Catégories:“児童書・YA(翻訳)”

Catégories: / / / /

  [amazon] [amazon]
ある朝、ビルボ・バギンズが朝食を終えて、自分の素敵な穴のドアの前でゆっくり一服楽しんでいた時、そこに現れたのは魔法使いのガンダルフ。ガンダルフはビルボを冒険に連れ出そうと思ってやって来たのです。しかしビルボは冒険なんぞ真っ平。翌日のお茶に招待すると言って、体よくガンダルフ追い払います。ところが翌日のお茶の時間に玄関の呼び鈴が鳴った時、ドアの前に立っていたのは1人のドワーフでした。次にまた1人。今度は2人。ひっきりなしにドワーフたちが現れ、結局ドワーフが13人とガンダルフが、ビルボを囲んでお茶をすることになり、ビルボはなぜか、昔ドワーフたちが竜のスマウグに奪われた宝を取り戻す旅に同行することに。

「指輪物語」を再読したいと思ってたら、ついついこちらから読み始めてしまいました。大人向けの「指輪物語」とは対照的に、こちらは子供向けの作品なので、読むのはそれほど大変じゃないんですけどね。いや、相変わらず楽しいなあ。でも、「指輪物語」もそうなんですが、最初はやけにのんびりした空気が流れているのに、だんだんシリアスな雰囲気になるんですよね。最後は「五軍の戦い」なんてものもあって、冒頭のいかにも「ホビットの冒険」という雰囲気からは離れてしまうのが、ちょっぴり残念。...と言いつつ、やっぱり面白かったんですけどね。「指輪物語」に登場するエルフのレゴラスの父、闇の森の王スランドゥイルや、ドワーフのギムリの父・グローインが登場するのも嬉しいところ。さ、これで「指輪物語」再読への準備は万全です。(岩波少年文庫)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

+既読の指輪物語関連作品の感想+
「トールキン神話の世界」赤井敏夫
「トールキンによる『指輪物語』の図像世界」W.G.ハモンド/C.スカル
「トールキン指輪物語事典」デヴィッド・デイ
「図説 トールキンの指輪物語世界 神話からファンタジーへ」デイヴィッド・デイ

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / /

 [amazon]
小さな仔犬のローヴァーが、ある日庭院で黄色いボールを転がして遊んでいる時に出会ったのは、意地悪な魔法使いのアルタクセルクセス。ボールを取り上げた魔法使いに怒ったローヴァーは噛み付き、魔法使いはローヴァーをおもちゃの犬に変えてしまいます。そしておもちゃ屋のウィンドウに並べられたローヴァーを買ったのは、3人の息子のいるお母さん。その中の1人が大の犬好きで、とりわけ小さな白と黒のぶちの犬には目がないのです。しかし大喜びしていた少年は、海岸でローヴァーをポケットから落としてしまい...。浜辺でローヴァーが出会ったのは、プサマソスという名の魔法使いでした。

仔犬のローヴァーが、月世界に海底にと大冒険する物語。トールキンが「ホビットの冒険」よりも以前に作ったという作品です。この作品に登場する少年はトールキンの次男のマイケル。お気に入りの犬のおもちゃをなくしてしまった時に、マイケルを慰めるために作った話のようですね。
アーサー王伝説やギリシャ神話、北欧神話のモチーフが沢山取り入れられて、まだまだトールキン独自の世界とは言えないんですが、十分にその原型は感じられます。アルタクセルクセスの帽子はトム・ボンバディルのと同じみたいですし、月の男はまるでガンダルフのよう。(月の男ではなく、プサマソスなのかもしれませんが) 海の底に行ったローヴァーが鯨や海犬のローヴァーと西の果てに見た風景は、まるでヴァラールやエルフたちの住むアマンのよう。ここに登場するドラゴンも、ホビットの冒険に出てくるスマウグの原型と言えそう。...もちろん、そういったことを抜きに、1匹の仔犬の冒険物語としても十分楽しめますけどねっ。ローヴァー、すごく可愛いです。月の世界や海の底の世界の描写も素敵。(原書房)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / / / /

[amazon]
チポリーノは貧しいタマネギの少年。ある時、国の総督であるレモン大公がチポリーノたちの住む木造バラックの辺りを通ることになり、沿道に出ていたチポリーノの父・チポローネは、後ろの群集たちに押されてレモン大公の足をひどく踏みつけてしまいます。チポローネは即刻ちびレモン兵たちに逮捕され、終身刑を言い渡されることに。父親に面会に行ったチポリーノは、世間に出て勉強しろという父親の言葉に、チポッラおじさんに母と弟たちのことを頼むと、1人旅に出ることに。

