Catégories:“児童書・YA”

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つるばら村のシリーズはこれまでに読んだ6冊だけなんですけど、茂市久美子さんの本には「○○村の△△さん」というタイトルが多くって、しかも「ゆうすげ村」といえばつるばら村のお隣の村なので、どこからどこまで関係してるのか分からなくて結局全部借りてしまいました。でもどうやら全然関係なかったみたい。ゆうすげ村の話にもつるばら村のことは全然出てこなかったし、他の3冊も同様。「にこりん村のふしぎな郵便」は、つるばら村シリーズよりも先に書かれてるし、他の3冊もつるばら村の1冊目と2冊目が書かれる間に書かれているので、まだつるばら村の話がシリーズになるなんて全然思ってなかったのかもしれないけど.、なんか勿体ないなー。
この中で一番好きだったのは、こみねゆらさんが挿絵を描いてらっしゃる「こもれび村のあんぺい先生」。これは、都会の大学病院に勤めていたあんぺい先生が、過疎化でお医者さんがいなくなってしまった「こもれび村」のお医者さんになりに行くという物語。絵も綺麗だし、つるばら村の最初の3冊に一番雰囲気が近くて好きでした。「にこりん村」と「トチノキ村」はぐっと対象年齢が下がる感じだし、「ゆうすげ村」はまあいいんだけど、つるばら村の後半3冊と同じような感じ。もちろん元々児童書なので、そんなところに文句を言っても仕方ないんですが(笑)、つるばら村の最初の3冊は大人が読んでも楽しいファンタジーだと思うので、どうしてもそういうのを期待しちゃうんですよね。(あかね書房・ポプラ社・あすなろ書房・講談社)


+既読の茂市久美子作品の感想+
「つるばら村のパン屋さん」「つるばら村の三日月屋さん」「つるばら村のくるみさん」茂市久美子
「つるばら村の家具屋さん」「つるばら村のはちみつ屋さん」「つるばら村の理容師さん」茂市久美子
「こもれび村のあんぺい先生」「にこりん村のふしぎな郵便」「トチノキ村の雑貨屋さん」「ゆうすげ村の小さな旅館」茂市久美子
「風の誘い」茂市久美子

+既読のこみねゆら関連作品の感想+
「妖精王の月」「歌う石」「ドルイドの歌」O.R.メリング
「夏の王」「光をはこぶ娘」O.R.メリング
「夢の書」上下 O.R.メリング
「空とぶじゅうたん」1・2 新藤悦子・こみねゆら
「こもれび村のあんぺい先生」「にこりん村のふしぎな郵便 」「トチノキ村の雑貨屋さん」「ゆうすげ村の小さな旅館」茂市久美子
「風の誘い」茂市久美子
「仏蘭西おもちゃ箱」こみねゆら

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昨日と同じくつるばら村のシリーズなんだけど、こちらの主人公は、それぞれ青木家具店の林太郎さん一家と、養蜂家のナオシさんと、理容店の「このは」さん。同じ村の話だというのに、くるみさんはほとんど登場しなくて、かなり残念。くるみさんが登場しないので、当然美味しそうなパンの香りもなし。挿絵も中村悦子さんから柿田ゆかりさんという方に代わっていました。こちらの方の絵も可愛いんだけど、なんだかぐっと対象年齢が下がったような気がしてしまうー。それぞれに不思議なことが起きたり、美味しそうな場面があったりするんですけどね。(講談社)


+シリーズ既刊の感想+
「つるばら村のパン屋さん」「つるばら村の三日月屋さん」「つるばら村のくるみさん」茂市久美子
「つるばら村の家具屋さん」「つるばら村のはちみつ屋さん」「つるばら村の理容師さん」茂市久美子

+既読の茂市久美子作品の感想+
「こもれび村のあんぺい先生」「にこりん村のふしぎな郵便」「トチノキ村の雑貨屋さん」「ゆうすげ村の小さな旅館」茂市久美子
「風の誘い」茂市久美子

