Catégories:“絵本・画集”

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デビーは2年前に両親を亡くし、祖父に引き取られた少女。おじいさんのルーベン・ワインストックは世界一のピアノの調律師で、デビーもピアノの調律師になりたいと思っていました。しかしデビーのおじいさんは、デビーに世界一のピアニストになって欲しいと考えていたのです...

なぜおじいさんはそこまでピアニストに拘ってたのかな? 調律の仕事をしてるからピアノはとても身近な存在だし、地味な調律の仕事に比べて、ピアニストは華やかなイメージがあるんでしょうけど... おじいさんには調律の仕事の大変さがよく分かってるからこそだとしても、ピアニストには調律師以上に浮き沈みが激しくて大変な苦労が待ってると思うんですが。もしかしたらおじいさん自身が昔ピアニストに憧れてたのかな? 調律師になりたがるデビーにおじいさんは苦い顔。
でもデビーにとっては、ピアノを弾くことよりも、おじいさんのやってる調律の仕事の方がずっと魅力的。そりゃそうですよねえ。世界一の調律師のそばで、ずっとその仕事ぶりを見てるんですもん。私もピアノを調律してるのを見るのは大好き。子供の頃から、家のピアノの調律を飽きずに眺めてましたよ。なかなか時間が合わなくて見る機会はないのだけど、1年に1度は調律しなきゃいけないですしね。普段は隠されてるピアノの中を見られるというのもわくわくしたし、どんどん音が整っていくのもまるで魔法の技みたい。
もしかしたら、デビーにはまだ花開いてないピアノの才能があるのかもしれません。でもどんな才能があるとしても、「好きなこと」には負けますよね。「好きなこと=才能=仕事」なんて幸運な人は滅多にいないんだから、結局どれかを選ばなくちゃいけないわけで... そこで「好きなこと」を選べるというのは、ものすごく幸せなこと。

シンプルな絵もとても素敵。朝起きた2人が「フフフフーン」と今日の調子を確かめるのもいいな~。でも序盤で「今日は半音高いようだよ」なんて、既に調律師としての訓練が始まってるようにも見えるんですけど~。(笑)(すえもりブックス)

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昔々、ある国でのこと。郵便というものを始めてみたかった大臣は、王様に郵便や切手のことを説明します。すると王様が言ったのは「では、その切手の絵はわしが描いてみたい」... 絵が下手な王様にそんなことはさせられないと、大臣は国でたった1人の絵描きのペンタに切手の絵を描くよう命じます。

sa-ki さんに教えていただいた本~。
ペンタが描いたのは、「卵売りの少女」「キン・ジロー」「親指ボーイ」「赤リボン」など全部で23種類の絵。全ておとぎ話とか、よく知られている偉人の話から題材を取っていて、しかも西洋の物語は和風に、日本の物語は洋風に描いてるんです。左手には雀、右手には和鋏を握り締めたおばあさんは、赤いリボンのついた白い帽子に赤いパフスリーブのブラウス、緑のプリーツスカート、赤と白のエプロンという可愛らしい姿だったり、短い着物に赤いちゃんちゃんこ、そして赤い大きなリボンをつけた「赤リボン」ちゃんとか。こんな風に洋風と和風をひっくり返すだけでも、随分面白くなるものなんですね。
そして最後の「ピーチ・ボーイ」の切手がものすごく素敵! 他のお話のはそれぞれ1つの図柄だけなんですけど、これは5枚セットだし絵も一段と凝っていて、本当に切手を作ったのかしら、というぐらいリアルな切手の絵物語となっています。どれも「異国風」という言葉がぴったり来るような絵柄。桃太郎が出てきた生まれた場面はまるでキリスト生誕の場面だし... 見てたら、私が子供の頃から大切にしてる岩波少年文庫の「せむしの小馬」の挿絵を思い出しました。ということはロシア風なのかしら?
本の最後にはふるさと切手シリーズのために安野光雅さんが実際に描いた萩・津和野の切手が貼られていて、上からパラフィン紙が... なんだか検印があった時代の古い本みたいで、そういう趣向もすごく素敵です。(岩崎書店)

