Catégories:“児童書・YA(翻訳)”

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通いの女中をしている生粋のロンドンっ子、ハリスおばさんが主人公のシリーズ。長いこと絶版になっていて、つい最近復刊されました。表紙のイラストが可愛いです~。
最初の「ハリスおばさんパリへ行く」は、庶民中の庶民というおばさんが、お得意先のレディ・ダントの家で見たディオールのオートクチュールを見て、自分も最高級のドレスを手に入れたくなっちゃうというお話。今まで衣料品に5ポンド以上使ったこともないというおばさんが、なんと350ポンドとか450ポンドとかするドレスを買おうっていうんですから、もう大変。懸賞でちょっとお金を当てたんだけど、まだ全然足りなくて、2年間の爪に火をともす節約生活の末、無事パリへ! でもコクニー訛りで、見た目もまるっきり庶民のおばさんのこと、ディオールの店に辿り着いても門前払いされそうになるし、ようやくサロンに入れてもらっても、隣の席の夫人が騒ぎ出す始末。でも暖かい人柄と、明るく前向きな姿勢が魅力のハリスおばさん、知らず知らずのうちに、悩んでる人たちを笑顔にしてくれるし、ハリスおばさんと友達になった人たちには、それぞれに幸せが訪れるんですねー。そして、めでたしめでたし。
なあんて、まるでおとぎ話みたいなシリーズなんですが、毎回ほろ苦い出来事も織り交ぜられて、おとぎ話でも現実は結構厳しいのよ!と言われてるみたい。ギャリコの作品って、その辺りのバランスがやっぱり絶妙なんじゃないかなと思います。時にはくじけたりもするけれど、それでも可愛いハリスおばさんのシリーズ。楽しかったです。(fukkan.com)


+既読のポール・ギャリコ作品の感想+
「トマシーナ」ポール・ギャリコ
「セシルの魔法の友だち」ポール・ギャリコ
「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」ポール・ギャリコ
「われらが英雄スクラッフィ」ポール・ギャリコ
「幽霊が多すぎる」ポール・ギャリコ
「猫語の教科書」ポール・ギャリコ
「ハリスおばさんパリへ行く」「ハリスおばさんニューヨークへ行く」他2冊 ポール・ギャリコ
「七つの人形の恋物語」「スノーグース」ポール・ギャリコ
「トンデモネズミ大活躍」「ほんものの魔法使」ポール・ギャリコ
「ポセイドン」上下 ポール・ギャリコ
「ザ・ロンリー」ポール・ギャリコ
「「きよしこの夜」が生まれた日」ポール・ギャリコ
Livreに「ジェニィ」の感想があります)

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バレエで有名な「くるみ割り人形」の原作。子供の頃にも読んだことがあるはずなんですが、改めて読んでみるとバレエとはかなり雰囲気が違っていてびっくり。バレエでは、クリスマスプレゼントに貰ったくるみ割り人形がネズミを戦っているのを見たクララが、思わず加勢に入ってくるみ割り人形側が大勝利。人形の国に連れて行ってもらえる... というストーリーですよね。で、全てが終わってみると、クリスマスの夢だった... って感じだったかと。
原作も確かに大筋ではそうなんですが... でも終始「夢の世界~」なバレエとは違って、もっと生々しく現実が迫ってくる感じなんです。最初にネズミとくるみ割り人形が戦う場面なんて、マリー(原作ではクララじゃなくてマリー。クララはマリーの持ってる人形の名前)も実際に怪我をして血を流して倒れてたりするし、親はマリーの再三の話を聞いて、そのたびに「夢をみたのね」と言うんだけど、実は夢オチではなく... なんだか思ってた以上に不気味な話でした。えっ、こんな終わりでいいの?! 状態。
あ、でも人形の国の描写はとっても素敵です。氷砂糖の牧場、アーモンド・干しぶどうの門、麦芽糖の回廊、大理石のように見えるクッキーの敷き詰められた道、オレンジ川にレモネード川、ハチミツクッキーの村、キャンデーの町、コンポートの里、お菓子の都... もう読んでいるだけでも、いい香りが漂ってきそう。美味しそうです~。(岩波少年文庫)


+既読のホフマン作品の感想+
「クルミわりとネズミの王さま」ホフマン
「悪魔の霊酒」上下 ホフマン
「黄金の壷」「スキュデリー嬢」 ホフマン
「ホフマン短篇集」ホフマン
「黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ」ホフマン

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去年の復活祭の日、ホーゲルマン家に突然現れたのは、50cmぐらいの、きゅうりのようなかぼちゃのようなものに顔や手足がついて、金の冠をかぶっている王さま、トレッペリーデ2世。これまでずっと家の地下室に住んでいたのですが、反乱がおきて家来たちに見捨てられたため、台所に避難してきたというのです...

