Catégories:“絵本・画集”

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「ビルボの別れの歌」は、トールキン生誕100年記念出版の絵本。エルフたちと共に中つ国から船で旅立ったビルボが、その旅立ちの直前に書いたという詩が、ポーリン・ベインズのフルカラーの挿画と共に美しい絵本となりました。「指輪物語『中つ国』のうた」は、「指輪物語」の中に存在する、美しかったり切なかったり楽しかったりする様々な歌を抜き出した本。こちらはアラン・リー挿画。

まず「ビルボの別れの歌」ですが、それぞれのページに、ビルボの詩と指輪物語の最後の旅立ちの場面、そしてページの下には「ホビットの冒険」の場面も描かれて、とても綺麗な絵本です。でも私にとってポーリン・ベインズの絵といえば、絶対にナルニアシリーズなんですよね...! 子供の頃からお馴染みなだけに、どの絵を見ていてもナルニアの場面のように思えて仕方がなかったです。馬に乗るエルフたちの姿は、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィたちのようだし、戦いの場面は白い魔女との戦い... というよりむしろ彼らがカスピアン王子や物言う動物たちと共に戦った時かな。そして船は朝びらき丸! それでもトールキンとは長い付き合いだったというポーリン・ベインズなので、その絵にはトールキン自身から聞いたことが色々と描きこまれているそうで、巻末にある各イラストの詳細な説明がとても面白かったです。
そして「指輪物語『中つ国』のうた」は、先日「シルマリルの物語」を読んだ時に(感想)、もう一度「指輪物語」を再読したい、特に歌の部分を重点的に読みたいと思っていた私にとっては、なんてぴったりな本! と思ったんですが... 確かに様々な歌とその歌が歌われた状況を読んでいるだけで、まるで本編をもう一度読んでいるような気分になるんですけど、でもやっぱりこういった歌は本編の中にあってこそでした。やっぱりちゃんと再読しなくちゃいけないな。...本当は「指輪物語」だけを再読するつもりだったんですが、「ビルボの別れの歌」に「ホビットの冒険」の場面の絵があるのを見てたら、こちらから読みたくなってきました。積読本消化のためにも、本当は今はあまり再読したくないんだけど... どうやら我慢できそうにないです。時間の問題。(笑)(岩波書店・評論社)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

+既読の指輪物語関連作品の感想+
「トールキン神話の世界」赤井敏夫
「トールキンによる『指輪物語』の図像世界」W.G.ハモンド/C.スカル
「トールキン指輪物語事典」デヴィッド・デイ
「図説 トールキンの指輪物語世界 神話からファンタジーへ」デイヴィッド・デイ

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壹萬壹阡之本のヤマボウシさんに「これ絶対、四季さん好きだと思う」と言われて手に取ったんですが、いや、本当にその通りでした。まさに私好み! 本は図書館で借りて読んだんだけど、これはきっと買ってしまいます。
桑原弘明さんが作られた手作りの極小のスコープと、その中に見える情景に、巖谷國士さんが文章をつけた本。堅固な合金で作られたスコープは、手に乗せるとずっしりと重いのだそうです。箱の側面の小さな円い穴に懐中電灯の光を当てながら覗くと見えてくる、小さな部屋や庭の情景。手のひらサイズの箱の中に存在する世界なのだから、ほんと相当小さいもののはずなんですが、これがとても精巧なんですよね。本当に覗き窓から覗いているみたいです。素晴らしいー。そして光を入れる窓を変えることによって、その情景は白昼夢のようになったり、夕暮れ時になったり、朝の光景から一転して神秘的な夜の情景となったり。その一瞬でがらりと変わる雰囲気に、ノックアウトされてしまいました。
箱の中に作られているのは部屋が多くて、実際に窓や扉や鏡があるものがほとんどなんですが、そうでなくても、常に覗き窓から覗いているせいか、常に窓の存在を感じさせます。扉や窓、そして鏡というのは、異世界へと通じる場所。本をめくっただけで、日常生活の中から一気に別世界へと引きずり込まれるようです。

これを見ていると、視野いっぱいに広がる小さな幻想的な世界をぜひとも体験したくなってしまいます。以前個展が開かれたこともあるのだそう。またどこかでやってくれないかなあ。今度される時は絶対に行きたい! こちらに以前の個展の写真が載ってますので、ぜひ見てみてくださいませ。箱の外側の装飾も、中の情景と良くマッチしていて美しいです。(パロル舎)