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夏も終わったある日。るるこはおねえさんと一緒に隣町のおばさんのところに遊びに行くことになります。その時るるこがかぶろうとしたのは、大好きなむぎわらぼうし。でもおねえさんは、もう夏も終わったし、そんなむぎわらぼうしをかぶって行くなら、るるこのことは連れていかない、と言うのです。

もろりんさんに教えていただいた絵本。伊勢英子さんも竹下文子さんも大好きなのに、特に伊勢英子さんの本は全部読みたいと思っていたのに、なんとなくしばらく遠ざかってしまっていて、読むのは久しぶりです。
今は夏といえば暑いというだけで、早く秋になってくれないかなーなんて思ってるだけなんですが、子供の頃の夏のわくわくを思い出すようなお話でした。そして夏の終わりの時のあの微妙な感じも。そうそう、夏の終わりを感じる頃って、なんだか物寂しくなるんですよね。帽子もなんだけど、夏服が仕舞われてしまうのを見るのがなんだか寂しくて。特に子供の頃って毎年のように成長するから、お気に入りだった服もどんどん着られなくなっちゃうし。
そしてこの本では、いつもの伊勢英子さんの絵とはタッチが少し違うと聞いてたんですが、ほんとに違う! びっくりしながら読んでいたら、そこにいきなり目の前に現れた夏の海。お日さまの陽射しが眩しくて、波や水しぶきがきらきら光ってる、まさに夏の海。ああ、やっぱり伊勢英子さんの絵は素敵だなあ。(講談社)


+既読の竹下文子作品の感想+
「風町通信」竹下文子
「木苺通信」竹下文子
「星とトランペット」竹下文子
「窓のそばで」「星占師のいた街」竹下文子
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ

+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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アイルランド系の詩人・ウィリアム・アリンガムによる詩に、これまたアイルランド系の画家一族に生まれた「妖精国の宮廷絵師」と呼ばれるリチャード・ドイルの絵が添えられた絵本。原書は、イギリスの有名な木版印刷師・エドマンド・エヴァンスが手がけた数々の絵本のうちでも最高傑作とされる豪華本なのだそうです。それが文庫本になってしまうというのが驚きなんですが、このちくま文庫版は絵もカラーだし、小さいながらも美しい本となっています。

詩の方は「夜明け」「昼まえ」「昼のおふれ」「暮れ方近く」「日は暮れて」という5幕の芝居仕立て。妖精の姫君が妖精国の掟によって次の満月には結婚しなければならないというのに、お姫さまは3人の求婚者たちが全然気に入らなくて... という物語詩です。矢川澄子さん訳。でもね、詩そのものはとても可愛らしいんですけど、その合間合間に直接その場面と関係のないイラストと説明文が挟まれてるので、ちょっと分かりづらいんですよね...。原書でもこんな構成だったのかしら。日本語に訳す時にどうにかならなかったのかしら。
ちなみにイラストを描いているリチャード・ドイルの甥があのシャーロック・ホームズシリーズのコナン・ドイルなんですって。コナン・ドイルが画家一族に生まれてたなんて、知らなかったです。(ちくま文庫)

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春分の日、夏至の日、秋分の日、冬至の日。広場の時計の長い針と短い針が重なった時、路線番号59番という、時刻表にない一輌だけの路面電車(トラム)がやってきます。ヨーコはそのトラムに乗って、見知らぬ街へと行くのです。

風待屋のsa-ki さんに教えて頂いた絵本です。いやあ、噂に違わず素敵でした!
昼と夜が同じ長さになる日、昼が一年で一番長くなる日、そして一番短くなる日。時刻は時計の長い針と短い針が重なる時。そんな条件が揃った時にだけやって来るトラムに乗ると行ける街。...これだけでもファンタジー心をくすぐってくれるのに、物語にはちょっとした仕掛けがあって、それがまたいいんですよねえ。うわーん、このトラムに乗ってみたい。うちの街にあればいいのに...。(うちの街には、ちょっと似合わないんだけど)
そして北見葉胡さんの絵もこの雰囲気にぴったり。特に好きなのは、占い師が展望台で大きな望遠鏡を覗いて星のお告げをする場面の絵かな。北見葉胡さんとこの物語のヨーコは、奇しくも「ヨーコ」さん繋がりなんですけど、もしかして北見葉胡さんがこの作品の「ヨーコ」のイメージとなっていたりするのかしら?(理論社)