岩波少年文庫再読計画第10弾。現代ドイツのファンタジーです。
ドイツ児童文学賞を受賞したという作品なんですけど、肝心のきゅうりの王さまがあまりに可愛げがなくてどうにも...(^^;。
でもきゅうりの王さまなんて奇妙奇天烈な存在が登場するんで、一見ファンタジーっぽいんですけど、これはものすごーくリアリティのある話でした。いかにも家長っぽく、家族のことは全て仕切りたがる父親だけが、きゅうりの王さまの世話を甲斐甲斐しく焼くんですけど、他の面々はそういう父親をすごく冷めた目で見てて、むしろ追い出そうと頑張ってるんですよね。きゅうりの王さまというのが、父権を象徴しているんでしょう。なんだか、お父さんの姿が哀れでもあり可笑しくもあり... でした。
こういう作品は子供の頃に読んだ方がいいんだろうな。(岩波少年文庫)

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幼い頃に母を亡くし、11歳で父も亡くしたポリアンナは、それまで全然付き合いのなかったポリーおばさんの家に引き取られることに。でもポリーおばさんがポリアンナを引き取ったのは、可愛い姪だからではなく、「義務をわきまえた人間でありたい」から。本当は今の静かで穏やかな生活を子供に壊されたくないのです。しかしポリアンナは、そんなポリーおばさんの頑なな心を徐々に溶かしていくことに。

先日のたらいまわし企画・第17回「子どもと本」で、くるくる日記のkyokyomさんが挙げてらした本。(その時の記事はコチラ) 以前は「少女パレアナ」という題名で出ていた作品です。(追記: 角川文庫では今でも「少女パレアナ」というタイトルで出ているとのこと)
読み始めてまず思ったのは、「赤毛のアン」みたい!ということ。ポリアンナもおしゃべりなんですよね。放っておくと、1人でずーっとしゃべり続けちゃう。空想という点ではアンの方が上かもしれないんですが、でもポリアンナも相当のもの。しかもポリアンナの「何でも嬉しがる」ゲームというのは、いかにもアンが好きそうだし。...このゲームは、どんなに嫌なことにも、その楽しい面を見つけて嬉しがるというゲーム。例えばポリーおばさんがポリアンナにと用意したのは、普通の綺麗な部屋ではなくて屋根裏部屋。他にも沢山部屋が余っているはずなのに、わざわざみすぼらしい部屋を与えられちゃうんです。でもポリアンナは、殺風景な屋根裏部屋を悲しむのではなく、鏡がないからそばかすを気にしなくてもいいと言い、窓から見える綺麗な景色を絵のようだと喜ぶんです。
でも、やっぱりポリアンナはアンとは違うんですよね。読むにつれて、そういう部分がどんどん見えてきました。何でも嬉しがるゲームも、アンがしたらわざとらしくなったんじゃないかと思うんですけど(アンも大好きですが!)、ポリアンナがするとすごく自然。というかポリアンナっていう女の子がどこまでも天然なんですよね。ポリアンナがあまりに純粋なので、周囲の人々も巻き込まれずにはいられないし... 一歩間違えると、逆に心を閉ざされてしまいそうだし、下手すると読者にも作為を感じさせてしまいそうなところなんですが、それが全然。その辺りがほんと絶妙です。それがポリアンナのいい所であり、この作品の命なんでしょうね。素直に「良かったな~」と思える作品でした。

途中で止まっていた岩波少年文庫再読計画ですが、これでようやく再開です。...とは言っても、この本は2冊とも初読ですが! やっぱり岩波少年文庫は素敵です♪ (岩波少年文庫)

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無実の罪でグリーン・レイク・キャンプに送り込まれてしまったスタンリー・イェルナッツが、そこで過ごした日々を描いた物語が「穴」。この「道」は、そのグリーン・レイク・キャンプを無事に出た後に、スタンリーが書いたエッセイという形式の本です。

