Catégories:“絵本・画集”

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「まっくろネリノ」の家族は、とうさんとかあさん、そして兄さんが4人。でも父さんも母さんも毎日えさ探しに忙しいし、綺麗な色をした兄さんたちは、ぼくとちっとも遊んでくれないんだ。それは、ぼくだけが真っ黒だから。

またしても、「大人のための絵本の本」(感想)で気になった絵本です。だってだって、色がとっても綺麗なんですもん~。紹介されていたのは、この表紙の絵と、中の鮮やかな黄色地のページ。そして図書館で借りてみたら、やっぱりとっても色が綺麗な絵本でした。全体的な色合いは暗めなんですけどね。それだけに、紹介されていた黄色のページがとても鮮やか! 絵本の作者のヘルガ=ガルラーはオーストリア人。本職はデザイナーで、織物や室内装飾、映画のアニメーションの仕事など幅広く活躍している方なのだそうです。まあ、このネリノの一家が何なのかはよく分からないんですが...。お父さんとお母さんを見る限りでは、鳥なのかな? ネリノ自身は、丁度「まっくろくろすけ」みたいな感じです。(笑)
一人ぼっちで寂しかったネリノが、一人ぼっちじゃなくなるお話。自分の真っ黒な色にコンプレックスを感じていたけど、そんなありのままの自分の良さに気付いて、他のひとにもその良さを認めてもらうことができたというお話。そう言ってしまえば、とても単純なものなんだけど、でもこのネリノが自分の真っ黒さを生かす機智なんかも見せてくれて、それもすごく楽しいんです。
なんだかいいな、この絵本。手元に欲しいな。(偕成社)

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ハンスが湖のほとりで小舟を浮かべて遊んでいると、木の上から見ていた風さんがさっと地面に飛び降ります。すると小舟はするすると動き出して... 風さんはハンスを連れて野原を突っ切り、りんごの実を揺り落し、色づいた葉っぱを散らし、雲に乗ってぐんぐん飛んでいくのです... という「風さん」。
一人ぼっちで窓辺に座って外を眺めていたマリーレン。お母さんは出かけたきり、なかなか戻ってきません。灰色の空からひらひらと雪が舞い降りてきて、ゆきのこたちが踊り始めます。そしてゆきのこたちに誘われたマリーレンは、一緒にゆきの女王の国へ... という「ゆきのおしろへ」。
遠い遠い遙かな国。赤ちゃんのいもむしたちは、子守りおばさんが見守る中、緑の葉っぱのジュースを飲んだり、よちよちと歩き回ったり。さなぎの子どもは、綺麗な花が咲き乱れ芳しい香りが溢れる夢のお庭で遊んだり、とんぼのお姉さんにダンスを習ったり。そして3月になると、光の使いたちに羽をもらうのです... という「ちょうちょのくに」。

「風さん」は、水色の服と帽子に金髪をなびかせた男の子。ハンスは白と赤の服に、赤と水色の、とんがった先っぽが垂れ下った帽子。(名称が分かりませんー) 訳者あとがきで、「下を向いた頭がいかにも重そうです。頭が大きめの子の中には想像力が一杯で、でも現実をとらえるのはゆっくり...。子どものタイプをそんな風にとらえる観方もあります。」とありました。そして四大元素の風に対して、ハンスは水と土の子、とも。なるほどなあ。最初はどちらかといえば、大人しくて... ちょっぴり愚鈍なイメージで、走るのもちょっとたどたどしかったハンスが、軽やかな「風さん」にひっぱりまわされてるうちに、だんだんやんちゃになっていくのが可愛いのです。下を向いて垂れてた帽子の先っぽも、最後は上を向いてるし!

「ゆきのおしろへ」は、まず白くてまんまるいゆきのこたちが可愛いし、淡い色合いの雪の世界と白いゆきのこたちの中に、全身真赤な服のマリーレンちゃんの姿が鮮烈。こちらにも風の子が出てきましたが、「風さん」のあの男のではなくて、こちらは女の子。そして雪の女王のお城は、アンデルセンの「雪の女王」とはまた全然違う雰囲気。お城は氷でできていて冷たいはずだし、お庭にもガラスのようなお花が咲いてるんですけど、どこか暖かいんですよね。雪の女王の膝の上に女王そっくりの小さなお姫さまが座っていて、その腕の中にはその小さなお姫さまにそっくりの人形が抱かれているからかしら。雪の女王が、まるで聖母マリアのようなイメージです。そして雪のお姫さまの誕生日のパーティで働く雪だるまたちのおじさん臭くて可笑しいことったら。

そして「ちょうちょのくに」は... うーん、この本だけ感想が出てこなくて困ってしまったのだけど... それは、私自身がちょうちょが苦手なせいもあるのかも。いもむしもダメなんだけど、特にあのヒラヒラと飛んでるちょうちょが怖くて仕方ないんですよねー。あ、でも絵本の中のいもむしの赤ちゃんとか、さなぎの子どもとか、絵としてはすごく可愛いです。3月の春の誕生日に、輝く金の槍を持つ光の使いが、さなぎの子どもたちに羽をあげるというのが素敵。

「ゆきのおしろへ」がオルファースの最初の絵本で、「ちょうちょのくに」が最後の絵本なのだそうです。
他の絵本もそうなんですが、絵の枠がまた素敵なんですよね。アールヌーボーの絵によくあるような枠。この「風さん」では木の幹や枝が枠になってます。文章の方も水辺に咲く菖蒲の花だったり、流れる小舟だったり、綿毛を飛ばすたんぽぽだったり... 「ゆきのおしろへ」は、絵の左右が、真っ白い雪割草。そして「ちょうちょのくに」は、再び木の枠。時々枠にちょうちょやトンボの形がくり抜かれてるのがまた可愛いのです。(平凡社)


+既読のジビュレ・フォン・オルファース作品の感想+
「森のおひめさま」「うさぎのくにへ」「ねっこぼっこ」ジビュレ・フォン・オルファース
「風さん」「ゆきのおしろへ」「ちょうちょのくに」ジビュレ・フォン・オルファース

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暖かくて気持ちの良い午後に庭で昼寝をする女の子のお話「金曜日の砂糖ちゃん」、知らない道を通って帰った男の子が今まで知らなかった場所を発見する「草のオルガン」、そして夜中に目を覚ました女の子の「夜と夜のあいだに」の3つのお話。

まず表紙の女の子の絵が好き。目を閉じたその顔は、ほっぺたも唇もぷっくりしていて、まだまだあどけなくて、頭の上にはお花の冠。そこには鳥やらちょうちょやらがとまっていて、とっても可愛いのです。そしてお話。ノスタルジックな雰囲気を醸し出す絵は相変わらずなんだけど、どのお話も、いつも以上にとても幻想的な雰囲気。表紙の白いイメージとはまた少し違っていて、こちらは夜の気配の濃いお話です。「金曜日の砂糖ちゃん」なんて、お昼寝の話なのにね。

その「金曜日の砂糖ちゃん」の絵は、黒の中の赤がすごく鮮烈です。苺や小鳥の頭、テントウムシ、そしてカマキリの目。女の子が眠りから覚めるお話ではあるんだけど、これ1つが丸ごと夢の中のお話みたい。女の子を抱き起こすお母さんは、実はお母さんではなく... むしろギリシャ神話の夜の女神・ニュクスのイメージがあります。一見ちゃんと起きたように見えても、まだまだ夢が続く気配が濃厚。そして「草のオルガン」は、この中で唯一昼間のイメージも併せ持つお話。(それでもやっぱり、私にとっては夜なんだけど) 子供の頃のちょっとした、でも本人にとってはとっても大きな冒険の時間。そして「夜と夜のあいだに」。これは妙なデジャヴを感じさせるお話。こんなこと、私にもあったような気がする... それも強烈に。読んでいると、ぞくぞくしてきてしまう。

どれも明治~昭和初期辺りの文豪の作品を思い起こさせたんですが... 「金曜日の砂糖ちゃん」と「草のオルガン」は、そのラストの文章が特に。そんな感じの、どこか懐かしいイメージなのです。でも誰のことなのか何の作品のことなのか、具体的な名称がさっぱり思い出せない自分がカナシイ。なんて思っていたら。ふと、1つ出てきました。私が一番思っていたのとはまた別なんですけど、夏目漱石の「夢十夜」の雰囲気じゃないですか? 3つの話はどれも夢の中の出来事みたいだし。でも起きた後で、「こんな夢を見た」と思い起こすのではなくて、この夢はまだ覚めてなくて現在進行形。果たして無事に現実に戻れるのかどうかは謎。
そして子供の可愛らしさを描きつつも、そこからにじみ出てくるエロティシズム。それもまた、ぞくぞくさせられる一因なのね。(Luna Park Books)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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パリのチュイルリー公園の木が若葉をつけた頃。卵からかえったばかりの小さなひなが巣からはみだして、くるくるくる... 落ちていったのは、おじいさんの帽子の上。ことりはおじいさんの帽子にしがみつき、おじいさんは何も知らずに地下鉄の通路へ。やがておじいさんはいつもの場所に腰をおろしてアコーディオンを弾き始め、やがてことりに気付きます。巣に返してやろうにも、地下道のどこにも巣は見つからず、おじいさんはことりにオデットという名前をつけて、一緒に暮らし始めることに。

毎日アコーディオンを奏でているものの、孤独で少し気難しくなっていたおじいさん。そんなおじいさんがオデットと出会い、一緒に暮らすようになるうちに、だんだん楽しい笑顔を取り戻すというお話。リンク先は普通のアマゾンのページですが、画像は洋書のとこから借りてます。どこか懐かしい優しさのあるタッチで、パリの四季を背景に、オデットとおじいさんが描かれていきます。これは... 基本は水彩画なんでしょうね。でもどこかコミック的な絵も混ざってたりして、ことりのオデットの表情はどれもユーモラス。
おじいさんとオデットがまるで本当の親子のようなんですが、じきにオデットはおじいさんから巣立つ日を迎えて... 絵を見てると、おじいさんがだんだんと舞台から退場してしまう感じなのがとっても切ないんだけど... おじいさんの優しさはもちろんなんですが、それ以上に無邪気なオデットの姿に、なんだか救われるような気もして~。とっても素敵な絵本です。(冨山房)

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先日酒井駒子さん絡みで読んだ「絵本のつくりかた」の2です。こちらの副題は「フランスのアーティスト10名が語る創作のすべて」。副題通り、フランスの絵本がいっぱい! 「アーティスト10名が語る」となってますが、もう既に亡くなってる方の絵本も紹介されてるので、絵本作家さんとしては全部で15人。でもその名前だけを出しても、分かりにくいので...(笑) 見つかる限りの本の書影を出してみました。

まずは第1章、「忘れることのできない素敵な昔の絵本たち」。ここで紹介されているのはアンドレ・エレ、ジャン・ド・ブリュノフ、レオポルド・ショヴォー、ナタリー・パラン、フェオドール・ロジャンコフスキー。

   

一番惹かれたアンドレ・エレの絵本の表紙がないのが悲しいですが~。おもちゃ箱の中の人形たちが遊んでいるみたいな、可愛くて賑やかで楽しい雰囲気の絵なんです。ドビュッシーの楽譜に絵をつけたりもしてたみたい。でも邦訳されたのは、どうやら「ノアのはこぶね」という本だけらしく...。図書館に蔵書があるようなので、さっそく予約を入れてみましたが! と思ってたら、こんなページを見つけました。あとこんなのも。改めて見ると、なんだかコミックっぽい絵ですね。
ぞうのババールシリーズは、実際にはほとんど読んだことないんだけど、でも可愛いですよね。どうやらフランス語版は筆記体風の文字になってるようで(手書き?)、その柔らかい雰囲気が絵にぴったり。元々はお母さんが息子のために作ったお話を、画家のお父さんが絵本に仕立てたんだとか。やっぱりそういうのは基本なんだな~。

そして第2章、「絵本が生まれるところ」。ここで紹介されているのは、アネット・チゾン&タラス・テイラー、アン・グッドマン&ゲオルグ・ハレンスレーベン、リリ・スクラッチィ、ジョエル・ジョリヴェ、アンドレ・フランソワ。リリ・スクラッチィの邦訳絵本は見つかりませんでしたが...。