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きょうだいのなかで、ぼくだけ、みぎのほっぺにえくぼができる。かぞくのなかで、ぼくだけ、いつもかにさされる。クラスのなかよしのなかで、ぼくだけさかだちあるきができる。クラスメイトのなかで、ぼくだけ、げいのうじんのサインをもってない。がっこうのせいとのなかで、ぼくだけ、ひんけつをおこしてたおれた。ぼくだけができること、ぼくだけができないこと、いろいろ。

森絵都さんの文章とスギヤマカナヨさんの絵による絵本です。初期のハヤカワ文庫FTだと画像が出ない本ばかりなので、つい途中でこういうのを挟んでしまう私...。(^^ゞ
主人公の「ぼく」である「ようたくん」だけができること、「ようたくん」だけができないことが、1つずつ挙げられていきます。「ようたくん」が「ぼくだけのこと」を1つずつ自己申告して、そのそれぞれに周囲の人の証言が付いているのも楽しいところ。良いことも悪いことも、嬉しいことも情けないことも、「自分だけのこと」だと考えると、それが特別に思えてきて、自分のことをもっと好きになれるのかもしれないですねー。(理論社)


+既読の森絵都作品の感想+
「いつかパラソルの下で」森絵都
「にんきもののひけつ」「にんきもののねがい」「にんきものをめざせ!」「にんきもののはつこい」森絵都
「あいうえおちゃん」「流れ星におねがい」森絵都
「ぼくだけのこと」森絵都
「いちばんめの願いごと」森絵都
「屋久島ジュウソウ」森絵都
「風に舞いあがるビニールシート」森絵都
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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奇妙な世界の片隅でのkazuouさんの所で見て興味を持った絵本です。(記事
これは、カナダの画家・ロブ・ゴンサルヴェスの絵に触発されたセーラ・L・トムソンが文章を書いて、それを絵本にしたものなのだそう。ゴンサルヴェスの絵は、一言で言えば、エッシャーの騙し絵のような絵。でも雰囲気は、むしろルネ・マグリットかな。
たとえばここに出ている本の表紙の絵のタイトルは、「月の乙女」。川に映るもみの木の影と影の間が、いつの間にか白い服を着た女性になって、川から岸に上がって来る絵です。そして右に出したのは、本の裏表紙にも使われている絵で、タイトルは「白い毛布」。(クリックすると、ポップアップで大きくなります) 一面の雪野原が、実は真っ白い布団を敷き詰めた状態になってるんです。そしてその中に1人寝ているんですが、本当は雪景色が寒そうなはずなのに、なぜかぬくぬくとしているように感じられるのが不思議。
その2つの絵の他にも、パッチワークキルトのベッドカバーがそのまま上空から眺めた森や畑の風景になっている「夜の飛行」や、切り落としたカーテンがいつの間にか夜景に変わっている「変わる風景」「天体のカーテン」など色々あって、絵を眺めてるだけでも楽しいし、特に夜の蒼がとっても綺麗。この2枚の絵の色も素敵ですよね。

ちなみにゴンサルヴェスの絵を見てみたい方は、こちらへどうぞ。絵本に収録されている絵も載ってます♪(ほるぷ出版)

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"花のラファエロ"と呼ばれたルドゥーテの『バラ図譜』から高木春山の『本草図説』まで、古今東西のボタニカル・アートの粋をあつめた豪華な博物図譜。植物画の歴史、文学に現れたる花の数々、手彩画の美しさが満載。200点ものカラー図版による"白い花譜"と"黒い花譜"の饗宴... という本。(すみません、今回はamazonの紹介をコピペしてます)
荒俣さんがボタニカルアートを蒐集するきっかけになったのは、なんと澁澤龍彦氏の「フローラ逍遥」なのだそうです。「フローラ逍遥」を執筆しようとしていた澁澤大魔王(笑)に、何かそういった図版を持っていないかと訊ねられたのがきっかけだとか。しかし、いつか大魔王が第2の花の本を作る時に役に立てば... と蒐め始めたそのコレクションを、大魔王は見ることもなく他界。そして荒俣氏ご本人が大魔王に捧げるべくこの本を書かれたのだそうです。15年にも及ぶコレクション、さぞかしすごいんでしょうねえ。この本を書かれた後も増え続けているのでしょうか。実物を見てみたいなあ。
面白い薀蓄が色々とあったんですが、その中で一番びっくりしたのは妖精画。妖精がというのは、なんと闇の猥褻画で、特に某植物と一緒に描かれている絵を、貴婦人たちはポッと顔を赤らめながらご覧になったのだとか... 全然知らなかったです。もうびっくり~。(平凡社ライブラリー)


