Catégories:“絵本・画集”

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先日「アーサー王の剣」を読んだ時に、日常&読んだ本logのつなさんに教えて頂いた本。エロール・ル・カインの画集とされていますが、むしろムックと言った方が相応しいと思います。エロール・ル・カインの紹介と共に絵が沢山収録されていて、未訳の絵本の絵も見られるのが嬉しいところ。時には純粋に西洋風だったり、時には東洋風のエキゾチシズムたっぷりだったり、その絵柄は自由自在。日本的な絵も描いてるんですよー。日本では出されてないんですが、「竹取物語」にはもうびっくり。まさに日本で描かれた絵本に見えます。まるで弁慶みたいな男性が欄干を上ろうとしている絵なんかもありました。(笑) 中国のお話の絵本は、もう中国の絵としか言いようがないし...。タッチも色使いもまさに、です。シンガポールで生まれ、インドに育ち、その後英国に渡ることになったというエロール・ル・カインの中には、あまり芸術的な国境は存在しなかったのかもしれないですね。
ヨーロッパ的色調の濃いハリウッド映画を見て育ち、そこから様々な影響を受けたというエロール・ル・カイン。「ニールセンやデュラック、ピアズリーの作品を初めて見たとき、それに影響されるというより僕はこう感じました。これは僕の世界だ。前から知っていた世界だと。」「僕はいいところだけをかすめとるカササギみたいなものです」という言葉が印象的でした。その構図の上手さも映画仕込みなのでしょうか。どの作品にも濃やかな気配りがされていて、文章以上に絵の方が雄弁だと言えそうなほどなのがすごいです。しかもこのユーモアセンス、好き♪

折りたたみ部分に並べたのは、今回一緒に読んだ絵本。これだけ画像を並べると壮観~。「サー・オルフェオ」と「キューピッドとプシケー」だけは神話絡みなので独立した記事にしましたが、この辺りも民間伝承がメインですね。「キャベツ姫」だけは、文章も絵もエロール・ル・カイン。
今まで読んだ絵本の中で、私が一番好きなのは「おどる12人のおひめさま」! これはグリム童話です。この話は子供の頃から好きだったんですけど、エロール・ル・カインの絵がまたとても素敵なんです。どれか1冊だけ手元に置いておく絵本を選ぶとしたら、私はこの本を選ぶなあ。あ、でも「キューピッドとプシケー」も素敵だし... どれも捨てがたいですけどね。(ほるぷ出版)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」
 

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あまりのプシケーの美しさに、人々はプシケーに祈りを捧げるようになり、ヴィーナスの神殿はないがしろにされてしまいます。怒ったヴィーナスは息子のキューピッドに、プシケーをその身分に相応しくない恋の奴隷にするように言いつけるのですが...。

エロール・ル・カインの絵本が続きますが、これは打って変わって違うタッチ。全て白黒のモノトーンで、まるでピアズリーの絵を見ているようです。カラーの絵も綺麗ですけど、これも美しい...。モノトーンにはやっぱり独特の美しさがありますね。白黒写真には独特のニュアンスを感じるし、映画なんかでも、古い白黒の映画の女優さんの美しさには何とも言えないものがありますものね。
ギリシャ神話のエピソードとして有名ですが、出所は多分アプレイウスの「黄金のろば」のはず。(感想) 「プシュケー」は、大学の頃、古代ギリシャ語の授業で一番最初に覚えた単語でした... 「魂」という意味。姉の言いなりで大切な夫の言いつけにそむいたり、自分の美しさを呪っていたはずのプシケーが小箱を覗いてしまうところなど、いかにも浅はかであまり賢くない娘なんですけど、それでもプシケーはなんか可愛くて憎めないんですよね。(ほるぷ出版)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」

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ある日、りんごの木の下で昼寝をしていたオルフェオ王の王妃・ヒュロディスは、突然悲鳴を上げて目を覚まします。夢の中に不気味な大王が出てきて、明日王妃を大王の世界へと連れて行くと宣言したというのです。オルフェオ王は早速選りすぐりの騎士たちに王妃を守らせることに。しかし騎士たちに囲まれ、オルフェオ王に手を握られていても、王妃は結局忽然と姿を消してしまうのです。最愛の王妃を奪われたオルフェオ王は、家老に国を任せると、竪琴だけを持って城を後にすることに...。勇敢で慈悲深く、竪琴のたいそう上手だった古のサー・オルフェオの物語。