   

この中で一番好きなのは、バーバパパシリーズ。最初はペンと水彩画で描いていたけど、印刷すると黒い線が鮮明に出ないので、黒いふちどり線を描いたら一旦それを透明なシートにプリントしておいて、別の紙に彩色した絵に重ねて完成、という手間のかかる作業をしてるんだそうです。そして最初にバーバパパを描いたその日にたまたま赤鉛筆しか持ってなかったから、バーバパパはピンクになったんですって。(笑)
リサとガスパールも可愛いですね。でも私、この2人のことをずーっとウサギだとばかり思ってたんですけどーーー。リサとガスパールは何の動物なのかという質問に、「いたち? うーん、犬でもないし...」だなんて! うわあ、衝撃的事実だ。
それにしても、緻密に計算されているバーバパパシリーズに、大胆な勢いで描かれてるリサガスシリーズ。なんだかとっても対照的です。実際、絵のタッチも全然違うしね。

そして最後の第3章は「もっと深く絵本を知る」。リオネル・コクラン、ポール・コックス、エマニュエル・ピエール、グレゴワール・ソロタレフ、トミ・ウンゲラーの5人。

    

エマニュエル・ピエールの絵本は見つかりませんでしたが、「すてきな三にんぐみ」は有名ですね。このトミ・ウンゲラーが、結構アダルト~なものにも携わってると知ってびっくり。でも、この辺りのアーティストたちは、私はあんまり馴染みがないので、なんとも... えへへ。(美術出版社)


+シリーズ既刊の感想+
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「絵本のつくりかた2 みづゑのレシピ」

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森の中に住んでいた小さなおひめさま。窓から外を眺めているおひめさまに、まず朝の風がお手伝いの「つゆのこ」を送ってきて、髪を梳かしたり服を着せたり。そして次は「こけのぼうや」たちが、朝ごはんの用意をするのです... という「森のおひめさま」。
森番をしているおとうさんが、森の中できのこをとっているうちにいなくなってしまった「むくむくちゃんとぷくぷくちゃん」。2人が森の中で途方にくれているのを見て、通りがかったかあさんうさぎが、自分の家に連れて帰ったのです... という「うさぎのくにへ」。
春になるとねっこぼっこたちは大地のかあさんに起こされて、春の用意を始めます。女の子たちは春の着物を自分たちで縫い、男の子たちは絵の具で色んな虫の頭を塗ってあげるのです... という「ねっこぼっこ」。

こちらも1つ前の記事の「わたしの庭のバラの花」同様、先日読んだ「大人のための絵本の本」(感想)を読んで読みたくなった絵本。紹介されていたのは「森のおひめさま」と「風さん」の2冊なんですが、ジビュレ・フォン・オルファースは34歳で世を去るまでに8冊しか絵本を残していなくて、そのどれもがドイツの古典絵本の名作とされてるそうなんです。絵もとても上品で綺麗。なので、とりあえず図書館にあった3冊借りてきました。どれも自然を描いた物語。

「森のおひめさま」は、おひめさまの1日を描いた絵本。森のおひめさまの世話をするのは「つゆのこ」に「こけのぼうや」、そして「きのこぼっこ」に「星のこども」。このおひめさまは何者なんでしょう。「つゆのこ」や「こけのぼうや」たちも妖精のようなんだけど、おひめさまもそうなのかな? 森を統べる妖精の女王? 立派なお城に一人っきりで住んでるようなので、ちょっと寂しそうだな、と思ったんですけど、外に一歩出れば世話をしてくれる「つゆのこ」たちもいるし、身支度も外なら、朝ごはんも外で食べてるし、からすの先制に勉強を教わるのも外。勉強が終われば動物たちや「きのこぼっこ」と外で遊んで、夜になると「星のこども」たちにお城まで送ってもらうのです。お城はほんと寝に帰るだけの場所みたい。(笑)

そして「うさぎのくにへ」は、「ぷくぷくちゃん」と「むくむくちゃん」がうさぎの家族の中に紛れ込んだお話。この「ぷくぷくちゃん」と「むくむくちゃん」という名前がまず可愛い! 原書ではどんな言葉だったのかしら。「ぷくぷくちゃん」と「むくむくちゃん」だなんて、すごく素敵な訳ですよね。そして2人を家に連れて帰るかあさんうさぎがまたいいんです。そうでなくても子沢山なんだけど、その愛情は、人間の子供にも分けてあげられるほどたっぷり。夜なべして、2人に素敵なうさぎ服を縫ってあげてるし! この服のおかげで2人は凍えないで済むし、子うさぎたちも、外見が一緒になった2人を自然に迎え入れてあげられるというわけです。まあ、最後は2人は戻るべきところに戻ることになるんですが、でもこのうさぎの国での体験は、いつまでも暖かい思い出となって残りそう。

最後に「ねっこぼっこ」。このねっこぼっこたちも妖精なのかな? 冬中寝てるんだけど、春になると起こされて色んな準備を整えて、そのまま地上へ。そして夏と秋を過ごして、寒くなるとまたかあさんのもとへと戻って、冬の間は寝て過ごすという1年のお話。こんな風に春を作りだすお話は他にも読んだことがあるんですけど、やっぱりこういうことを考えるのが素敵。大好き。で、冬の間寝ているぼっこたち、みんな目を覚ました時は土の色の服なんですけど、起きたらまず色とりどりの服を作って、その服の色はどうやらその子が司る植物の色みたいなんですよね。緑の服のぼっこは緑の草、白い服のぼっこは白い花、黄色の服のぼっこは黄色の花、そして青い服のぼっこは青い花。寒くなって戻ってきた時もその色の服なんだけど... 寝る前に着替えるのかな? それとも寝てる間に土の色になってしまうのかな? ふふふ、夢がたっぷりの物語です。(平凡社)


+既読のジビュレ・フォン・オルファース作品の感想+
「森のおひめさま」「うさぎのくにへ」「ねっこぼっこ」ジビュレ・フォン・オルファース
「風さん」「ゆきのおしろへ」「ちょうちょのくに」ジビュレ・フォン・オルファース

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「これはわたしの庭のバラの花」
「これはわたしの庭の、バラの花でねむるハチ」
「これはわたしの庭のバラの花でねむる、ハチに日かげをつくっている、すっとのびたタチアオイ」
「これはわたしの庭のバラの花でねむる、ハチに日かげをつくっている、すっとのびたタチアオイのわきの、まるいオレンジいろのきんせんか。」
...という風に、言葉と絵がどんどん積み重なっていく絵本。

先日読んだ「大人のための絵本の本」(感想)を読んで読みたくなった絵本。絵が全然違うので、借りるまで気がつかなかったんですが、アーノルド・ノーベルって「ふたりはともだち」「ふたりはいっしょ」なんかの、かえるくんとがまくんのシリーズの人だったんですね! このシリーズ、大好きなんです。そうかー、そうだったのかー。そして絵を描いたアニタ・ローベルは、アーノルド・ローベルの奥さま。絵そのものは、アーノルド・ローベル自身が描いてるかえるくんシリーズの方が好きなタッチなんですけどね。でもこちらも味わいのある、表情が豊かな絵です。

穏やかな昼下がりの庭のイメージ。そんな庭で、花も言葉もどんどん積み重ねられていきます。バラ、タチアオイ、きんせんか、百日草、ひなぎく、つりがねそう、ゆり、ぼたん... でもあることをきっかけに、その静寂さが破れた時...! 最後の左右のページの対比が可笑しいのです。バラの花は、何もなかったように澄ましかえってるし。ふふふ。(セーラー出版)

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ある朝突然、仲良しのことりが死んでしまい、悲しんだくまは綺麗な箱を作って、その中にことりを寝かせて持ち歩きます。ことりは一見眠っているだけのよう。しかし森の友達たちは、箱の中のことりを見るとみな困った顔をして、もう早くことりのことを忘れた方がいいと言うのです。くまはとうとう暗く締め切った部屋に閉じこもってしまい...。

まず、くまとことりの「きょうの朝」の話のところで、心が鷲掴みにされました。

「ねえ、ことり。きょうも『きょうの朝』だね。きのうの朝も、おとといの朝も、『きょうの朝』って思ってたのに、ふしぎだね。あしたになると、また朝がきて、あさってになると、また朝がきて、でもみんな『きょうの朝』になるんだろうな。ぼくたち、いつも『きょうの朝』にいるんだ。ずっとずっといっしょにね」

「そうだよ、くま。ぼくはきのうの朝より、あしたの朝より、きょうの朝がいちばんすきさ」

それなのに、そんなことを言い合える、かけがいのない友達を失ってしまっただなんて。ああ、切ないです。深い悲しみを癒すには、確かに時間が一番の薬なんだけど... くまだってそんなことは薄々は分かってたかもしれないんだけど... でもそんなに簡単に割り切れるはずないですよね。純粋にことりを失った悲しみ、やるせない喪失感はもちろんのこと、死んでいくことりに何もできなかった自分への責めや悔いもあったかもしれない。でも、そんな悲しみの中に溺れそうになった時の出会い。そしてあの一言。ああ、くまはこの一言が欲しかったんだなあって思います。それなのに、森の仲間は誰もこの一言を言ってあげられなかったのか!
モノトーンの絵の中の、ほんの少しの明るいピンク色が、くまの気持ちを表しているんでしょうね。そしてきっとそのうち、もっともっと色が増えていくんでしょう。で、いつか、モノトーンの背景のそこここが綺麗な色で彩られて。そうなったら素敵だな。(河出書房新社)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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北の海に住む人魚は、生まれてくる子供に、寂しく冷たい海ではなく、人間の住む美しい町で育って欲しいと考えて、子供を陸で産み落とします。それは人魚の女の子。その女の子を拾ったのは、蝋燭の店をしている子供のいない老夫婦でした。老夫婦は神様に授けられた子供だと考えて、大切に育てるのですが...。

「人魚は、南の方の海にばかり棲んでいるのではありません。北の海にも棲んでいたのであります」という始まりがとても美しい小川未明さんの童話。大正10年の作品なんだそうです。でも美しいながらも、暗くて怖くて寂しくて哀しくて、実は子供の頃からずっと苦手だったんですよね。老夫婦が子供を拾う話となると、どうしても桃太郎とかかぐや姫とかそういう話を思い浮かべるんですけど、この物語は全然違うんですもん。なんで、いつの間に、そんなことになってしまったの? と、なんだか裏切られたような気がしてしまって。
でもこの童話に、酒井駒子さんの絵がこの上なくよく似合うのです。酒井駒子さんの絵は、黒がとても印象に残る絵。暗い北の海の中や、そこで暮らす人魚の孤独感。この上なく寂しいんだけど、なんて美しい...!
そんな黒が基調の絵なんですが、海岸の小さな町の描写では背景が白となります。小さいけれど、ちょっと素敵な町。蠟燭の店をやってる、信心深いお爺さんとお婆さん。そんな2人が拾った可愛い女の子の人魚。神様に授けられたこの子を大切に育てようという優しい気持ち。しかしまた徐々に黒くなるのですね。それは拾ったのが普通の女の子ではなく、人魚だと分かった時から始まっていたのでしょうか...。どんどん美しく育っていく人魚の女の子。絵がうまい彼女のおかげで、蝋燭店は繁盛します。でもそれが良くなかったのかも。女の子の真直ぐな気持ちはお爺さんとお婆さんに届かなくなってしまう。優しかったはずの手は、いつしか残酷な手になってしまう。

この物語にはこの絵しかない、とそう思えてしまうほどはまっている酒井駒子さんの絵。闇のような黒と血のような赤が、ただただ印象的。苦手だった物語のはずなのに... もしかしたら、今まで読んだ駒子さんの絵本の中で、これが一番インパクトが強かったかも。(偕成社)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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□(しかく)ちゃんという女の子の、8つの小さな情景。「昼間の蒸気機関車」「図書館」「お友達」「12月」「幼稚園」「指しゃぶり」「カミナリ」「スイレン」。