+既読の荒俣宏作品の感想+
「花空庭園」荒俣宏
「別世界通信」荒俣宏
Livreに「帝都物語」の感想があります)

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広告やポスター、ポストカードの仕事から、本の挿画を手掛けるようになり、オペラ「魔笛」の美術監修、映画「アメリ」にも参加と世界を広げたミヒャエル・ゾーヴァが、自作や自分自身について語った本。というか、文章は多いのですが、やっぱり画集ですね。未発表のものを含めて45点の作品が収められています。本当は私自身、ゾーヴァ本人のことはそれほど興味はなかったのだけど、でもやっぱり人となりや仕事のことなど色々分って興味深いですね。(文字の大きさや行の間隔の具合が、どうも読みにくくて堪らなかったんだけど)
「アメリ」は私も観ましたが、アメリの寝室の絵だけでなく、部屋に置かれたランプや、少女時代のシーンに登場する「病気のワニ」もゾーヴァが作ったものだったとは知らなかったですー。

ゾーヴァの絵には動物が多いのが1つの特徴だと思うんですが、それは「風景に付け足しで描いてみたら思いがけずドラマが生まれて面白かった」のがきっかけなんだそうです。人間を描くと、どうしても物語が気になってしまうのだけれど、人間を描くところをあえて動物に置き換えてみると、人間を描く場合よりもシリアスになりすぎなかったとか。擬人化もないわけじゃないんでしょうけど、でもそれほどはっきり擬人化してるわけじゃなかったようですね。や、動物でも、十分に物語を感じさせる絵だと思うんですけど...。(笑)
巻末には、「ちいさなちいさな王様」を始めとして色々な作品で組んでいるアクセル・ハッケの「ゾーヴァのついて」も。ハッケによると、ゾーヴァは「上塗り家」。「税金の申告書」を理由になかなか仕事を引き受けようとせず、引き受けた後も、庭の木を植えなくちゃとか鉢植えを買いに行かなくちゃとか家の用事を理由に言い訳したり、絵を描いては気に入らずに10回ほど上塗りしてしまって、挙句の果てにその本とはまるで関係ない絵が出来上がってしまったり... ゾーヴァと一緒に仕事をするというのは、なかなか大変なことのようです。(笑) (講談社)


+既読のミヒャエル・ゾーヴァ作品の感想+
「キリンと暮らす クジラと眠る」アクセル・ハッケ ミヒャエル・ゾーヴァ
「ミヒャエル・ゾーヴァの世界」ミヒャエル・ゾーヴァ

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加納朋子さんのデビュー作「ななつのこ」の作中作が、とうとう本物の絵本になりました~。挿画は、「ななつのこ」の文庫など、加納朋子さんの作品でお馴染みの菊池健さん。(そういえば「ななつのこ」のハードカバーの表紙って見たことがないんですが... こちらも菊池健さんなのでしょうか?)
「ななつのこ」を読んだ時に私が一番惹かれたのは、何といっても「あやめさん」だったので、この絵本が読めてほんと嬉しい! 読むにつれて、「ななつのこ」のそれぞれの物語が思い出されて懐かしかったです。あ、でも、おかあさんが小さな息子に語る物語という形式は、正直意外でした。びっくりびっくり。そして最後まで読んでみて... これってもしかして... いや、もしかしなくても... ネタバレ反転(このお母さんは未来の駒子)ってことでしょうか?!
挿画もほんわりと優しくて、物語の雰囲気にぴったり。それぞれの場面は「昭和」の懐かしい雰囲気を思い起こさせてくれますし、話を聞いている「はやて」の子供部屋も居心地が良さそう~。これは、この絵とこの物語、どちらが欠けても成り立たない絵本でしょうね。(東京創元社)


+既読の加納朋子作品の感想+
「てるてるあした」加納朋子
「ななつのこものがたり」加納朋子
「モノレールねこ」加納朋子
「ぐるぐる猿と歌う鳥」加納朋子
Livreに、これ以前の全作品の感想があります。

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