+既読の天沼春樹作品の感想+
「ALICETOPIA(アリストピア)」天沼春樹・大竹茂夫
「リトル・レトロ・トラム」天沼春樹・北見葉胡

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冬の夜更け、みんなが寝静まった頃に父さんと2人でみみずく探しに出かけた女の子。2人は凍った雪の上をしゃりしゃりと音を立てながらも、黙って歩き続けます。みみずくに会いに行く時は、静かにしていなくちゃいけないのです。

大好きなジェイン・ヨーレンの絵本ということで、ずっと読みたいと思っていたのに、機会がなくて随分時間が経ってしまいました。これも先日柳田邦男さんの「砂漠でみつけた一冊の絵本」に載っていた絵本。(感想) しーんと静かな雪の中を森に向かって歩いていく2人。その静けさがとても印象的な絵本。日本語の文章もとても詩的に訳されていて、叙情的なジェイン・ヨーレンの美しさがよく出ているかと。そして、森の中で出会ったみみずくの目に、ものすごくインパクトがありました。本当に自分がみみずくに出会ったみたいな気分。ドキドキ。

そしてせっかくジェイン・ヨーレンの絵本を読むのだからと、ずっと気になっていたきょうりゅうの2冊も一緒に借りてきました。こちらは打って変わって、とっても元気。寝る前の子供たち、かぜをひいてしまった子供たちがすっかりきょうりゅうの姿になってしまって、なんて可愛い! 元気すぎるほどやんちゃな子供たちに、このきょうりゅうという姿はなんてぴったりなんでしょう。きっとジェイン・ヨーレンのお子さんたちやお孫さんたちも、こんな風に元気いっぱいなんでしょうね。愛情たっぷりで心がほわっと温かくなるような絵本です。マーク・ティーグによるきょうりゅうの絵も可愛いです~。(偕成社)


+既読のジェイン・ヨーレン作品の感想+
「夢織り女」ジェイン・ヨーレン
「水晶の涙」ジェイン・ヨーレン
「三つの魔法」ジェイン・ヨーレン
「光と闇の姉妹」「白い女神」ジェイン・ヨーレン
「月夜のみみずく」ジェイン・ヨーレン ショーエンヘール

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1913年、フランスのプロヴァンス地方の山深い地方を旅していた「わたし」は、荒地に水を求めて歩き回っていた時に1人の羊飼いの男に出会います。一番近い村まででも歩いて1日半はかかるという辺鄙な場所に、その男はたった1人で暮らしていました。その晩、その男の家に泊まることになった「わたし」は、質素ながらも心やすまるもてなしを受け、男が100粒の完璧などんぐりをより分けるを眺めることに。そのどんぐりは、山の中に植えるためのもの。男は3年前からこの不毛の地に木を植え続けているというのです。

これも先日柳田邦男さんの「砂漠でみつけた一冊の絵本」を読んだ時に載ってたんですが(感想)、むしろ去年読んだ「須賀敦子全集」の7巻を読んだ時に興味を持った本。(感想)須賀さんがイタリア人の友人に宮沢賢治の話をしたのがきっかけで、教えてもらったという物語が絵本になってました。これはジャン・ジオノ原作でフレデリック・バックの絵なんですけど、映像化もされているようですね。(右) フレデリック・バックという人はカナダのアニメーション作家なのだそう。高畑勲さんが「木を植えた男を読む」なんて本も出してました。
それにこの本、絵本だけじゃなくて単行本もあったみたい... そっちを読めば良かったかな? でも単行本も52ページという薄いもののようだし、こちらは絵本は絵本でもものすごく字が多かったので、それほど変わらないのかも。となると、絵がある方が楽しいですが。(笑)

賢者のような佇まいで、何の見返りも求めず、誰にも知られないままに、黙々と木を植え続ける男。彼にとっては世の中の移り変わりも戦争も何の影響を及ぼすことないのです。何も知らない周囲の人間たちが好き勝手なことを言っているのが、とても滑稽。でも世の中、こんなものなのかも。最初の頃の茶色とグレーだけの地味だった絵が、後半、虹のような美しい色彩に変わっていきます。(あすなろ書房)

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