「BとIとRとD」という題名が「BIRD」をバラバラにしているように、□ちゃんの日常の情景も1つずつバラバラで、全部で8つ。でも、大人の読者にとってはバラバラな情景も、□ちゃんにとっては滑らかに続いているんでしょうね。そして「BとIとRとD」が「BIRD」になるんだろうなあ。
この中で一番身近な情景は「図書館」。私の職場にも、いるいる、こういう女の子! すんごい可愛いんですよね。児童書を配架してる時にいたりすると、思わず本を片付ける手がゆっくりになったりなんかして。(笑) そして私が一番好きなのは「お友達」。ふとした瞬間に夢から醒めたように「足先の縫い目の堅いのが、急に見えてきて」というのが、ものすごくよく分かる... 他のお話でも「分かるなあ」はいっぱいあるんだけど、これに関しては、なんだかもう本当に胸が痛いほど分かってしまいます。という私自身は、お人形ではあまり遊ばなかったのだけど。そしてとっても可愛いのは「カミナリ」。これはお話も可愛いんだけど、絵がいいのです。リンゴの実に落ちてるちっちゃなカミナリ。いいなあ、可愛いなあ。(白泉社)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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まずは「こりゃ まてまて」。
公園に行った女の子。チョウやトカゲ、ハトやネコを見つけるたびに「こりゃ まてまて」と追いかけるのですが、みんなすぐ逃げて行ってしまって...。
0歳児~3歳児対象の赤ちゃん絵本。日常の中でよくありそうな場面を切り取ったお話です。いつもながら酒井駒子さんの描く子がとても可愛くて~。特にこのほっぺが絶品! つんつん、すりすりしたい~。
で、この絵本、すごくいいなと思ったのが文字なんです。ちょっぴり擦れてて、微妙に不揃いのハンコ風の字。擦れてるとか不揃いとか言っても、気がつかない人が多いかもって程度なんですけどね。でもやっぱり印刷のための普通の活字とはまた違う表情。他の作品、特に「よるくま クリスマスのまえのよる」を読んだ時に、普通の印刷のフォントだと、この絵にはちょっと無粋な感じがしちゃうなあ、なんて思ってたので(普通のお話部分はまだいいんだけど、字が大きいとことかね)、そういうところに気が配られてるのが素敵。このシリーズっていっぱいあるけど、ほかのもそんな風にフォントに気を配られているのかしら? 今度チェックしてみよう。

そして「ロンパーちゃんとふうせん」。
まちで風船をもらったロンパーちゃん。飛んでいってしまわないように、指にくくってもらって、無事におうちに到着。でもおうちで遊ぼうとしても、風船はすぐに天井にのぼってしまうのです。そんな風船に、お母さんは素敵な工夫をしてくれるのですが...。
ロンパーちゃん、可愛いな~。糸でも浮かんでる風船って、すぐ指からするりと抜けて飛んでいってしまいますね。子供の頃に何度悔しい思いをしたことか... 私の母も指にくくりつけてくれてたはずなんだけど。そしてこの表紙のピンク色からして、お洒落な感じで印象的なんですけど、ロンパーちゃんのお母さんがまるで少し昔のパリっぽいモードでお洒落なんです。風船をくれるお兄さんも日本とはちょっと違う感じだし、このお話の舞台はどこなんだろう? 住んでるところも「アパルトマン」って感じに見えるんですが。

「こりゃ まてまて」の子がもう少し大きくなったら、ロンパーちゃんになるのかな? なんて考えるのも楽しいです。でも「こりゃ まてまて」の子のお父さんはごく普通の日本のお父さんだし、遊んでるのは多摩川の土手って感じだし... ロンパーちゃんのお母さんはパリのモードな人だから...(笑)
ロンパーちゃんも、まだまだぷくぷくほっぺの年代。これがまた可愛いんですよね♪(白泉社・福音館書店)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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うさぎのぼうや繋がりの絵本が2冊。

「ゆきがやんだら」の方は、夜中に降り始めた雪がまだ降り続いているため、バスが動かなって園はお休み。でも、飛行機が飛ばないからパパが帰って来られない、そんな日のお話。
雪が降ってる時って、なんだかいつもと違う静けさがありますよね。そして夜の一面の銀世界は、音を全部吸い取ってしまいそう。うさぎのぼうやは、きっと「わーい!」なんて歓声をあげながら走っていってると思うのに、そんな声も雪に吸い込まれてしまったみたい。そういう静けさが、絵からとっても伝わってきます。走り回って足跡をいっぱいつけたり、雪でおだんごを作ったり。そんな風に一心に遊ぶ子供を見つめるお母さんの優しく柔らかい視線がまた素敵で、とっても暖かい気持ちになれる絵本です。

そして「ぼく おかあさんのこと...」は、「ぼく おかあさんのこと...」「キライ。」そんな衝撃的(笑)な台詞で始まるお話。
なぜキライかといえば、日曜日の朝はいつまでも寝ていて、ドラマばっかり見てマンガを見せてくれないし、すぐ怒るし、早く早くとせかすくせに自分はゆっくりしてるし、それからそれから... でもそんなことを言いながらも、本当はお母さんのことが大好きなんですよね。そしてお母さんも「ぼく」のことが大好き。そんな気持ちがいっぱい伝わってくる絵本です。うさぎのぼうやは可愛いし、お母さんの表情も豊かで、すご~く語ってるんだけど、私が一番好きなのは違うところ。「ぼくが おおきく おおきく おおきくなっても」というページが大好き! 何度読んでもここでくすっと笑ってしまいます。素敵素敵♪(学習研究社・文溪堂)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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「絵本のつくりかた1」は、「あこがれのクリエイターとつくるはじめての物語 (みづゑのレシピ) 」という副題。1枚の紙を折り紙のように畳んでみたり、しかけを作ってみたり。大好きなものを集めて繋げてみたり。そんな風に楽しく絵本を作る本。この本に取り上げられているのは酒井駒子さんだけでなく、100%ORANGEさんやあだちなみさん、荒井良二さん、竹内通雅さんなどなど。酒井駒子さんの創作場面が見えてくる「絵本と物語が生まれるところ」はもちろんのこと、絵本携わる色んな人たちの、それぞれの作品の奥にあるものが見えてくるのがまた嬉しいところなんです。色んなアイディアがあるものだなあ、面白いなあ。白紙の本とレシピの2冊セットなので、絵本が大好きな人にも、いつか絵本を作りたい人にもいいかもしれないですね。私なんかだと、絵心なんて全然ないし、使いこなせないままになってしまいそうですが...。
この本は1なので、2もあるんですよね。2は「フランスのアーティスト10名が語る創作のすべて」で、「ぞうのババール」のジャン・ド・ブリュノフや「バーバパパ」のアネット・チゾン&タラス・テイラー 、「リサとガスパール」や「ペネロペ」のアン・グットマン&ゲオルグ・ハレンスレーベンなどが取り上げられてるそうなんです。そちらも見てみたいなあ。フランスの絵本もお洒落で大好き♪ 三つ子ちゃんなんかも入ってるといいなあ。

そして「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」は、全部丸ごと酒井駒子さんの本。日本だけでなく海外にもファンが多いという酒井駒子さんのこれまでの仕事を、総まとめして全て紹介していっちゃうという本です。今ではもう手に入らない貴重な仕事もここで見られますし、この本のために書き下ろされた絵本まであるなんて、スゴイ! それ以外にも、酒井駒子さんのインタビューやコラム、お好きな本の紹介なども。酒井駒子さんがお好きな本、私にとっても思い出の本というのがすごく多くて~。それだけでも嬉しくなっちゃいました。いやでもほんと、絵を見ているだけで幸せになれるというのに、こんな風に一堂に会した絵を見られてしまって、しかもそんな+αがあるなんて、なんて贅沢なんでしょう~! ファン必見、というか、ファン必携ですね。もうほんと、駒子ファンは持ってて損はないと思います。今はもう手にいれることができないグッズを見て、悔しくなっちゃうとは思いますが、そこはそれということで。いやいや、素晴らしいです~。(美術出版社・学習研究社)


+シリーズ既刊の感想+
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「絵本のつくりかた2 みづゑのレシピ」

+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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おやつを食べ終わった時に公園になわとびを忘れて帰ったことに気づいた「あたし」は、弟のけんちゃんと一緒に公園へ。でもかけたはずの木の枝には、何もかかってないのです。その時、風にのって聞こえてきたのは、楽しそうな笑い声。2人は友達が遊んでいるのかと、そちらの方へ行ってみるのですが...。

あまんきみこさんのお話を読むのは、もしかしたら今回が初めてかも? りえちゃんとけんちゃんという姉弟が遭遇する、ちょっぴり不思議な出来事の物語。でも実際に読んでると、あんまり不思議な感じはしなくて、するりんとこの出来事を受け止めてしまうのはなぜなんでしょうね。逆になんだかものすごく身近な感じがします。懐かしい、とでもいうか。2人の表情があんなに楽しそうだからかな? 特にお姉ちゃんの笑顔が素敵。ほんと可愛い。愛しくなってしまうほど可愛い。それに2人はもちろんのこと、きつねたちもとても可愛いんですよね。すごくいい表情をしてる。みんなで一緒に遊んでいる場面なんて、見ていてウキウキしてきてしまうほどなんですもん。
そして「きつねのかみさま」という題名にもなるほど納得です。りえちゃんの「ごちゃごちゃのきもち」、良くわかるな。でもその「ごちゃごちゃのきもち」に色んな理由とか言葉をつけたがるのが大人なんだけど、これはそのままでいいのよね。うん。(ポプラ社)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
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ヒイラギの枝と一緒にクリスマスの靴下に入っていたビロードのうさぎ。始めは大喜びで遊んでいたぼうやでしたが、新しいプレゼントがどんどん来ると、うさぎはすっかり忘れ去られて、子供部屋の隅っこに放置されてしまうことに。でも、お手伝いさんのナナが、いつもの犬のぬいぐるみの代わりにうさぎをぼうやと一緒に寝かせた時から、うさぎはぼうやのお気に入りになり、いつもいつも一緒に過ごすことになったのです。

ぼうやとうさぎの心の絆が、ほんと泣きたいぐらい愛おしくなってしまうんですが... 同時に「ほんもの」って一体何なんだろう?と考えさせられる話でもあります。うさぎがぼうやに忘れ去られていた時、他のおもちゃたちはみんな「じぶんこそ ほんものだ」「ほんものそっくりだ」と自慢ばかりしてて、忘れられたうさぎをばかにするんですね。私はやっぱり、この時にウマのおもちゃが言う「こころから たいせつに だいじにおもわれた おもちゃは ほんとうのものになる。たとえ そのころには ふるくなって ボロボロになっていたとしてもね」という言葉が全てだと思うんですけど... ビロードのうさぎも、ぼうやと一緒にいる時がやっぱり一番幸せだったはず。なのに。
酒井駒子さんの絵がやっぱりものすごく素敵です。ぼうやがお布団で作ってくれる「うさぎのあな」も幸せそうな一コマで大好きだし、最後の場面の問いかけるようなうさぎの緑色の目もすごく好き。だけどやっぱり一番は、病気のぼうやの耳元でうさぎが色んな話をするところかしら。うさぎがぼうやのことを本当に大切に思ってるのが伝わってきて、ぐっとくるし、すごく素敵なんですよね。ああ、いいなあ。この場面、好きだなあ。(ブロンズ新社)


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「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
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昨日まではまだまだ残暑が厳しかったのに、あっと気づけば朝晩もすっかり涼しくなって、季節はもう秋。でも私自身はまだまだ夏の疲れが残ってて、未だ「読書の秋」到来とはなってません...。むしろ、集中力がなくなってて、同じところを何度も読み返していたり。こんな時は、目と心に優しいものを~と、酒井駒子さんの絵本を手に取ってみました。