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三日月屋は、つるばら村でただ1つのパン屋さん。宅配専門で、まだお店はないのですが、注文を受けるとパン職人のくるみさんがパンを焼いて、どこへでも届けます。元々町のパン屋さんで働いていたくるみさんは、2月もそろそろ終わる頃におばあさんの家だった古い農家に引っ越して来て、中古のオーブンと調理用の大きなテーブルを入れて試作を繰り返し、春になった頃にようやく「三日月屋」を開いたのです。しかし沢山の注文があったのは、最初の1週間だけ。しばらく経つと、お店の存在はまるで忘れられてしまったかのようになり... という「つるばら村のパン屋さん」とその続編2作。

つるばら村のシリーズの最初の3冊。どれもパン屋の三日月屋のくるみさんが主人公です。以前にも何冊か読んだことがあるんですけど、どれを読んだのか分からなくなってしまって(汗)、結局全部読み返すことに...。
「つるばら村のパン屋さん」ではまだお店を持ってないくるみさんですが、「つるばら村の三日月屋さん」では駅前に赤い屋根の小さなお店をオープン。そして「つるばら村のくるみさん」では、なんとライバルと恋のお相手が登場?という展開。くるみさんの恋には、正直あまり興味がないのだけど(あれれ)、このシリーズ、とにかく美味しそうなんです。読んでいるだけで、おなかがすいてしまうし、無性にパンが食べたくなってしまう~。お客さんも人間だけじゃないんですよね。たとえばクマの注文は、生地にタンポポのはちみつを入れることと、生地をこねたり寝かせたりする時に蓄音機でレコードをかけておくこと。そのほかにも、十五夜の月の光を入れて欲しいとかいうのもあったし...。材料を持参して、これを入れたパンを焼いて欲しいという注文も多いですね。時には、パンの香りに誘われて遥か彼方の空の上からのお客さまもあったりして。でも焼きたてのパンのあの香りを思うと、そういうこともあるかもしれないなあ、なんて思っちゃう。中村悦子さんの挿絵もとっても柔らかい優しい雰囲気で素敵です。(講談社)


+シリーズ既刊の感想+
「つるばら村のパン屋さん」「つるばら村の三日月屋さん」「つるばら村のくるみさん」茂市久美子
「つるばら村の家具屋さん」「つるばら村のはちみつ屋さん」「つるばら村の理容師さん」茂市久美子

+既読の茂市久美子作品の感想+
「こもれび村のあんぺい先生」「にこりん村のふしぎな郵便」「トチノキ村の雑貨屋さん」「ゆうすげ村の小さな旅館」茂市久美子
「風の誘い」茂市久美子

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1542年。父のカワと一緒に羊を連れて山の上の草原に来ていた7歳のネフィが出会ったのは、バロという男。人に追われて3日3晩飲まず食わずで歩いてきたというバロは、食料と水をもらったお礼に、遥か西にあるオスマンの国の都イスタンブルの話を物語ります。それは、スルタン・スレイマンがぞっこん惚れ込んで1年前に正式な妃にしたフッレムが宮廷の新しいハレムの庭に青いチューリップを欲しがっているという話。そして何年も青いチューリップの研究をし続けているアーデム教授の話。青いチューリップは都では幻の花とされていました。しかし、カワやネフィの来るこの山では咲いているのです。突然行ってもスルタンには会ってもらえないと考えたカワとネフィは、青いチューリップの球根を持ってアーデム教授に会いに行くことに。

トルコに造詣の深い新藤悦子さん初の児童書という作品。読んでみると夢枕獏さんのシナン(感想)とかなり時代的に重なっててびっくり。背景は16世紀のスレイマン1世の時代。シナンはもう既に建築家頭となっていて、アヤソフィアを凌ぐモスクを建築させようとしていた頃の話です。まあ、この時代がトルコにとって黄金時代だから当たり前といえば当たり前なんでしょうけどねー。それにスレイマン1世もシナンも名前しか登場しないんですけどね。あ、でも、「青いチューリップ、永遠に」の方にはスレイマン妃のロクセラーヌが登場していました。(この作品ではフッレム妃という名前) そしてイブラヒム大宰相とのエピソードも。