ケルトの伝承の中に伝えられるサー・オルフェオの物語を絵本にしたもの。ケルトとは言っても、元はどうやらギリシャ神話のオルフェウスのエピソードのようなんですけどね... そういえば、オルフェオとオルフェウス、名前も一緒ですね。2人とも竪琴だけを持って、異界にまで妻を捜しに行きます。違うのは、こちらの王妃は本当に死んだわけではないということ(一応)、そしてハッピーエンドで終わること。(だから私はこちらの方が好き) サー・オルフェオの物語は、色んなところに載ってると思いますが... 例えばJ.R.R.トールキンの「サー・ガウェインと緑の騎士」の中でも読むことができます。
絵柄に特有の縄目模様などが使われて、そこここにケルトの香りがすると思えば、エロール・ル・カインは、アイルランドに伝わるケルトの文様で装飾された古い手書きの聖書「ケルズの書」から、模様や構図を借りているのだそう。道理で、クラシックな雰囲気が素敵なはずです。(ほるぷ出版)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」

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遠い北の地に住む魔女・ロウヒがスキーで滑ってる時に見かけたのは、ワイナモイネンがカンテレを弾く姿。美しい楽の音に、獣や鳥や木々だけでなく、太陽や月まで降りてきたのを見たロウヒは、いきなり鷲に変身すると月と太陽を掴んで飛び去り、持って帰って山の中に閉じ込めてしまいます。おかげで世界は闇の中に...。

フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」を絵本にしたもの。先日「カレワラ」を読んだ時(感想)に検索してて見つけて、読んでみたいなあと思っていたんです。で、しばらく忘れていたんですが(おぃ)、先日図書館にいた時に丁度返却してらした方がいて、綺麗な水色の表紙にピン! これだこれだと早速借りてきてしまいました。
「カレワラ」の中のロウヒは邪悪な魔女とされてるんですけど、私はそれほど邪悪とは思ってなくて、こちらの絵本のロウヒの方がイメージに近かったかもしれません。こちらのロウヒは、ちょっぴりお茶目なおばあさん魔女。その気になれば鳥になって空を飛んだり、魚になって水の中を泳いだりもできるのに、雪が降ってるのを見て、いそいそとスキーを用意しちゃうのが可愛いんですよね。で、気分良くスキーをしていたのに、気がつけば雪の上を滑っているのではなく、空を飛んでいた、というのがまたお茶目。鍛冶屋のイルマリネンがロウヒを捕まえようと鉄の首輪と鎖を作ってるのを見た後の反応も、筋金入りの邪悪な魔女とは到底思えないですし。(笑)
文字で書かれた作品を、アニメやドラマ、映画といった映像で見るのはあまり好きじゃないんですが(大抵イメージが壊れるから)、絵本はいいかも。ワイナモイネンが弾いてるカンテレというフィンランドの楽器も、写真で見ても今ひとつイメージが湧かなかったんですけど、ワイナモイネンが弾いてる姿を見てすっきりしました。こんな風に膝に乗せて弾くんですね。なるほど~。(あすなろ書房)

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スコットランドの王女・マーガレットは、お城の塔のてっぺんの部屋で毎日朝から晩まで、貴族の娘たちと一緒に刺繍をする日々にうんざりしていました。娘たちはただお行儀良くおとなしく座って、身分の高いお金持ちの男性が結婚を申し込みにやって来てくれるのを待っているだけなのです。マーガレットはお城の外に出て、わくわくするような冒険をしてみたくて堪りませんでした。そんなある日、ばあやのお説教にうんざりして部屋から走り出たマーガレットは、そのままカーターヘイズの森へ。この森は、若い娘に出会う呪いをかけて戻れなくしてしまうという伝説の妖精の騎士・タム・リンの森。森に着いたマーガレットが赤い薔薇の花を摘んでいると、そこにはタム・リンが現れます。

スコットランドに古くから伝わるバラッド(民間伝承の物語詩)の1つ「妖精の騎士 タム・リン」をスーザン・クーパーが再話、ウォリック・ハットンの絵で絵本にしたもの。物語そのものは、妖精に囚われていた騎士を1人の娘が救い出すというオーソドックスなものなんですけど、マーガレットとタム・リンの出会いの場面がとても素敵でした。

「なぜ、バラをつむのだ、マーガレット。わたしの許しもなしに」
「カーターヘイズの森はスコットランド王の領地、そしてわたしは王の娘。行きたいところに行き、したいことをするのに、だれの許しもいらない。むろん、バラをつむことにも」