まずは「よるくま」。ベッドの中の「ぼく」がママに話したのは、前の晩にやって来た可愛いお客さま・よるくまのこと。よるくまのおかあさんがいなくなってしまって、2人一緒におかあさんを探す冒険に出たのです...というお話。
なんでよるくまのお母さんは、よるくまを置いて出かけちゃったのかな、前もって説明しておけば、よるくまだってこんなに不安にならずに済んだはずなのに、なんて思ったりもするのだけど、よるくまの不安そうな表情、ここにもいない、あそこにもいない、そしてとうとうお母さんを見つけて泣き出しちゃう表情... どれも可愛くて、きゅーんとしてしまいます。お母さんの表情も、いかにも包容力のありそうな大きな笑顔でいいんですよねえ。そしてよるくまと一緒に寝ている時の「ぼく」の楽しそうな表情。寝入ってしまった時のあどけない顔。んんん~、可愛いっ。

そして「よるくま クリスマスのまえのよる」。こちらは、お友達になったよるくまが遊びに来たのは、クリスマスの前の夜のこと。サンタさんのことを知らないよるくまのために、「ぼく」はよるくまのサンタさんになってあげることに... というお話。
「ママにいっぱい叱られたから、サンタさんは来ないかも」「よるくまはまだ小さいから、いっぱいだっこしてもらえていいな」...そんな風に複雑な胸中になってる「ぼく」が可愛いのです。途中で小さい頃に戻ってる場面が好き~。ママが「ぼく」のことを怒るのは、「ぼく」が悪い子だからとか、ましてや嫌いだからじゃないんだよ、いつだって「ぼく」はママの宝物だから大丈夫なんだよって言ってあげたくなっちゃう。

そして今回、この2冊と一緒に「リコちゃんのおうち」というのも読んでみました。これは、おにいちゃんかいじゅうに邪魔されて遊べないリコちゃんのために、ママがリコちゃんだけのおうちを作ってくれるというお話。これは酒井駒子さんのデビュー作なのだそうです。「よるくま」は以前から読んでるけど、こちらは初めて。これが酒井駒子さんの絵なの...?という感じで、言われなければ気づかないほどの、とても普通な絵だなあと思うんですけど、それでもやっぱり話は可愛い。小さなダンボール箱で作ったおうちなんだけど、リコちゃんの中ではいくらでも楽しく豊かな空間に広がっていくんですよね。それがとても素敵だし、ああ、分かるなあって思っちゃう。

いい機会なので、酒井駒子さんの絵本を未読のものも既読のものも、少しずつ読んでいってみようかと。読み終わった頃には、夏の疲れもすっかり忘れてしまっているといいなあ~。


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
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「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
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・セイレーン、マーメイド、魔性の女、異教のヴィーナス、誘惑する水界の魔女など、可憐で妖艶な水の女たちを集めた異色の画集。ラファエル前派や世紀末の画家たちが描いた、19世紀ロマン主義の官能と退廃。...「水の女 From the Deep Waters」
・真夏の光のもとで、永遠の眠りの魔に囚われる女。いばらの森で王子の目覚めの口づけを待つ眠り姫。恋に溶けたからだの微熱のなかでまどろむダナエ。夜の虚空に愛された「夢魔」の女。地と天を結ぶ一弦の糸に耳を澄まし、無力に哀切に目を閉じる少女。ウォーターハウス、クリムト、デルヴィル、フュスリ他、収録画多数。...「眠る女 Sleeping Beauty」
・19世紀末―爛熟した美と退廃の時代、現実に倦みはてた人々が生み出した、聖であり、邪でもあり、純真で残酷で、類い稀に美しい「黄泉の女」たちの多彩なイメージを、繊細に編み上げて、世紀末をあざやかに映し込めた異色の画集。ベルギー象徴派やラファエル前派の画家たちが描いた珠玉の44作品をフルカラーにて収録。...「黄泉の女 To the End of the World」

出版社の案内をそのまま引用してしまいましたが...
この3冊は以前リブロポートという出版社から「A Treville Book」シリーズの本として刊行されていた本。その後リブロポートが倒産、「水の女」だけは河出書房新社から3年ほど前に復刊されて私も買ってたんですよね。で、「眠る女」と「黄泉の女」もいずれ復刊されるだろうと思って待ってたんですが、全然その気配がなくて! 結局ネットで探して購入してしまいましたよー。定価以下では買ってるけど、でもやっぱりお財布はイタイ。でもでもその価値はありました。いや、もう本当に、美しい!!
特にラファエル前派はやっぱり素敵。大好き。

まず「水の女」は、「Sights of Water」「Water Nymphs」「From the Deep」「Water Blooms」の4章。主に題材となっているのは、「ハムレット」のオフィーリアや「テンペスト」のミランダ、アーサー王伝説のエレインや、マーリンが心を奪われるニムエ、ヘラクレスの従者のヒュラスを誘惑したり、オルフェウスの首を見つけるニンフたち。キルケー、ケルピー、マーメイド、セイレーンなどなど。オフィーリアだけでも7枚ありますしね。ここに収められていない絵もまだまだあるはず。文学作品が画家に与えるインスピレーションというのは、すごいものがあるんでしょうね。アーサー王伝説のエレインも4枚あるし。特にウォーターハウスの「シャロットの女」は素晴らしく、高宮利行さんによる解説も素晴らしいので、テニスンの「シャロット姫」はもちろんのこと、夏目漱石の「薤露行」(感想)も読み返したくなります。さらには、そういった文学作品から派生していない絵画ですら、どの絵からも物語が立ち上ってくるように感じられるのが素晴らしいです。
一番好きなのは、ポール・ドラローシュの「若き殉教者」。ウォーターハウスの「ヒュラスと妖精たち」も素敵。このニンフたちが本当に美しくて。(どのニンフを見ても、顎がジェーン・モリスに見えてしまうのだけど。笑)

「眠る女」は、「Flaming June」「Sleeping Princess」「The Nightmare」「Hope」の4章。こちらにも「Sleeping Princess」という章題からも想像できるように「いばら姫」「眠りの森の美女」といったモチーフはありますし、金色の雨を浴びながら眠るダナエや、「神曲」のパオロとフランチェスカもいるのですが、こちらでは、文学作品から触発された作品というのは、あまり多くなかったです。
山田登世子さんによる解説の最初に「《美しいもの》はすべて眠る」という、E.A.ポーの「眠る女」からの引用がありました。ここに描かれているのは、眠っている間に時を止められてしまった女性たち。永遠の眠りはたたただ甘美で... 彼女たちはそのまどろみの中で、その美しさを永遠に保つことになるのですね。「水の女」とはまた違い、絵から物語を感じるというよりも、絵の中に描かれている女性と一緒になって、その永遠の眠りの中をたゆとう存在となってしまいたくなる画集。この中で一番好きなのは、フレデリック・レイトン卿の「燃えあがる六月」。あと特に好きなのは、ジョン・エヴァレット・ミレイの「二度目のお説教」、フランク・カドガン・クーパーの「眠るタイターニア "真夏の夜の夢"より」辺り。

そして3冊目の「黄泉の女」は、「Love and Life」「Wounded Angel」「Punishment of Lust」「Night with her Train of Stars」の4章。こちらはまた、キューピッドとプシケーや、エンディミオン、オルフェウスとエウリュディケ、ペルセポネ、メデア、スフィンクスといったギリシャ神話系のモチーフが多いです。あと目につくのはエデンの園のイメージ。滝本誠さんの解説を読んで、ジョヴァンニ・セガンティーニの「よこしまの母たち」の読み解き方になるほど~。ここにはあと「淫蕩の罪」しかないけど、これもなんだか繋がった物語のように感じられるし、他の作品も色々と見てみたくなっちゃうなあ。
そしてこの本で一番好きなのは、ソフィー・アンダーソンの「ニンフの頭部」。あとは表紙にもなっているエドワード・ロバート・ヒューズ「夜と星の列車」もすごく素敵だし、フランク・カドガン・クーパーの「ラプンツェル」には意表を突かれました。この表情、すごいな。

3冊の中ではやっぱり「水の女」が一番好きでしょうかー。最初に入手したというのもあるでしょうし、「水の女」というのが今の私の隠しテーマ(別に隠してません)になってるので、それもあるでしょう。この本が一番、そのテーマに焦点が合ってると感じるというのも。でも「水」と「眠り」と「死」は、同じ事象に対するまた違う表現に過ぎないようにも思うし、結局のところは、切っても切り離せない存在かも。どれも何度も何度もめくっては、ため息をつきながら見入ってしまう画集です。(河出書房新社・リブロポート)


 
左は3冊一緒に撮ったところ。「水の女」だけは復刊されたものだけど、元々のデザインのままなので3冊揃えてもまるで違和感がありません。素敵でしょう?
右はポール・ドラローシュの「若き殉教者」。この人はラファエル前派じゃなくてロマン派。

 
左がフレデリック・レイトン卿の「燃えあがる六月」。このオレンジ色にノックアウト。
右はソフィー・アンダーソンの「ニンフの頭部」。タイトルがイマイチなんだけど...(笑)

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暮れなずむ夏の日々の、遠い大聖堂の塔が沈みゆく陽に茜色に染まる頃。幼いオデット・ダントルヴェルヌは灰色の古城をこっそり抜け出しては、翳りゆく庭園にじっと佇み、小鳥たちの声に耳を傾けていました。蝋燭の灯りのともる仄暗い居間に戻ると、レースの祭壇布に刺繍している叔母のヴァレリに「どこに行っていて?」と聞かれ、「小鳥さんたちが夜のお祈りをするのを聞きに行っていたの」と答えるオデット。かつてインドから帰る途中の船が沈んで両親を失ったオデットは、預けられていたパリの聖鳩修道院から、夫を失った叔母に引き取られたのです。ある8月の美しい晩、幼いオデットは自分も司祭に聞いた少女ベルナデットのように、聖母マリアを探しに行こうと思い立ちます。

山本容子さんの繊細な銅版画がとても美しくて手に取った本です。原題の副題は「けだるい大人のためのおとぎ話」。作者のロナルド・ファーバンクは、20世紀初頭にロンドンの裕福なアッパーミドルの家に生まれた作家で、ガラス細工のような文体、極端なはにかみ性、飲酒癖、奇癖などで当時のロンドンのインテリの間ではいわば伝説的な人物だったのだそう。
この物語の少女オデットは作者と同じく、もしくはそれ以上に裕福な家に生まれ育った少女。幼い頃に両親を失うものの、引き取ってくれた叔母に大切に育てられています。世の中に存在する醜いものを何も知らないまま、素直に純粋に真っ直ぐ育つ少女。...司祭の話す聖母マリアと少女ベルナデットの物語に感動し憧れて、自分も聖母マリアと会いたいと願っていたその時までは。
実際に少女が出会ったのは、聖母マリアとは程遠い女性。いわゆる「世界最古の職業」の女性ですね。でもオデットにとっては、彼女もまた外の世界の真実を教えてくれる聖母マリアのような存在だったのかも。この一晩の経験で、人生は美しい夢だけではないと知るオデットなんですが、そのことを受け入れつつ、自分に与えられた役割を見事に果たしつつ、オデットは大人への第一歩を踏み出すのですねえ。オデットが夜の庭園で摘んでいた深紅の薔薇が、朝の陽光の中、道端に散らばっている場面が暗示的。でもこの出会いは、おそらく2人ともにとって幸せなものとなったと思うんですが... 果たして作者のロナルド・ファーバンクが初めて世間を知った時はどうだったんだろう?