チポリーノはたまねぎですし、ブドウ親方、レモン大公、トマト騎士、エンドウ豆弁護士、イチ子やサクラン坊やなど、野菜や果物が中心となった物語。児童書ですが、実は政治色が強いんですよね。「冒険」という名目で、レモン大公の独裁政治に革命を起こし、共和制の世の中に変わる様子を描いてるんですから。でも、子供の頃もそういうことは薄々感じていましたが、楽しく読んでましたし、大人になった今読み返しても、やっぱり楽しかったです。ロシア語の訳書からとったというB・スチェエーヴァの挿絵も、相変わらず可愛い~。
それにしても、ロシアでチポリーノの歌が作られたというのは覚えていましたが、それを作ったのが「森は生きている」のマルシャークだったとは...! びっくり。そうだったのか。いや、色々ありそうですね。(岩波少年文庫)


+既読のジャンニ・ロダーリ作品の感想+
「猫とともに去りぬ」ロダーリ
「チポリーノの冒険」ジャンニ・ロダーリ
「うそつき国のジェルソミーノ」ジャンニ・ロダーリ
「パパの電話を待ちながら」ジャンニ・ロダーリ

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / /

  [amazon] [amazon]
先日「トールキンによる『指輪物語』の図像世界」を読んだ時に(感想)、読みたいなあと思った本。早速図書館で借りてきました。私が読んだ版の書影がなくて残念! と思っていたら洋書の方にあって嬉しい~。ほとんど一緒なので、ここに載せちゃいますね。リンク先は日本語版のページですが。

ということで、J.R.R.トールキンが子供たちのために作ったお話からできたという絵本2冊。「ブリスさん」の方も、トールキンの直筆の原稿(挿絵入り)が見られて楽しいんですけど(左ページに日本語訳、右ページに直筆原稿となっているのです)、絵本にしてはちょっと長くて飽きてしまいまったりなんかして...(^^;。
気に入ったのは、断然「サンタ・クロースからの手紙」の方でした! この本は、トールキンが自分の4人の子供たちのために20年以上書き続けた絵と手紙を絵本にしたもの。手紙の差出人は、サンタ・クロース自身だったり、助手の北極熊だったり、秘書のエルフだったりで、いつもプレゼントと一緒に暖炉の前に置いてあったのだそうです、時には降ったばかりの雪にまみれて...!
この本の翻訳には2種類あって、私が読んだ評論社の「しかけ絵本の本棚」版では、実際に手紙が封筒に入れられているという、とても凝った素敵な本となっています。(きちんとオリジナル通りの色合いの英語の手紙が入っていて、その裏には日本語訳が) サンタ・クロースから直筆の手紙が来るというだけでも楽しいのに、サンタ・クロースとドジな北極熊の大騒動がイラスト入りで読めるなんて素敵すぎる~。北極熊が、北極柱(北極は英語で「NorthPole」)にひっかかったサンタ・クロースのフードを取ろうとすると、柱が真ん中で折れて倒れてきて、サンタ・クロースの家の屋根に大きな穴をあけてしまい、クリスマス間際に引越しをしなければならなくなったとか、翌年は、北極熊が2年分のオーロラ花火を打ち上げてしまい「世にたぐいなく大きなドカーン」となってしまったり、その翌年は、またまた北極熊が両手にかかえきれないほど荷物を持って階段から転げ落ちてプレゼントをばら撒いてしまったり... 北極での楽しく賑やかな様子が伝わってきます。封筒についている絵や北極マークの切手も素敵ですし、サンタ・クロースの震える文字、北極熊のかっちりとした文字、エルフの流れるような筆記体と文字が使い分けられているのも楽しいです。これ、しかけ絵本じゃない方だとどんな感じになってるのかしら。もっと物語になってるのかな? でもそれはそれとして、しかけ絵本、可愛すぎ。原書版が欲しいかもー。(評論社)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / / / /

[amazon]
イギリスの作家さんで、元祖ジェイムズ・ボンドシリーズ作家のイアン・フレミングから引き継いで、2代目のボンド作家となったジョン・ガードナーという方もいるんですが(ちなみに3代目はレイモンド・ベンスン)、このジョン・ガードナーは別人。アメリカの作家さんです。この「光のかけら」は、そのアメリカのジョン・ガードナーが書いた3冊の絵本を1冊にまとめて全訳したもの。つまり童話ですね。
(関係ないですが、「チキ・チキ・バン・バン」ってイアン・フレミングの作品だったんですね! ちょっとびっくり)

訳者あとがきに、大人が読んでも充分楽しめる作品だとありましたが、確かにそうかもしれないですね。一見「むかしむかしあるところに~」で始まる昔ながらの童話に見えるし、実際どこかで目にしたようなモチーフが多いんですけど、実は一捻り加えられている作品ばかりで、ナンセンスとユーモアたっぷり。私が気に入ったのは、いやらしい年より魔女が教会の礼拝で改心してしまう「魔女の願いごと」や、2人組の悪者が世界中の光を盗んでしまう表題作「光のかけら」、「イワンのばか」のような「ハチドリの王さま」かな。あんまり親切に説明してくれないので、「え?え?」となっちゃう部分もあったんですけど(たとえば「ナシの木」という作品では、エルフがいきなりナシの木を露に変えて薔薇の花の中に隠すんですけど、なんでそんなことをするのかよく分からないまま、半分ぐらいいっちゃう)、全体的に面白かったです。ただ、ずっと童話が続くとさすがにツラい... 終盤はちょっと飽きてしまいました。(^^ゞ(ハヤカワ文庫FT)

