「ワーキングガール・ウォーズ」柴田よしき
「シーセッド・ヒーセッド」柴田よしき
「窓際の死神(アンクー)」柴田よしき
「夜夢」柴田よしき
「激流」柴田よしき
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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津原泰水まつりエントリ第1弾として選んだのは、この「妖都」。本当は、ブログには「ペニス」「少年トレチア」「綺譚集」の感想を書いているし、サイトの方には他の作品の感想もアップしてるので、エントリしようと思えば一気にできるんですが... いい機会だし順番に再読していくことにしました。(少なくとも手元にある本は) ...あ、でも再読しても、前に書いた記事をそのままエントリしちゃう可能性大です。(と、「妖都」を読了した時点で思いました。)

この「妖都」は、人間でも幽霊でもない、「死者」たちが徘徊する東京が舞台。「死者」の姿を見れるのは、雛子や馨などごくわずかな人間のみ。2人は先日自殺した人気ヴォーカリスト、両性具有と噂された美貌の「チェシャ」の書いた歌詞に暗示的なものを見つけ、調べ始めることに... という物語。綾辻行人さん、小野不由美さん、井上雅彦さん、菊地秀行さんが絶賛したという作品です。(ココで見れます)
今回読むのは丁度3年ぶりの再読なんですが、もう、読み始めた瞬間のめり込んでしまいました。やっぱり、この作品好きだー!! 半陰陽、両性具有、近親相姦... といったものをモチーフに、ねっとりとした夜の闇とエロティシズムが迫ってきます。(「綺譚集」とはまたちょっと違うのですが) 先日のたらいまわし企画「美しく妖しく... 夜の文学」でも、これか「蘆屋家の崩壊」を入れたくて、最後まで迷ったんですよね。やっぱり入れておけば良かったかな。好き嫌いは、ハッキリ分かれそうなんですけどね。
なーんて全然感想にも何もなってないですね。でもね、やっぱりこの方の作品の感想を書くのってとっても難しいです...。好きだというだけで、もう十分のような気もするのですが、それってただの「書けない言い訳」なのでしょうか?(笑)(講談社文庫)


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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ふと気がつくと、幽霊になっていた?! ひっきりなしに頭に浮かぶのは「事故だ!」という言葉ばかりで、何も思い出せない「あたし」。でもドアを通り抜けて家に入り、3人の姉妹を見た途端、自分が誰なのかを思い出します。幽霊になってしまうだなんて、一体何があったのかしら...?

主人公が自分のことをまるで思い出せない状態なので、当然読んでる側にも何も分からず、序盤はちょっと話に入りづらかったんですけど、まずは「自分は誰なのか」、そしてその自分に「一体何が起きたのか」というミステリ的な展開。そして姉妹が登場し、幽霊の正体が分かった辺りから、どんどん面白くなります。もうこの姉妹の喧嘩が強烈で、読んでるだけでも圧倒されそうでした。同じ4人姉妹でも、「若草物語」とは何という違い!(笑) でもね、その両親がまた一枚上手なんですよー。寄宿学校の経営をしているんですけど、もうすっかり疲れ切っていて、娘たちにまるで無関心。4人のうちの1人がいなくても気付かないなんて!
でもまあ、この辺りまではまだ普通の日常生活の雰囲気なんです。中盤以降、その雰囲気が一変してしまってびっくりでした...。とにかく先が読めない展開で、実はまだまだ大きな謎も残されています。そしてラスト。なんと、そう来ますかーっ。いや、もうまるでスパッと包丁で切り落とされてしまったような感覚。でもこのラストこそが、ダイアナ・ウィン・ジョーンズなのかもしれないな。や、予想外に強烈な作品でした。もう、びっくりしたなー。(創元推理文庫)


+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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海外物が続いてたので、このまま海外物強化月間にしてしまおうかとも思ったんですが、図書館でこの本を借りてしまいました。図書館、久々ーっ。読みたかったんですよねえ、コレ。
まず本を手に取って... 装丁が美しいです。表紙の女性は生きているのでしょうか、それとも...? 本の奥付には「津原やすみ」の著者検印付き、ハトロン紙まで貼られてるんですよー。凄いなあ。これは図書館で借りるよりも購入向きの本だったかも。(^^ゞ
中身の方は、「異形コレクション」に発表された作品を中心にした短編集。ここに収められた15作品のうち2編が既読だったんですけど、でも本来バラバラだったはずの短編なのに、こうして1つにまとめてしまうと、なんて違和感がないんでしょう。艶やかで美しくて妖しくて、そしてエロティック。何も知らずに読んでいたら、別々に書かれた作品とは思わなかったかも。1つ1つは全然違う世界なのに、ごく自然に滑らかに繋がっていくんです。
この中で一番印象的だったのは「聖戦」という作品だったんですが、これは先日読んだ長編作品の「ペニス」にそっくり。この作品をふくらまして書いたのが「ペニス」だったのかな? あちらを読んだ時は、実はものすごーく苦労したんですけど、でも今読み返したら最初に読んだ時よりもずっと理解できるかもしれないなあ...。あれはもしかしたら、短編集のような気持ちで読むべき作品だったのかも、なんて思ってみたり。全体を通して、「正気」と「狂気」の境目が曖昧というか... 「生」と「死」でも良さそうですね。普段なら両極にありそうなものが違和感なく隣り合わせに共存していて、しかもふとした拍子にどちらにもなり得るような、そんな不思議な感じでした。(集英社)