帯には「小川洋子さん推薦!」で「いたいけな少女が聖母の遣いとなる秘密の一夜は、銀の十字架のように清らかで枯れた薔薇のように妖しい。」という言葉があります。うわあ、まさにまさにまさに。やっぱりすごいな、小川洋子さんは。(講談社)

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バーバ・ヤーガは、スラヴ系の民話に登場する魔女。元々はスラヴ神話における「冬」の象徴だったのに、キリスト教が入ってきて、すっかり悪い魔女になってしまったみたいです。元々は悪い存在じゃなかったので、時には良い人間を助けてくれる親切な老婆として登場したりもするんですけどね。そして、そのバーバ・ヤーガの住む家というのがとてもユニーク。鶏の足が生えた家なんです。その足でとことこ歩いて家が移動したり、ぐるぐる回ってる時も。

ムソルグスキーの「展覧会の絵」にも「鶏の足の上に立つバーバ・ヤーガの小屋」があるし、あちらの方にはかなり馴染み深い存在のようなんですけど、なかなかバーバ・ヤーガの登場する物語にめぐり合えないんです。アファナーシェフの「ロシア民話集」(感想)でもいくつか読めたし、スーザン・プライスの「ゴースト・ドラム」(感想)は素晴らしかったのだけど...! でも、ふと気がついたら。バーバ・ヤーガのお話の絵本が図書館にいくつかあるじゃないですか。早速ありったけを借りてきました。

今回読んだ5冊の中では、「まほうつかいバーバ・ヤガー」(松谷さやか再話・ナタリー・パラン絵)と「バーバ・ヤガーとままむすめ」(渡辺節子文・井上洋介絵)がほぼ同じ話で、「ロシア民話集」収録の「ヤガーばあさん」と同じ。そして「マーシャとババヤガーのおおきなとり」(宮川やすえ文・太田大八絵)が、同じく「ロシア民話集」収録の「鵞鳥白鳥」と、「おばけのババヤガー」(カロリコフ再話・カバリョーフ絵)が「りりしい鷹フィニストの羽」と同じ。オリジナルなのかな?というのは「バーバ・ヤガー」だけ。(私がオリジナルを知らないだけかも)
でも既に知ってる話でも、絵本で改めて読むと面白いー。以前読んだ時は挿絵も何もない状態でしたしね。「まほうつかいバーバ・ヤガー」は、バーバ・ヤーガの家が普通の木の小屋で足が生えてないのが難点なんだけど、ぐるっと周りを回っても入り口が見つからない家に「こやよ こやよ、森のほうには うしろむき、わたしのほうには まえむきに なあれ!」って言うところが面白かったし、部分的に切り紙細工のような絵が可愛かったし... 「バーバ・ヤガーとままむすめ」の絵はあまり好みではなかったんだけど、ちゃんとバーバ・ヤガーの小屋に鶏の足がついてくるりくるりと回っているのが良かったし。「マーシャとババヤガーのおおきなとり」に登場する小屋も、回ってはいないものの鶏の足付き。そして「おばけのババヤガー」の幻想的な絵の素晴らしいことったら...! 人物の絵はあまり好きではないんですけど、バーバ・ヤガーの小屋(鶏の足付き)や、魔法使いの女王の城の絵が特に素敵~。
唯一のオリジナル(?)の「バーバ・ヤガー」(アーネスト・スモール文、ブレア・レント絵)は、お母さんに言われてカブを買いに出たものの途中でお金を落としてしまったマルーシャが、森にカブが生えてないか探していると、やがて鶏の足の生えたバーバ・ヤガーの小屋が現れて... というお話。「白い騎士」と「黒い騎士」というのが素敵だったし、悪い子じゃないと食べないというバーバ・ヤガーがユニーク。恐ろしいながらもどこか抜けている魔女相手に、マルーシャは自分の力でで夕食になることを免れるんですよ! 面白いなあ。こういうのを読んでると、「いい子にしないとバーバ・ヤーガに食べられてしまうよ!」なーんて子供をたしなめるお母さんの声が聞こえてきそう。版画風の挿絵も素敵でした。あ、小屋にはちゃんと鶏の足がついてます。一番左に画像が出てる絵本の表紙の通りです。(童話館出版・福音館書店・ほるぷ出版・岩崎書店・ひさかたチャイルド)

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伊勢英子さんによる宮沢賢治作品の絵本を一挙に4冊。
ざしき童子(ぼっこ)は、東北地方、特に岩手県に伝わる伝説の存在。特定の家に居つき、ざしき童子がいる家は栄え、去られてしまった家は傾くという... そんなざしき童子のお話を4つ集めた「ざしき童子のおはなし」。
姿が醜いため、他の鳥たちに顔を見たくないとまで言われてしまうよだか。みんなに嫌われていることを悲しんだよだかは、弟のかわせみに別れを告げ、太陽の方へと飛んでいきます... という「よだかの星」。
谷川の岸にある小さな小学校に新しく来たのは、赤い髪に変てこな洋装をしたおかしな子供。父親の仕事の都合で、北海道の学校から転校して来たのです... という「風の又三郎」。
しきりにカルメラのことを考えながら、赤い毛布(けっと)にくるまって雪丘の裾を家に急ぐ子供。しかしその日は水仙月の四日。じきに風が出て、乾いた細かな雪が降り始め、あたり一面は真っ暗に.. という「水仙月の四日」。

やっぱり「ルリユールおじさん」や「大きな木のような人」、「にいさん」のような絵本とは違っていて、こちらはやっぱり子供向けだなあという感じでしたが、それでもどれも伊勢英子さんの絵が堪能できる絵本ばかり。「ざしき童子のおはなし」は、昼下がりの穏やかな光、夕暮れの柔らかい光、残暑の頃の明るい光、そして眩しいほどの月の光... と、どの絵も光がとても印象的だったし、「よだかの星」は後半の色の深みと美しさが素晴らしいと思ったし、「風の又三郎」はどれも吹き渡る風を感じるような絵。「水仙月の四日」は、青と白が美しくて、その中の子供の毛布や、雪狼の舌の赤がとても鮮烈。

最初読んだ印象では、「水仙月の四日」が一番好きかなあと思ったんですが... 文章だけで読んだ時もとても印象深い作品だったし、伊勢英子さんらしい青を楽しめますしね。でも読んでから少し時間が経った今は「よだかの星」の印象の方が鮮烈に残ってるということに気がつきました。この絵本、最初の何枚かの絵が、あまり私好みの色彩じゃないんです。どこか民話調の赤の使い方というか、あまり色にも深みがなくて、なんでこういう色使いをするんだろう、とどうも違和感があったんです。でも、後半の色の深みが素晴らしい! なんて美しいんでしょう... もしかしたら、前半の絵は表面上の美醜しか捉えようとしないほかの鳥たちの浅さを表現してるのかしら。そして後半の深みのある広がりのある色彩は、よだかの内面を表しているのかなあ、と思ったのでした。...ただ単に前半の絵の美しさを、私が感じ取れなかっただけなのかもしれないんですが。(笑)(講談社・くもん出版・偕成社)


+既読の宮沢賢治作品の感想+
「宮澤賢治のレストラン」中野由貴 「銀河鉄道の夜」宮沢賢治
「注文の多い料理店」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」宮沢賢治
「よだかの星」「ざしき童子のはなし」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「よだかの星」「ざしき童子のはなし」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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オランダの貧しい牧師の息子として生まれたヴィンセント・ヴァン・ゴッホとその弟のテオ。「とうさんのような人になりたい」と語る兄と、にいさんのような人になりたいと思う弟。学校を出た兄は画廊に勤め、絵に囲まれて働く喜びがあふれる兄の手紙に、弟も16歳になると迷わず画廊に就職。しかし牧師である父のようになりたいという思いも捨てきれなかったのです。兄はやがて解雇され、様々な職につくもののうまくいかず何度も挫折を経た後、やがて絵描きになる決意を固めます。

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホとその弟のテオの物語。まずこの絵本で目を奪われるのはその色彩。表紙の黄色も印象的ですが、中はもっとすごいです。これほどまでに深みのある青とそして鮮烈な黄色の対比とは...。
伊勢英子さんは1990年からずっとゴッホの足跡をたどる旅を続けているのだそうで、エッセイ「ふたりのゴッホ」、絵本「絵描き」、実の妹さんと共訳したという「テオ もうひとりのゴッホ」を経て、どうしても描きたかった物語がこの絵本として結実したとのこと。その思いがすごく伝わってくる絵本です。ゴッホから弟に宛てた700通近い手紙から伊勢さんが感じたという「誠実に生きようとすればするほど、節度のない過剰な人間と見なされて居場所を失っていった彼の生きづらさと、白い画布以外に自分らしく生きられる場所がないという痛切な叫び」が、こちらにまで痛いほど伝わってきます。天才肌の芸術家と一緒に暮らすというのは、本当にものすごく大変なんでしょうね。しかもそれが実の兄ときた日には... 兄を愛しながらも困惑し続けたであろうテオ。テオの送る金でゴッホは旅を続け、パリのテオのアパートに押しかけて、アパートを絵の具だらけにしながら習作で埋め尽くし、客が来れば誰彼構わず議論をふっかけて、テオの生活をめちゃくちゃにしてしまいます。そしてアパートを出てからも、金や絵の具や筆、キャンバスを無心し、借りた金を自分の描いた絵で返すという身勝手さ。しかしその絵は決して売れることがないのです。自分の欲求に素直に生きることしかできない兄に対して、「ぼくはきみのエゴイストぶりにあこがれながら、そのすさまじさをにくんだ」という文章が心に突き刺さるようです。
この青や黄色の色の強さは素晴らしいですね。命がこもってるようです。私が見ているのはあくまでも絵本であって、原画ではないのに、それでも魂を吸い取られるような気がしたし、物語の中にも引きずり込まれました。これで原画だったらどうなってしまうんだろう? 強烈に伝わってくるものがある絵本です。(偕成社)


+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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ケーバーン山のふもとのグラインド村に生まれたエルシー・ピドックは、生まれながらのなわとび上手。3歳の時になわとびのつなを作ってもらって以来、一日中なわとびばかり。5つになった頃には誰にも負けないほどになり、6つの時にはエルシー・ピドックの名前はその州に知れ渡り、7つになった頃にはケーバーン山に住む妖精でさえエルシーの名前を知っていました... という「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」。
そして、どんなとこでも寝てしまうネコ。ピアノの上でも窓の棚でも、部屋の真ん中でも、ブランコの上でも、部屋の真ん中でも、ブランコの上でも... という「ねんねんネコのねるとこは」。

ファージョンの絵本2冊。
「エルシー・ピドック~」の方は、「ヒナギク野のマーティン・ピピン」でマーティン・ピピンがシルビアのために語ったお話だけを取り出して絵本にしたものです。このお話そのものも元々大好きなんですが、そのお話にシャーロット・ヴォーグの絵の柔らかい線、淡い緑を基調にした色合いがとてもよく似合っていて素敵~。夢がたっぷり~。で、お話そのものも素敵なんですけど、やっぱり石井桃子さんの訳もとてもいいんですよね。中でも「アンディ・スパンディ、さとうのキャンディ、アマンド入りのあめんぼう! おまえのおっかさんのつくってる晩ごはんは、パンとバターのそれっきり!」というなわとび歌が、子供の頃から大好きなんです。

「ねんねんネコのねるとこは」は、ファージョンの言葉にアン・モーティマーの絵がつけられた絵本。短い言葉に可愛いネコ。どのページにも気持ち良さそうに寝てるネコがいて、その表情が可愛くて、思わず撫でたくなってしまう~。ネコってほんと、いつ見ても幸せそうに寝てますものねえ。そして見開きの左ページと右ページのさりげない繋がりも楽しいのです。すぐ読み終えてしまうような絵本ですが、ネコが大好きというのが伝わってきて楽しい絵本です。(岩波書店・評論社)


+既読のファージョン作品の感想+
「ムギと王さま」「天国を出ていく」ファージョン
「年とったばあやのお話かご」「イタリアののぞきめがね」ファージョン
「町かどのジム」エリノア・ファージョン
「リンゴ畑のマーティン・ピピン」「ヒナギク野のマーティン・ピピン」ファージョン
「銀のシギ」エリナー・ファージョン
「マローンおばさん」エリナー・ファージョン
「ガラスのくつ」エリナー・ファージョン
「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」「ねんねんネコのねるとこは」エリナー・ファージョン

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そりがお気に入りのウィリー。丘にどっさり雪が降り、ウィリーはそりで勢いよく丘を下り始めるのですが... という「ウィリーのそりのものがたり」。
そして前書き代わりのような「非いま」、アントン・イサアコヴィチが恋人のナターリア・ボリーソヴナに、「もうこれ以上、アントンでいることに耐えられない、アダムになりたいんだ。ナターリア、きみはイヴになれよ」と唐突に言い出す「アダムとイヴ」他、全23編の作品を収めた「ハルムスの小さな船」。