その後のヨーロッパでのチューリップ狂時代を予感させるようなストーリーを下敷きに、都に出てきた羊飼いの少年・ネフィの成長や、絵師に憧れるアーデム教授の娘・ラーレの話などが展開。面白かったんだけど、描きたいことがちょっと多すぎたかも、という印象も...。これだけ詰め込んだにしてはよく整理されていると言えるんでしょうけど、もうちょっと絵のことに焦点絞っても良かった気もします。絵師頭の一番弟子・メフメットの葛藤とか、もっとじっくりと読みたかったし。でもこの辺りの話は本当に興味深いです。当時のトルコでは写実的な絵は基本的に禁止されていて、肖像画を描くこともできないし、花の絵を描くにもいちいち文様化しなくちゃいけないというのがあるんですが、見たままを描くのが好きなラーレは、それがどうしても納得できないんです。で、宮廷の絵師頭をしている祖父に尋ねるんですね。その時の答が「文様にだって生命(いのち)がある。目に映るものを、一度殺して、新たな生命を吹き込む、それが文様というものじゃ」という言葉。これがとっても印象的でした。
そして「青いチューリップ、永遠に」は、それから1年後の話。こちらの方が新藤悦子さんの肩からも力が抜けたのか、話の中心がはっきりしていて読みやすいです。波乱万丈という意味では少し控えめになってるし、1作で勝負という感じだった前作に比べて、良くも悪くもシリーズ物になっちゃってるんですけどね。中心となっているのは、相変わらず絵師に憧れているラーレと、印刷された本を初めて目にして、宝石のような本よりも、人々が手に取りやすい薬草帳を作りたいと考えたネフィが中心。ラーレは描いた絵が認められて、女絵師としてちやほやされるようになるんですが、そこで気づかされるのは、「生きている」ことと「生かされている」ことの違い。籠の中の鳥よりも空を飛ぶ鳥の方が、のびのびと歌うということ。いくら華やかで美しい世界だろうと、閉ざされた世界にいるよりも外の自由な空気の方が大切だということ。となると、ラーレを巡る青年たちの中では、型破りなネフィがいかにも魅力的に映るわけで...。ライバルのメフメットにももう少し見せ場を作ってあげて欲しいなー。(講談社)


+既読の新藤悦子作品の感想+
「空とぶじゅうたん」1・2 新藤悦子・こみねゆら
「青いチューリップ」「青いチューリップ、永遠に」新藤悦子
「エツコとハリメ」新藤悦子
「トルコ 風の旅」「イスタンブールの目」新藤悦子
「時をわたるキャラバン」新藤悦子
「羊飼いの口笛が聴こえる」新藤悦子
「チャドルの下から見たホメイニの国」新藤悦子

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「窓のそばで」は、ルイコという小学生の女の子が主人公の連作短編集。「星占師のいた街」は、12の月それぞれのスケッチ「12のオルゴール」と、ごみごみした街中の古いレンガ造りのビルのてっぺんにあるみすぼらしい箱舟に、猫と一緒に住んでいた年寄りのノアの物語「ノアの箱舟」、古いアパートの前のぽっかりとした空き地が気に入っていたのに、そこに突然建ったのはお洒落な豪華マンションで... という「ポリーさんのおうむ」の3編。

どちらもほんのりと不思議な雰囲気が漂うファンタジーの物語集。「窓のそばで」も可愛らしくて良かったんだけど、こちらはちょっと対象年齢が低かったかな... 「星占師のいた街」の方が断然楽しめました。目の前に鮮やかな情景が広がるのは、竹下文子さんの他の作品と同様で、今回もとても綺麗です。「12のオルゴール」では、季節折々の情景が広がるし、「ノアの箱舟」では、ビルの上に箱舟があって老人と猫が住んでいるというのもさることながら、最後にそれが深い水の底に沈んだ街から船出する場面が、とても素敵。このノアのおじいさんが占い師をして暮らしてるので、これが表題作ということですねー。そしてこの本の書影が出ないのがとても残念なんですが、表紙も挿絵も牧野鈴子さんが描いてらして、これがまたとても雰囲気に合っていて素敵なんです。(偕成社)