ウォリック・ハットンの絵の色彩が淡いだけに、このバラとか、この後マーガレットがタムから渡されるリンゴの赤い色がとても印象的なんです。妖精の女王が全然魅力的じゃなかったので、ちょっとがっかりしたんですけど、この場面があっただけでなんだか満足♪ スーザン・クーパーは、アーサー王絡みの物語も書いてるようなので、いずれ読んでみるつもり。
ちなみにこの物語では、妖精の女王からタム・リンを救い出すのは夏至の夜の騎馬行列でのこと。普通はハロウィーンかと思ってたんですけど、ここでは違うんですね。救い出す娘の名前も、ここでは「マーガレット」ですが、一般的には「ジャネット」みたいです。(小学館)


+既読のスーザン・クーパー作品の感想+
「妖精の騎士タム・リン」スーザン・クーパー再話
「コーンウォールの聖杯」スーザン・クーパー

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昔々ブリテンの国に、アーサーという王さまがいました。ある日アーサー王は、湖の姫から、魔法の剣エクスカリバーを授かります。これは何でも願い事の叶う魔法の剣。しかしアーサー王の姉モルガナがその剣を盗みだしたのです。

エロール・ル・カインの描いたアーサー王物語。これは27歳の時の作品で、これがデビュー作となって一流の絵本作家として認められるようになったのだそうです。
湖の姫にもらった剣エクスカリバーに魔法の力があるというのはよくある話ですが(私としては、剣そのものよりも、鞘に魔法の力があるという話の方が好きなんだけど)、ここまで分かりやすい魔法の力があるという話は初めて! なんとアーサー王が命じれば、道も教えてくれるし、雨が降れば雨傘代わりにも、日差しが強ければ日よけにもなるし、時には船にもなってくれるんです。そしてなんと宴席では、つまようじに...! エクスカリバーが楊枝代わりに使われてるなんていやーん。(笑)
落ち着いた色調の絵がとても雰囲気を出していて素敵でした。(小学館)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」

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先日「トールキンによる『指輪物語』の図像世界」を読んだ時に(感想)、読みたいなあと思った本。早速図書館で借りてきました。私が読んだ版の書影がなくて残念! と思っていたら洋書の方にあって嬉しい~。ほとんど一緒なので、ここに載せちゃいますね。リンク先は日本語版のページですが。

ということで、J.R.R.トールキンが子供たちのために作ったお話からできたという絵本2冊。「ブリスさん」の方も、トールキンの直筆の原稿(挿絵入り)が見られて楽しいんですけど(左ページに日本語訳、右ページに直筆原稿となっているのです)、絵本にしてはちょっと長くて飽きてしまいまったりなんかして...(^^;。
気に入ったのは、断然「サンタ・クロースからの手紙」の方でした! この本は、トールキンが自分の4人の子供たちのために20年以上書き続けた絵と手紙を絵本にしたもの。手紙の差出人は、サンタ・クロース自身だったり、助手の北極熊だったり、秘書のエルフだったりで、いつもプレゼントと一緒に暖炉の前に置いてあったのだそうです、時には降ったばかりの雪にまみれて...!
この本の翻訳には2種類あって、私が読んだ評論社の「しかけ絵本の本棚」版では、実際に手紙が封筒に入れられているという、とても凝った素敵な本となっています。(きちんとオリジナル通りの色合いの英語の手紙が入っていて、その裏には日本語訳が) サンタ・クロースから直筆の手紙が来るというだけでも楽しいのに、サンタ・クロースとドジな北極熊の大騒動がイラスト入りで読めるなんて素敵すぎる~。北極熊が、北極柱(北極は英語で「NorthPole」)にひっかかったサンタ・クロースのフードを取ろうとすると、柱が真ん中で折れて倒れてきて、サンタ・クロースの家の屋根に大きな穴をあけてしまい、クリスマス間際に引越しをしなければならなくなったとか、翌年は、北極熊が2年分のオーロラ花火を打ち上げてしまい「世にたぐいなく大きなドカーン」となってしまったり、その翌年は、またまた北極熊が両手にかかえきれないほど荷物を持って階段から転げ落ちてプレゼントをばら撒いてしまったり... 北極での楽しく賑やかな様子が伝わってきます。封筒についている絵や北極マークの切手も素敵ですし、サンタ・クロースの震える文字、北極熊のかっちりとした文字、エルフの流れるような筆記体と文字が使い分けられているのも楽しいです。これ、しかけ絵本じゃない方だとどんな感じになってるのかしら。もっと物語になってるのかな? でもそれはそれとして、しかけ絵本、可愛すぎ。原書版が欲しいかもー。(評論社)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

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