先日読んだ「昨日のように遠い日 少女少年小説選」 (感想)で気に入ったダニイル・ハルムスの本2冊。ダニイル・ハルムスは、ロシアの不条理文学の先駆者といわれる作家なのだそう。

「ウィリーのそりのものがたり」は、ダニイル・ハルムス文、ウラジーミル・ラドゥンスキー絵の絵本。どんどん滑って、どんどんぶつかって、最後はみんなでどっかーん!! なんて楽しい絵本なんでしょう。一瞬の出来事なんですけど、スピード感もたっぷりだし、相手の驚いた顔が目玉に映ってるのがまた楽しいのです♪

そしてこの絵本よりももっと「昨日のように遠い日」に近いのは「ハルムスの小さな船」の方でしょうね。詩のような物語のような楽しい作品集。たとえば「非いま」は詩のようだし、「アダムとイヴ」は4幕物のお芝居風、次の「夢」は不条理系の超短編... といった具合。この中で私が特に気に入ったのは、「誰が一番速いか」。
これはライオンと象、キリン、鹿、だちょう、へらじか、野生の馬、犬のうちで誰が一番速く走れるかと口論になって、実際に湖の周りを走って競争する話。イソップ辺りにありそうな話なんですが、これが本当に楽しいのです~。途中の「立ち止まって、大笑い!」辺りも爆笑物だし、決着がついた後がまた可笑しいんですよねえ。って言っても、ここに書いたこの文章からは、絶対伝わらないだろうな。ぜひ一度見てみて欲しいですー。楽しくて、でもハルムスならではの不思議な雰囲気もあって素敵。
本に使われているフォントも凝ってますし、それぞれの物語には西岡千晶さんの挿絵がたっぷり添えられていて、こちらもとても素敵。この挿絵は、もうこの作品とは切り離しては考えられないほどぴったりの雰囲気ですね。作品としては「アダムとイヴ」なんかも大好きなんですけど、この挿絵を抜きに本文だけ読んだら、果たしてどうだったんだろう?なんて思っちゃうほど。西岡千晶さんご自身が1990年にハルムスの作品に出会って影響を受けてらっしゃるというだけあって、もうほんと見事に一体化しちゃってます。(セーラー出版・長崎出版)

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昔々、バーナビーという名の少年が、1人っきりで旅から旅へと曲芸をして歩いていました。母親は生まれた時に亡くなり、バーナビーはやはり曲芸師だった父親と一緒に各地を歩いて回っていたものの、その父親も10歳の時に亡くなっていたのです。芸の上手なバーナビーはみんなに気に入られ、どこに行ってもうまくいっていました。しかし寒い冬になってくると、広場でバーナビーの芸を見てくれるお客さんはどんどん減っていきます。雪が降ってきた日、ある修道士がバーナビーを見て、家がないのを知ると修道院へと連れて帰ることに。

この本は、フランスで何百年もの間語り継がれてきた「聖母マリアの曲芸師」というお話をバーバラ・クーニーが新たな視点から解釈して、絵を添えたもの。初めてこの話をラジオで聞いた時にとても気に入って、息子が生まれたらバーナビーという名をつけようと思ったほどだっていうんですから、その感銘ぶりが分かりますね。
そしてアナトール・フランスも、この話を元に短編を書いてるそうです。何だろう? と調べていたら、岩波文庫で「聖母と軽業師」という短篇集が出てたみたい。これかな? あとアマゾンにはデータがありませんが、世界文化社・ワンダーおはなし館の「かるわざし」(谷市郎訳)とか、書肆山田の「聖母の曲芸師」(堀口大學訳)とかもあったようですね。岩波文庫版も含め、どれも絶版のようですが...。あ、白水社からアナトール・フランス小説集が出てるんですけど、その7巻にも入ってるようです。そのアナトール・フランスが書いた作品を、作曲家のマスネーがオペラにしたのだとか。

それにしてもなんて美しいお話なんでしょう! 映画の「汚れなき悪戯」を思い出しちゃいました。
今まで見たバーバラ・クーニーの絵本とは絵のタッチが全然違っていて驚いたのだけど... 白と黒が基調で、色がついているのも朱色と青と緑色だけですしね。でもそれがまた中世の雰囲気をよく表していて素敵。なんだかまるでステンドグラスの絵物語を見ているみたい。おごそかで美しくて、そして暖かくて優しくて。絵もとても細かく描きこんであって、広場にいる代書屋(?)とか修道院での写本の風景とか、その辺りが特に気になってしまってじーっと眺めてしまったわ! 何も知らないで今の時期に読んでしまったんだけど、これはクリスマスの前に読むのが良かったかもしれないですね。バーバラ・クーニー自身もクリスマスの贈り物のために描いた本のようですし~。クリスマスプレゼントにも最適の本かと♪(すえもりブックス)


+既読のバーバラ・クーニー作品の感想+
「北の魔女ロウヒ」トニ・デ・ゲレツ文 バーバラ・クーニー絵
「ちいさな曲芸師バーナビー」バーバラ・クーニー

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お父さんに長いこと仕事がなく、お母さんに仕立物を頼む人もいなくなってしまったので、暮らし向きが良くなるまでのしばらくの間、リディアは町でパン屋をしているおじさんのところに行くことになります。リディアはガーデニングが大好きな女の子。そしておじさんの家に行ったら、パン作りを教わりたいと思っていました。

先日読んだ「エリザベスは本の虫」と同じペアによる絵本。なんでかなと思ったら、このお2人ご夫婦だったんですね! 道理で~。サラ・スチュワートは小さい頃から図書館とお祖母さんのお庭が大好きだったそうで、それでこういう作品ができるというわけなんですね。^^
いつもむっつりしていて、全然「にこり」ともしないおじさんと一緒に暮らすことになるリディア。そんなリディアの手紙だけでできているお話です。おじさんの家に行くまでは、おじさんへの手紙、おじさんの家に行ってからは、お父さんとお母さんとおばあちゃんへの手紙。「エリザベスは本の虫」は、本好きさんの心をむぎゅっと鷲掴みしてくれるような絵本でしたが、今回は園芸好きさんの心を鷲掴みしてくれます。...というより。全部のベクトルが本に向かっちゃってるエリザベスに比べて、リディアはもっとバランスの良い健康的な女の子なので、もっと一般的に好まれるかも。(笑)

「エリザベスは本の虫」でも思ってたんですけど、絵がほんと雄弁なんですよねえ。むしろ文章よりも絵の方が語っているかもしれません。絵を見てるだけでもお話の筋は十分分かるはずだし、リディアの笑い声とか街のざわめきとか、聞こえてくるような気がするんですもん。登場人物たちの表情も豊かだし、遊び心も~。という私が一番好きなのは、おうちに帰る場面の絵。これは本当に何度見てもぐっときます。^^

「ガーデニングに終わりなし」という言葉は確かに! ああ、耳が痛いです。(笑)(アスラン書房)


+既読のサラ・スチュワート・デイビッド・スモール作品の感想+
「エリザベスは本の虫」サラ・スチュワート文・デイビッド・スモール絵
「リディアのガーデニング」サラ・スチュワート文・デイビッド・スモール絵

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パリの植物園に毎日のように来ては絵を描いてる女の子。立ち入り禁止のところにまで入り込んで庭師に睨まれているのですが、ある日勝手に花を抜いたということでとうとう 捕まえられて、植物学者の先生のところに連れて行かれてしまいます。でも先生は怒りません。さえらというその女の子は先生にひまわりの種をもらって、自分で蒔いてみることに。

いせひでこさんの今回の絵本は、やっぱりとても素敵でした。もうね、絵本というよりも画集と言った方が相応しいかも。植物園が舞台なので、木や草花がいっぱい!「ルリユールおじさん」は青が印象的だったし、「絵描き」は黄色なんですが、今回は植物の緑です。もちろん青や黄色も登場しますけどね。さえらが青い背景の中で黄色い花を持って走ってる場面なんて、ほんと印象に残りますし。私が一番好きだったのは雨の日の絵かな。
そして素敵なのは絵だけでなく、お話も。さえらも可愛いし、さえらが出会う植物学者の先生がとっても素敵なんです~。さえらにとってこの植物学者の先生との出会いは一生心に残るはず。でも先生がさえらに一方的に種を蒔いてるんじゃなくて、さえらの中で花開いたものが、また先生に戻っていくようで、それがとても素敵なんです。

あ、ソフィー! 植物図鑑! そうだ、「ルリユールおじさん」にも樹齢400年のアカシアの木が出てきたなあ、なんて思ったら、そちらも無性に読みたくなって本棚から出してきてしまいました。パリには2本の樹齢400年のアカシアがあって、「ルリユールおじさん」と「大きな木のような人」のアカシアはまた別なんですね。(というか、ちゃんと実在するんですね)
んんん、やっぱり「ルリユールおじさん」は素敵です。私にとってはこちらの方がインパクトが強いかも。青だから、というのもあるし、本、というのもあるし、職人への憧れ、というのもあるし。でもやっぱり植物という命あるもの、特に木の持つ長い命や雄大さ、そこに存在する物語というのも捨てがたい。(←別に捨てなくてもいいんですよ!)

人はみな心の中に、1本の木をもっている。

素敵な言葉ですね。
ソフィーにはルリユールおじさんとの出会いがあって、さえらには植物学者の先生との出会いがあって。こうやって世界が広がっていくんですね。さえらは将来、どんな道を選ぶのかしら?(講談社・理論社)


植物繋がりで。
昨日は久々に庭の手入れをしました。ここんとこずっと全然何もできてなくて、すっかりジャングルになってたのです。まだまだすっきりしないんですが、とりあえず枝や葉っぱがゴミ袋5つ分!
今、庭で満開なのは、薔薇のバレリーナ。どんな花なのかは、こちらの記事をどうぞ。百花繚乱のカテゴリは、このところ全然写真が撮れなくて、すっかり止まってますが...。何も世話をしてないのに、今年も綺麗に咲いてくれてほんと嬉しい。次に咲くのは、いつの間にか根付いてしまった南天かな。これは一体どこから来たんだろう? 気がついたらすっかり居座ってました。真っ白い蕾がいっぱいついた房があるので楽しみです。


+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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生まれてすぐに字を覚えてて、あっという間に本の虫になったエリザベス。何をするよりも本が好きで、何を買うよりも本を買い、寝る間も惜しんで読んで読んで読みふけります。でもふと気づくと天井まで本の山。これ以上入らないことに気づいたエリザベスは...?