+既読の竹下文子作品の感想+
「風町通信」竹下文子
「木苺通信」竹下文子
「星とトランペット」竹下文子
「窓のそばで」「星占師のいた街」竹下文子
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ

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ずっと旅から旅へという生活の中で絵を描いてきたのに、ある時、何のへんてつもない窓につかまってしまい、パリのアパルトマンにしばらく住むことになった「ぼく」。それはルリユールじいさんとの出会いでした... 「ぼく」から「Y」へのパリからの手紙。

以前、「ルリユールおじさん」「絵描き」(感想)を読んだ時に、これも読みたいと思っていたのです。でも題名と表紙から勝手にエッセイだと思い込んでいたら! これも物語だったんですねー。元は理論社のホームページに連載されていたエッセイを改稿、未公開スケッチを加えて構成し直したものだそうなので、もしかしたら元々の語り手は、「ぼく」ではなくて伊勢英子さんだったのかもしれないのだけど。

私が読んだ「ルリユールおじさん」と「絵描き」はそれぞれ独立したお話だったのだけど、これを読むと、1つに繋がった大きな物語だったんだなあって分かります。そしてやっぱり「絵描き」に登場しているのは、伊勢英子さんご本人だったのだなということも。前の2冊に比べると、もちろん絵は少ないのだけど、文字から伝わってくるものも大きいわけで。何度も読み返したくなってしまいます。

古いアパルトマンのルリユールおじさんの家の壁は、どれも天井まで本でいっぱいで!

何百冊あるかわからないけど、すべて革張りで深紅や紺や緑の表紙、金箔の背の文字 -- 気が遠くなりそうなほど美しい本棚だった。

やっぱり私は職人を目指すべきだったんだわ... 芸術家ではなくて、あくまでも職人。ああ、こんなところで何をやってるんだろう。(平凡社)


+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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野外音楽堂で夜空のコンサートが大成功に終わった夜、トランペット吹きのドンさんが出会ったのは不思議な男性。落し物でも探しているように、身体をかがめて地面をきょろきょろ見回しながら歩いているのです。その男性が拾っていたのは、ぴかぴかと光る小さな物。それは素晴らしい音楽が空気をぴりぴり震わせると、ぱらぱらと落ちてくるという星くずでした... という表題作「星とトランペット」他、全11編の短編集。

竹下文子さんの初めての短編集。ほとんどの作品が10代の頃に書かれたのだそうです。トランペットを吹くとパラパラと星くずの降ってくる夜空、思わず寝転んでみたくなるような、木漏れ日が差し込む林の中の小さな空き地、おだやかに打ち寄せる波にすべるように進んでくる船、麦藁帽子をかぶった途端に見えてくる懐かしい景色、フルート吹きを探しながらるるこが歩き回る様々な場所。どれも目の前に情景が広がるようですし、匂いや感触、そして吹いてくる風も感じられるよう。牧野鈴子さんのイラストもとてもよく似合ってて素敵~。
私が特に好きなのは、なぜか動物ばかりが本を買いに来る「タンポポ書店のお客さま」、トラックの運転手らしいヤスさんとキャベツを手にしたルリコ、そして未亡人のアイダ夫人、店主の4つの話が1つに溶け合う「いつもの店」。あと、「野のピアノ」に出てくる自動車事故で小指をなくしたピアニストの言葉も素敵でした。

ぼくにはまだ九本の指がある。この指で、やさしいやさしい曲をひこう。十本の指先に心を集めるのはむずかしかった。だけど、九本なら、すこしやさしいかもしれない。一本ぶんだけ、やさしいかもしれない。

上の画像は復刊された単行本。私が読んだのはこれと同じく牧野鈴子さんの表紙なんですが、講談社文庫版です。(講談社文庫)


+既読の竹下文子作品の感想+
「風町通信」竹下文子
「木苺通信」竹下文子
「星とトランペット」竹下文子
「窓のそばで」「星占師のいた街」竹下文子
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ

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