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: / / /

 [amazon]
閉鎖されたとある古い庭に入り込んだ幼い兄妹は、1日中その庭の中を歩き回り、ひどい悪戯で庭を滅茶苦茶にして、動物や昆虫たちを傷つけてしまいます。そして夕方。気がつくと2人は、沢山の動物や精霊たちに取り囲まれていました。彼らは美しいブナの木の婦人を呼び出し、こんなひどいことをした兄妹は処罰されるべきだと言い始めます。「死刑だ!」という声に少女は泣き出し、ブナの木の婦人は、2人に太陽が昇るまでに「地の母」を見つけ、「海の父」のもとに行き着き、太陽の歌を聞き、「風の塔」でお客になることを言い渡すことに。

私が読んだのはハヤカワ文庫FT版なんですが、そちらは絶版で、しかもアマゾンにはデータすらない状態。雰囲気は多少違うかもしれませんが、訳者さんが違う同じ作品を見つけたので、そちらにリンクをはっておきますね。こちらのタイトルは「古い庭園」(同学社)です。

少年の征服欲のために破壊された庭や罪のない動物たちに償うために、旅へと出ることになってしまった兄妹の物語。どこかメーテルリンクの「青い鳥」の雰囲気。とにかく情景描写が綺麗な物語でした! これを読むと、道端の雑草に向ける目も変わってしまいそうなほど。と思っていたら、どうやらカシュニッツは詩人だったようですね。道理で詩的なわけです。
でも表向きはそんな風に美しくて、子供にも楽しめるような童話なんですが、そこには、飛ぶことのできないワシの話とか孤独に死んでいこうとする男の話とか、自然界に存在する様々な生と死の物語が挿入されていて、決して楽しいだけの物語ではありませんでした。子供たちは生と死を真っ向から突きつけられ、様々な生と死がそれぞれに連鎖していくことを実感として教えられることになります。たった一晩の旅なんですけど、2人は旅を通して春夏秋冬を体験することにもなりますし。実はなかなか厳しい物語。
ユニークだと思ったのは、兄妹を処罰して欲しいという動物や精霊たちに対して、ブナの木の婦人が弁護人を見つけようとすること。結局弁護人は見つからなかったのですが、ブナの木の婦人が裁判長で、動物や精霊たちは原告なんです。そしてブナの木の婦人が言い渡す2人の旅は、執行猶予なんですよー。生と死をきっちりと体験させることと合わせて、作者のドイツ人らしさを表しているように思えました。それともう1つ面白いのが、物語の中にギリシャ神話のエピソードが色々と引用されていること。ドイツとギリシャ神話って、なんだか不思議な組み合わせなんですが、カシュニッツ自身ローマに住んでいたこともあるようなので、その影響なんでしょうね。(ハヤカワ文庫FT)

| | commentaire(0) | trackback(0)
Catégories: /

[amazon]
今年は今までにない厳しい冬、「竜の冬」が来そうだと、森の住民たちは長い冬に備えて忙しく働いていました。「竜の吹雪 」が襲うという噂さえあったのです。しかしカワウソのブランブルだけは、誰も知らない「竜の冬」について、噂以上のことを知りたいと思っていました。ブランブルが考えていたのは、同じ森に住む一番の年寄り・アナグマばあさんよりもさらに長く生きているという、クマのバーク老を探すこと。しかしそう思ってる矢先に、殺し屋オオカミたちの群れが襲ってきて...。

カワウソやアナグマ、モグラといった動物たちが主人公の冒険物語。以前読んだ「光の輪」(感想)でもカワウソが活躍していたし、どこか繋がった世界のようでもありました。それに「光の輪」同様、とても「指輪物語」的な物語。
「光の輪」は正直あまり面白いと思わなかったし、動物物は基本的に好きじゃないんですけど、こちらはそう悪くなかったです。主人公と言えるカワウソのブランブルやアナグマばあさんはいい味を出してたし、動物の子供たちも可愛いかったし。対立役の若いアナグマに関しては、ちょっと底が浅すぎるかなとも思ったんですが、読み終えてしまうとこれで良かったような気もしてきたし。でも様々な出来事が、それぞれに何かの隠喩となってるんだろうと思いながら読んでいたんですけど、訳者あとがきを見ると、「むずかしい理屈があるわけではないたのしい小動物たちの冒険物語」ですって。「光の輪」に関しては、「戦争の無益さや、やりきれなさに対する彼の気持ちが強くうかがわれる」とか書いているのに。本当にそんな無邪気な話だったのかしら? 本当にそんな読み方でいいんですか...?(ハヤカワ文庫FT)


+既読のニール・ハンコック作品の感想+
「二人の魔法使い」「光の女王ロリーニ」「終わりなき道標」「聖域の死闘」ニール・ハンコック
「竜の冬」ニール・ハンコック

| | commentaire(0) | trackback(0)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.