本に対する愛情がいーーーっぱい詰まった絵本。私も自分で相当の本好きだと思ってるんですが、エリザベスには負けますねえ。寝る間も惜しんで本を読んで育ったけど、ここまで本オンリーの生活は送ってなかったですもん。共通点はかなりありますけどね! あーでも、本を小さな積み木代わりにさせるのはいいけど(でもなるべくならしてほしくない)、本の上にお茶を置いたりはできないなー。あと、うちは私だけでなく両親も祖父母も筋金入りの本好きなので、本はとにかくいっぱいあって、エリザベスのとった方法を冗談半分に勧められることもありますが... 迷わず実行に移しちゃうエリザベスってば素敵! 男前!(笑)
よく見ると、「実在のメアリー・エリザベス・ブラウン 図書館員、読書家、友人 1920-1991 に捧げる」という言葉がありました。なんと実在の女性だったのですかーっ。素晴らしい。というか、エリザベス、ちゃんと素敵なお友達がいたのですねー。もう、友達そっちのけで読書をしていたのかと... いえ、ちゃんといたことは作中でも分かってたんですけどね。となると、やっぱり本読み友達? エリザベスはそのお友達と、読んだ本の感想とか言い合うことはあったのかしら...? なあんて、すっかり実在のエリザベスと作中のエリザベスを混同しちゃってますけど。(笑)
絵も可愛くてとっても好きです、この絵本♪(アスラン書房)


+既読のサラ・スチュワート・デイビッド・スモール作品の感想+
「エリザベスは本の虫」サラ・スチュワート文・デイビッド・スモール絵
「リディアのガーデニング」サラ・スチュワート文・デイビッド・スモール絵

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スペイン出身の女性シュールレアリストの画家・レメディオス・バロの書いた散文や自作解説を集めた本。みたい夢を見るためのレシピや、実際に見た夢のこと、自動記述などの「夢のレシピ」、擬似学術論文や創作した手紙、物語や劇の断片の「魔女のテクスト」、バロ自身によるバロ展「イメージの実験室」、インタビューや書簡を集めた「地球の想い出」、バロ自身の生い立ちやレオノーラ・キャリントンとの交友を綴る訳者・野中雅代による「メキシコの魔法の庭」の全5章。1999年のレメディオス・バロ展の開催記念として出版された本。

寓話的で幻想的な絵画の多いレメディオス・バロ。私が知ったのは、小森香折さんの「ニコルの塔」(感想)を読んだ時で、それでものすごく好きになっちゃったんですよね。レメディオス・バロ関係の本がどれも入手できなくて、洋書で画集を買ってしまったぐらい。ガルシア・マルケスの「百年の孤独」(感想)や、トンマーゾ・ランドルフィの「月ノ石」(感想)もバロの絵が表紙に使われていたし、サンリオ文庫版のトマス・ピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」もそうみたい。

この本に収録されているバロの絵は全て白黒なので、作品自体は画集などで見るのがお勧めなんですが、バロ自身による作品解説があるのがとても興味深いんです。それに楽しそうなお遊びも色々と。全体的には、正直あまり文才があるようには感じられないんですが(失礼)、それでもバロの絵の1枚1枚の背後に確かに存在する物語を感じることができるような1冊。バロの自由な精神とその遊び心、どこか抑圧された不安定さ、などなど。
面白かったのは、「エロティックな夢をかきたてるレシピ」。これはブルトンを中心にパリのシュールレアリストたちがよくしたというゲームで、社会の常識をブラック・ユーモアで覆し、同時に想像力を解放するというものなのだそう。バロはメキシコに行った後もレオノーラ・キャリントンらの友人とこのゲームをしているんですね。この「エロティックな夢をかきたてるレシピ」もその1つ。本当の料理本のように、まことしやかに作り上げられたレシピは、時にブラックユーモアを交えながらも明るい遊び心たっぷり。
親友だったというレオノーラ・キャリントンのことにも頻繁に触れられていました。彼女もシュールレアリストの画家。「耳ラッパ」「恐怖の館」などが刊行されてるので、こちらも近いうちに読むつもり。


バロの絵が表紙になってる本を集めるとこんな感じ。右2冊は洋書で、私が持ってるのは右から2番目。

    

アマゾンの和書ではバロの本は2冊しか見つからなかったんですけど、そのうちの1冊が今回読んだ「夢魔のレシピ」で、もう1冊はリブロポートから出ている「予期せぬさすらい」。これが私の持っている「Remedios Varo: Unexpected Journey」の日本語訳みたいです。(工作舎)

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デビーは2年前に両親を亡くし、祖父に引き取られた少女。おじいさんのルーベン・ワインストックは世界一のピアノの調律師で、デビーもピアノの調律師になりたいと思っていました。しかしデビーのおじいさんは、デビーに世界一のピアニストになって欲しいと考えていたのです...

なぜおじいさんはそこまでピアニストに拘ってたのかな? 調律の仕事をしてるからピアノはとても身近な存在だし、地味な調律の仕事に比べて、ピアニストは華やかなイメージがあるんでしょうけど... おじいさんには調律の仕事の大変さがよく分かってるからこそだとしても、ピアニストには調律師以上に浮き沈みが激しくて大変な苦労が待ってると思うんですが。もしかしたらおじいさん自身が昔ピアニストに憧れてたのかな? 調律師になりたがるデビーにおじいさんは苦い顔。
でもデビーにとっては、ピアノを弾くことよりも、おじいさんのやってる調律の仕事の方がずっと魅力的。そりゃそうですよねえ。世界一の調律師のそばで、ずっとその仕事ぶりを見てるんですもん。私もピアノを調律してるのを見るのは大好き。子供の頃から、家のピアノの調律を飽きずに眺めてましたよ。なかなか時間が合わなくて見る機会はないのだけど、1年に1度は調律しなきゃいけないですしね。普段は隠されてるピアノの中を見られるというのもわくわくしたし、どんどん音が整っていくのもまるで魔法の技みたい。
もしかしたら、デビーにはまだ花開いてないピアノの才能があるのかもしれません。でもどんな才能があるとしても、「好きなこと」には負けますよね。「好きなこと=才能=仕事」なんて幸運な人は滅多にいないんだから、結局どれかを選ばなくちゃいけないわけで... そこで「好きなこと」を選べるというのは、ものすごく幸せなこと。

シンプルな絵もとても素敵。朝起きた2人が「フフフフーン」と今日の調子を確かめるのもいいな~。でも序盤で「今日は半音高いようだよ」なんて、既に調律師としての訓練が始まってるようにも見えるんですけど~。(笑)(すえもりブックス)

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昔々、ある国でのこと。郵便というものを始めてみたかった大臣は、王様に郵便や切手のことを説明します。すると王様が言ったのは「では、その切手の絵はわしが描いてみたい」... 絵が下手な王様にそんなことはさせられないと、大臣は国でたった1人の絵描きのペンタに切手の絵を描くよう命じます。

sa-ki さんに教えていただいた本~。
ペンタが描いたのは、「卵売りの少女」「キン・ジロー」「親指ボーイ」「赤リボン」など全部で23種類の絵。全ておとぎ話とか、よく知られている偉人の話から題材を取っていて、しかも西洋の物語は和風に、日本の物語は洋風に描いてるんです。左手には雀、右手には和鋏を握り締めたおばあさんは、赤いリボンのついた白い帽子に赤いパフスリーブのブラウス、緑のプリーツスカート、赤と白のエプロンという可愛らしい姿だったり、短い着物に赤いちゃんちゃんこ、そして赤い大きなリボンをつけた「赤リボン」ちゃんとか。こんな風に洋風と和風をひっくり返すだけでも、随分面白くなるものなんですね。
そして最後の「ピーチ・ボーイ」の切手がものすごく素敵! 他のお話のはそれぞれ1つの図柄だけなんですけど、これは5枚セットだし絵も一段と凝っていて、本当に切手を作ったのかしら、というぐらいリアルな切手の絵物語となっています。どれも「異国風」という言葉がぴったり来るような絵柄。桃太郎が出てきた生まれた場面はまるでキリスト生誕の場面だし... 見てたら、私が子供の頃から大切にしてる岩波少年文庫の「せむしの小馬」の挿絵を思い出しました。ということはロシア風なのかしら?
本の最後にはふるさと切手シリーズのために安野光雅さんが実際に描いた萩・津和野の切手が貼られていて、上からパラフィン紙が... なんだか検印があった時代の古い本みたいで、そういう趣向もすごく素敵です。(岩崎書店)

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夏も終わったある日。るるこはおねえさんと一緒に隣町のおばさんのところに遊びに行くことになります。その時るるこがかぶろうとしたのは、大好きなむぎわらぼうし。でもおねえさんは、もう夏も終わったし、そんなむぎわらぼうしをかぶって行くなら、るるこのことは連れていかない、と言うのです。

もろりんさんに教えていただいた絵本。伊勢英子さんも竹下文子さんも大好きなのに、特に伊勢英子さんの本は全部読みたいと思っていたのに、なんとなくしばらく遠ざかってしまっていて、読むのは久しぶりです。
今は夏といえば暑いというだけで、早く秋になってくれないかなーなんて思ってるだけなんですが、子供の頃の夏のわくわくを思い出すようなお話でした。そして夏の終わりの時のあの微妙な感じも。そうそう、夏の終わりを感じる頃って、なんだか物寂しくなるんですよね。帽子もなんだけど、夏服が仕舞われてしまうのを見るのがなんだか寂しくて。特に子供の頃って毎年のように成長するから、お気に入りだった服もどんどん着られなくなっちゃうし。
そしてこの本では、いつもの伊勢英子さんの絵とはタッチが少し違うと聞いてたんですが、ほんとに違う! びっくりしながら読んでいたら、そこにいきなり目の前に現れた夏の海。お日さまの陽射しが眩しくて、波や水しぶきがきらきら光ってる、まさに夏の海。ああ、やっぱり伊勢英子さんの絵は素敵だなあ。(講談社)


+既読の竹下文子作品の感想+
「風町通信」竹下文子
「木苺通信」竹下文子
「星とトランペット」竹下文子
「窓のそばで」「星占師のいた街」竹下文子
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ

+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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アイルランド系の詩人・ウィリアム・アリンガムによる詩に、これまたアイルランド系の画家一族に生まれた「妖精国の宮廷絵師」と呼ばれるリチャード・ドイルの絵が添えられた絵本。原書は、イギリスの有名な木版印刷師・エドマンド・エヴァンスが手がけた数々の絵本のうちでも最高傑作とされる豪華本なのだそうです。それが文庫本になってしまうというのが驚きなんですが、このちくま文庫版は絵もカラーだし、小さいながらも美しい本となっています。

詩の方は「夜明け」「昼まえ」「昼のおふれ」「暮れ方近く」「日は暮れて」という5幕の芝居仕立て。妖精の姫君が妖精国の掟によって次の満月には結婚しなければならないというのに、お姫さまは3人の求婚者たちが全然気に入らなくて... という物語詩です。矢川澄子さん訳。でもね、詩そのものはとても可愛らしいんですけど、その合間合間に直接その場面と関係のないイラストと説明文が挟まれてるので、ちょっと分かりづらいんですよね...。原書でもこんな構成だったのかしら。日本語に訳す時にどうにかならなかったのかしら。
ちなみにイラストを描いているリチャード・ドイルの甥があのシャーロック・ホームズシリーズのコナン・ドイルなんですって。コナン・ドイルが画家一族に生まれてたなんて、知らなかったです。(ちくま文庫)

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春分の日、夏至の日、秋分の日、冬至の日。広場の時計の長い針と短い針が重なった時、路線番号59番という、時刻表にない一輌だけの路面電車(トラム)がやってきます。ヨーコはそのトラムに乗って、見知らぬ街へと行くのです。

風待屋のsa-ki さんに教えて頂いた絵本です。いやあ、噂に違わず素敵でした!
昼と夜が同じ長さになる日、昼が一年で一番長くなる日、そして一番短くなる日。時刻は時計の長い針と短い針が重なる時。そんな条件が揃った時にだけやって来るトラムに乗ると行ける街。...これだけでもファンタジー心をくすぐってくれるのに、物語にはちょっとした仕掛けがあって、それがまたいいんですよねえ。うわーん、このトラムに乗ってみたい。うちの街にあればいいのに...。(うちの街には、ちょっと似合わないんだけど)
そして北見葉胡さんの絵もこの雰囲気にぴったり。特に好きなのは、占い師が展望台で大きな望遠鏡を覗いて星のお告げをする場面の絵かな。北見葉胡さんとこの物語のヨーコは、奇しくも「ヨーコ」さん繋がりなんですけど、もしかして北見葉胡さんがこの作品の「ヨーコ」のイメージとなっていたりするのかしら?(理論社)


+既読の天沼春樹作品の感想+
「ALICETOPIA(アリストピア)」天沼春樹・大竹茂夫
「リトル・レトロ・トラム」天沼春樹・北見葉胡

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冬の夜更け、みんなが寝静まった頃に父さんと2人でみみずく探しに出かけた女の子。2人は凍った雪の上をしゃりしゃりと音を立てながらも、黙って歩き続けます。みみずくに会いに行く時は、静かにしていなくちゃいけないのです。

大好きなジェイン・ヨーレンの絵本ということで、ずっと読みたいと思っていたのに、機会がなくて随分時間が経ってしまいました。これも先日柳田邦男さんの「砂漠でみつけた一冊の絵本」に載っていた絵本。(感想) しーんと静かな雪の中を森に向かって歩いていく2人。その静けさがとても印象的な絵本。日本語の文章もとても詩的に訳されていて、叙情的なジェイン・ヨーレンの美しさがよく出ているかと。そして、森の中で出会ったみみずくの目に、ものすごくインパクトがありました。本当に自分がみみずくに出会ったみたいな気分。ドキドキ。