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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東京郊外の新興住宅地、通称緋沼サテライトで不吉な事件が次々に起こっていました。動物や人間が襲われ、殺されたり行方不明になっていたのです。目撃した子供の口から出てくるのは「トレチアがやった」という言葉のみ。事件現場では白シャツに制帽姿の少年が目撃され、「キジツダ」という言葉が...。

前回の「ペニス」(感想)に引き続き、幻想小説テイスト。あちらほどの難解さはないと思うんですけど、こちらも結構な難物デシタ。前半部分は、人工的な新興団地の闇に浮かぶ都市伝説。まだ大人ではなく、かと言って善悪の区別のつかない子供でもなく... といった年代の子供たちの中途半端さと、容赦ない極端さが怖い! そして後半になると、その都市伝説が崩壊して怒涛の広がりを見せることになります。その辺りが津原さんの津原さんたる所以のような気がするんですが... 自分が果たしてどの程度理解できているのかと考えると、妙に不安になってしまったり...(^^;。(集英社文庫)


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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えっと、これは何をどう書けばいいんでしょう... 幻想小説って言えばいいんでしょうか。ええと、はっきり分かってるのは、主人公は中年の公園管理人だということ。そして最初のページにあるように、舞台が「井の頭恩賜公園とその周辺、および管理人の記憶と夢想」ということ。なんだか、特に筋書きのないオムニバス映画を観ているような印象でした。現実と虚構、現在と過去が入り乱れて描かれていて、それぞれの場面はすごく濃厚でくっきりとしてるんだけど、でもなんだか希薄。不安定でとりとめがなくて、混乱してて... でもその核には何かあるような感じ。生きてる人間の思考の中を覗き込んだら、こんな感じなのかしら、なんて思ったり...。これは頭で理解するような作品じゃないんだろうな。「ルピナス探偵団の当惑」みたいな、分かりやすくて楽しい作品とはまた全然違うんだけど、きっとこっちの方が津原さんの本質なんでしょうね。私は、本当は「妖都」や「蘆屋家の崩壊」みたいな作品の方が好きなんですけど、そこから更に一歩踏み出したって感じ。でもワケわかんないとこもあるんですけど、吸引力は凄いんですよ。なんだか息をつめて読んじゃってたので、読み終わった後はぐったり。
去年各所で話題になってた「綺譚集」もすごく読みたいんだけど、次は文庫になった「少年トレチア」を読む予定。でもこの作品を読むのに力を使い果たしちゃった感じなので、その前に何かもっと優しいものを読もうっと。(双葉文庫)


6月27日+追記+
津原泰水まつりエントリ第4弾のために再読してみました。ゆっくりゆっくり何日もかけて読んで、最初に読んだ時よりもずっと堪能できたし、少しは理解もできたと思います。でも少しはマシなことを書けるかと思ったんですが、どうやら書けそうになく... ダメじゃん。結局過去記事をそのままエントリしちゃいます。(^^ゞ


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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「僕」と「ちーちゃん」とは家が隣同士の幼馴染。小さい頃は、家に突然やってきては押入れの中で臨場感たっぷりに怖い話を聞かせる、幽霊や妖怪が大好きな「ちーちゃん」に閉口していた「僕」なのですが、そんな2人も高校生に。そしてちーちゃんは、オカルト研究会に入部。学校の七不思議を自分で解明すると意気込むのですが... ということで、お初の作家さんです。「日日日」と書いて「あきら」と読むんですって。そしてこの作品は、第4回新風舎文庫大賞受賞らしいです。この本の帯にも「天才高校生デビュー」とあるように、作者はまだ高校3年生。どうやら一部では既にかなり話題になってるようですね。
...なーんていう予備知識も全くなく、裏表紙のあらすじすら読まずに読み始めたんですけど...

読んでみてもうびっくり。この題名だとか表紙だとかにすっかり騙されたわっ。や、これは凄い。何が凄いって、この歪みっぷりというか壊れっぷりというか何というか。(謎) 高校生でこんなの書いちゃうって、これは乙一さんに比べられるというのも納得です。でも西尾維新さん風でもありますね。だってこの主人公、なんだか「いーちゃん」みたいなんだもの。(笑)
あ、でも文章はすごく読みやすいと思うんですが、作品自体の好みは分かれそう。このオチも賛否両論かもしれないですね。という私は結構好きなんですけど、読後感がいいとはお世辞にも言えず。「なんなんだ、コレは!」と思う人も多そう。でもどちらにしても、今後が楽しみな作家さんが1人増えました。これからどんな感じに化けてくれるのか楽しみです。(化けるのか? てか、化けなくちゃいけないのか?) (新風舎文庫)

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