「穴」がとても面白かったので、こちらも読んでみました。(七生子さん、教えて下さってありがとうございます♪)「穴」を読んでいる時よりは「原始人」+「ゼロ」+「その他Dテントの面々」という感覚で、なんでいかにも強そうな「脇の下」じゃなくて、「X線」がリーダー的存在なのかが良く分からなかったりしたんですが、でもこれを読んで納得。これまで「その他の面々」だった「イカ」、「ジグザグ」、「磁石」といった面々についても個性が見えてきました。
そしてグリーン・レイク・キャンプで生き延びる術について、さらりと教えてくれるんですけど、これがまたグリーン・レイク・キャンプでしか通用しないようなことじゃなくて、人生における大切なこととって感じ。たとえば人と人との距離感についてとか、今すぐにでも応用できそう。でもって、それが全然説教じみていなところがいいんですよね。そしてユーモアたっぷりのサバイバル・テストなんていうのもあります。
でもやっぱりこれは「穴」を読んでこその本ですね。あくまでも補遺版といった位置付けかと。(講談社)


+シリーズ既刊の感想+
「穴」ルイス・サッカー
「道」ルイス・サッカー
「歩く」ルイス・サッカー

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ナショナル・トラストが管理するメイン館に住んでいるヘザーは、観光客のせいで一番のお気に入りの場所に行けずイライラ。仕方なく、敷地内にある妙な築山へと向かいます。これは友達によると、昔魔法を使って処刑された<いたずらロバート>の墓だという場所。そしてなんとヘザーは、本当にロバートを呼び出してしまったのです...。

長編揃いのダイアナ・ウィン・ジョーンズですが、これはかなり短くて、しかも対象年齢がかなり低そうな作品。
幽霊といえば夜なんですけど、いたずらロバートが出てきたのは昼間。明るい昼間の光を浴びても大丈夫だし、きちんと実体があってヘザーと腕を組むこともできるし、服装がやや古いのを除けば、ごく普通の素敵な青年。でもそのロバートの中身が子供っぽい! 自分がかつて住んでいた館で騒ぎまわっていた高校生や感じの悪い庭師、アイスキャンデーの包み紙をその辺りに投げ捨ててしまう小学生に次から次へと魔法をかけていっちゃいます。日頃から観光客や庭師を苦々しく思ってたヘザーもびっくりの魔法のかけっぷり。...なんだかダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品に登場する魔法使い(男)って、ハウルといいクレストマンシーといい、みんななんだか子供っぽっくて可笑しい。(笑)
その後、なんでロバートがそんなに子供っぽいのかも分って、最後はすっきり。でもその後どうするつもりなのかしら?? と気になるエンディングでした。(ブッキング)


+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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19世紀末のインド。アイルランド人の父とインド人の母の間に生まれ、幼い頃に両親を亡くしたキムは、白人ながらも土地の者と同じぐらい黒く焼け、土地の言葉を使いこなし、ラホールの町を知り尽くして奔放な生活を送っている13歳の少年。そんなキムがある日出会ったのは、チベットから聖なる河を探してやって来たラマ。キム自身、自分を助けてくれるはずの「緑野の赤牛」を探しに行きたいと思っていたこともあり、ラマの弟子となって一緒に旅に出ることに。

先日たらいまわし企画でAZ BLOG::はんなり、あずき色のウェブログのoverQさんが挙げてらした本。(その時の記事はコチラ) 英国人初のノーベル賞文学賞受賞作家となったラドヤード・キプリングの最高傑作と言われる作品なのだそうです。私は未読だけど、「ジャングル・ブック」も書いた人なんですね。キプリング自身、インドで生まれた人だそうで、猥雑でおおらかなインドの雰囲気がたっぷり。インドってほんと独特のパワーがありますよね。
この作品の主人公キムは、そんなインドに溶け込んで育ってきた白人の少年。ラマと旅しているところをイギリス人に見つかり、きちんとした教育を受けて、なんとスパイとして活躍することになっちゃうんです。ということで、スパイ小説としても楽しかったんですが、私が好きなのはむしろ、キムとラマのやりとりとか旅そのもの。この2人がいいんですよー。よくインドまで来られたな、って感じのお師匠さまを、すばしこくて抜け目がないキムがすかさずフォローして... でもキムはいざってところではやっぱりお師匠さまを頼りにしていて、この2人ってなんかすごく好き。お師匠さんは偉いラマなんですけど、でも人間的なんですよね、すごく。overQさんが「孫悟空と三蔵法師を彷彿とさせるものがあります。」と書いてらしたのも、読んでみて納得。ほんとにそんな感じです。
でもって、他のスパイたちも結構好き。特に変な口調で相手を煙に巻くハリー・バーブーがいいなあ。最後にフランス人やロシア人の面倒をみなくてはならなくなったバーブーの姿が、気の毒ながらも可笑しかったです。(晶文社)


+既読のラドヤード・キプリング作品の感想+
「少年キム」ラドヤード・キプリング
「プークが丘の妖精パック」キプリング 「夏の夜の夢・あらし」シェイクスピア
「キプリング短篇集」キプリング

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Note


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