そしてせっかくジェイン・ヨーレンの絵本を読むのだからと、ずっと気になっていたきょうりゅうの2冊も一緒に借りてきました。こちらは打って変わって、とっても元気。寝る前の子供たち、かぜをひいてしまった子供たちがすっかりきょうりゅうの姿になってしまって、なんて可愛い! 元気すぎるほどやんちゃな子供たちに、このきょうりゅうという姿はなんてぴったりなんでしょう。きっとジェイン・ヨーレンのお子さんたちやお孫さんたちも、こんな風に元気いっぱいなんでしょうね。愛情たっぷりで心がほわっと温かくなるような絵本です。マーク・ティーグによるきょうりゅうの絵も可愛いです~。(偕成社)


+既読のジェイン・ヨーレン作品の感想+
「夢織り女」ジェイン・ヨーレン
「水晶の涙」ジェイン・ヨーレン
「三つの魔法」ジェイン・ヨーレン
「光と闇の姉妹」「白い女神」ジェイン・ヨーレン
「月夜のみみずく」ジェイン・ヨーレン ショーエンヘール

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1913年、フランスのプロヴァンス地方の山深い地方を旅していた「わたし」は、荒地に水を求めて歩き回っていた時に1人の羊飼いの男に出会います。一番近い村まででも歩いて1日半はかかるという辺鄙な場所に、その男はたった1人で暮らしていました。その晩、その男の家に泊まることになった「わたし」は、質素ながらも心やすまるもてなしを受け、男が100粒の完璧などんぐりをより分けるを眺めることに。そのどんぐりは、山の中に植えるためのもの。男は3年前からこの不毛の地に木を植え続けているというのです。

これも先日柳田邦男さんの「砂漠でみつけた一冊の絵本」を読んだ時に載ってたんですが(感想)、むしろ去年読んだ「須賀敦子全集」の7巻を読んだ時に興味を持った本。(感想)須賀さんがイタリア人の友人に宮沢賢治の話をしたのがきっかけで、教えてもらったという物語が絵本になってました。これはジャン・ジオノ原作でフレデリック・バックの絵なんですけど、映像化もされているようですね。(右) フレデリック・バックという人はカナダのアニメーション作家なのだそう。高畑勲さんが「木を植えた男を読む」なんて本も出してました。
それにこの本、絵本だけじゃなくて単行本もあったみたい... そっちを読めば良かったかな? でも単行本も52ページという薄いもののようだし、こちらは絵本は絵本でもものすごく字が多かったので、それほど変わらないのかも。となると、絵がある方が楽しいですが。(笑)

賢者のような佇まいで、何の見返りも求めず、誰にも知られないままに、黙々と木を植え続ける男。彼にとっては世の中の移り変わりも戦争も何の影響を及ぼすことないのです。何も知らない周囲の人間たちが好き勝手なことを言っているのが、とても滑稽。でも世の中、こんなものなのかも。最初の頃の茶色とグレーだけの地味だった絵が、後半、虹のような美しい色彩に変わっていきます。(あすなろ書房)

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乾千恵さんの書の絵本。先日、柳田邦男さんの「砂漠でみつけた一冊の絵本」(感想)を読んだ時に読みたくなった本です。乾千恵さんの書に、谷川俊太郎さんの言葉と、川島敏生さんの写真をつけたもの。

これはまず乾千恵さんの書ありきなんですが、この書がとてもいいんです。何ともいえない味があって。収められている字は「扉」「猫」「風」「音」「馬」「影」「水」「石」「火」「山」「蟻」「月」「人」の13文字。ひらがなやカタカナみたいな表音文字と違って、漢字の場合は元々それ自体で意味を表す表意文字なわけですが、それ以上に雄弁にその字が何を表しているのか語っているよう。動きのあるものと静かなもの、大きいものと小さいもの。目に見えるものと見ないもの。
そして、その字に添えられた写真と言葉がまたいいんですよねえ。3人のパワーがぶつかり合って、生きている生々しさとでも言えそうなものがふきだしていて、それでいて、すごくバランスが取れてるという印象。どれもいいんだけど、特に気に入ったのは「扉」と「山」、そして「人」。「砂漠でみつけた一冊の絵本」でも紹介されていたのだけど、特に「人」のところで、乾さんが書を書いてる後ろ姿を使ったところはやっぱり凄いと思う... しかも白黒で。そしてここに添えられているのは、「もじに ひそむ ひとの こころ」。
形態としては絵本だし、図書館でも絵本のところに並べられているんですけど、むしろ画集? こういうのもいいなあ。飽きずに何度も眺めてしまいます。(福音館書店)

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幼い頃にアラビア人の乳母から聞いたジンの妖精の物語に憧れ続け、とうとう海を渡ってしまったフランスの裕福な貴族の息子・アズール。しかし、ようやく乳母が教えてくれた言葉を話す地にたどりついたというのに、そこでは青い瞳は呪われているとされており、アズールの青い目を見るとみんな逃げたり、石を投げつけてくるのです。アズールは仕方なく目を閉じて盲人のふりをして旅を続けることにし、やがて乳母のジェナヌと、兄弟のように育った乳母の子アスマールに再会することに。

イスラム繋がりで、「空とぶじゅうたん」と一緒に読んだんですけど... これって去年の夏に映画が公開されてた作品だったんですねー。(右がそのDVD) アマゾンによれば、「フランスアニメーション界の鬼才、ミッシェル・オスロ監督最新作! 『キリクと魔女』で、フランスアニメーション界最大のヒットを記録した、ミッシェル・オスロ監督の最新作『アズールとアスマール』。本作は2006年にフランスで公開され、『キリクと魔女』を超える160万人を動員する大ヒットを記録」だそう。いやー、アニメにはあまり興味ないので...。(汗)
表紙の絵に惹かれたんですが、中身の人物は目が怖い...。やっぱりいかにもCGって感じの人物の絵は苦手です。でもそこここに描かれている文様はとても素敵。アラビアの場面だけでなく、アズールのフランスの場面も。それだけでも、見た甲斐がありました。あと、表紙の絵も青が綺麗なんですけど、途中、夜に青く浮かび上がる町の情景もとても綺麗なんです。人物は影絵のように黒くなっていて、そういうのも好み。同じく闇の洞窟の場面も綺麗だったなあ。(徳間書店)

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じゅうたんを織るのが大好きな4人姉妹。おばあさんの焼いた熱々のチーズパイと、一番上のお姉さんの入れたチャイを飲みながらの休憩時間に話をねだられたおばあさんは、じゅうたんを織るのがとても上手だったイップという美しい娘と羊飼いのハッサンの話を物語ります...という「糸は翼になって」他、全5編。

旅の伴侶であり、話をつむぎ出す「糸口」そのものだったという絨毯。元々は遊牧民が生み出して、天幕の中に敷くのはもちろん、天幕の扉にしたり、塩や小麦粉を入れる袋にしたり、赤ちゃんをくるんだりと、日常の様々な用途に使っていたもの。その後、トルコやペルシャに広まると、テーブル掛けとして使ったり、絵のように壁にかけられるようにもなります。簡単に持ち運べる大切な財産でもあり、旅の途中で休憩する時にはさっと敷ける便利な敷物。小さいサイズの絨毯は、日に5回のイスラムの礼拝には欠かせないもの。そんな風に日常の生活に欠かせない絨毯にまつわる言い伝えを、新藤悦子さんが物語として織り上げ、こみねゆらさんの絵を添えた絵物語集です。
それぞれにアラビアンナイトの話の1つと言われたらそう思い込んでしまいそうな、雰囲気たっぷりの物語。これはトルコやイランを旅したり滞在したりして、実際にトルコで現地のおばあさんと絨毯を織ったこともあるという新藤悦子さんだからこそ書ける物語かもしれないですね。絵本なので、どうしてもそれぞれの話が短いのが難点なんだけど... もっとじっくり読みたかった。私が物語として一番惹かれたのは、2の方に収められている「ざくろの恋」で、これはアフガニスタンの内戦から逃げようと西の国境に向かって歩いていたハーシムが、いつの間にか砂漠に迷い込んでしまい、人気のない廃墟で白いターバンを巻いた少年に出会う話。時空を越えた素敵な物語です。でも、歌を歌うと恋心が糸となって出てくる「糸は翼になって」や、知らない男に嫁がされる哀しみを描いた「消えたシャフメーラン」なんかも素敵。そしてこみねゆらさんによる絵が素晴らしい! エキゾティックな雰囲気がたっぷりだし、それぞれの物語にはトルコのヤージュベディル絨毯、クルド絨毯、イランのムード絨毯、トルクメン絨毯、イスファハン絨毯といった、地方や部族ごとに代々伝わる美しい手織りの絨毯の細密な絵が紹介されいて、それがまた素敵なのです。殊にそれまで赤系がメインだった絨毯の中、最後に登場した青いイスファハン絨毯の美しいことといったら。このイスファハン絨毯は、イランの絨毯の中でも最も美しい絹製の絨毯なのだそう。実物を見てみたいし、触ってみたいなあ。本そのものもとても素敵で、ぜひ手元に置いておきたくなっちゃいます。(ブッキング)


+既読の新藤悦子作品の感想+
「空とぶじゅうたん」1・2 新藤悦子・こみねゆら
「青いチューリップ」「青いチューリップ、永遠に」新藤悦子
「エツコとハリメ」新藤悦子
「トルコ 風の旅」「イスタンブールの目」新藤悦子
「時をわたるキャラバン」新藤悦子
「羊飼いの口笛が聴こえる」新藤悦子
「チャドルの下から見たホメイニの国」新藤悦子

+既読のこみねゆら関連作品の感想+
「妖精王の月」「歌う石」「ドルイドの歌」O.R.メリング
「夏の王」「光をはこぶ娘」O.R.メリング
「夢の書」上下 O.R.メリング
「空とぶじゅうたん」1・2 新藤悦子・こみねゆら
「こもれび村のあんぺい先生」「にこりん村のふしぎな郵便 」「トチノキ村の雑貨屋さん」「ゆうすげ村の小さな旅館」茂市久美子
「風の誘い」茂市久美子
「仏蘭西おもちゃ箱」こみねゆら

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新しくチェロ教室に入ってきた女の子は、ぼくよりもずっと難しい曲をペラペラと弾くのに、なんだか怒ってるみたい。でも帰り道に公園でまた会った2人は草の上に座って一緒にチェロを弾き、大通りでチェロを持った人々が同じ方に歩いていくのを見て、一緒について行ってみることに... という「1000の風 1000のチェロ」。そして、夜明けから夕暮れまでの様々な時の、そして様々な色や形をした雲を集めた「雲のてんらん会」。

「1000の風 1000のチェロ」は、大震災復興支援コンサートのことをモチーフにした絵本。ここに出てくる女の子は、神戸で震災の被災者。そして「ぼく」の方は、飼っていた犬のグレイを亡くして、その代わりにお父さんが買ってくれたチェロを始めた男の子。今日って1月17日だったんですね。これを昨日図書館で借りてきたのは、そして今朝これを読んでいたのは、それに合わせたわけじゃないんですけど... むしろ思い出してたら借りてこなかっただろうと思うのだけど... あの記憶は私にとっては今も生々しいのだけど、それでも、こんな風に震災関係の本が読めるようになったんだなあ、私。
「雲のてんらん会」は、様々な雲を集めた、まさに雲の展覧会。伊勢英子さんが雲がお好きで、いつか雲の絵本を作りたい思ってらしたというのは、確か「グレイが待ってるから」(感想)で読んだのだけど、それがこういう形になったのかあ。私も空を見上げるのは大好き。朝焼けに燃えている空も、お昼間の空にぽっかりと浮かぶ白い雲も、お天気の悪い日の今にも落ちてきそうなどんよりとした色の空も、そして夕闇の迫る空の微妙な色合いも。私の場合はどちらかというと、雲が好きというよりも空の色合いを追うのが好きなのだけど。ここに収められた絵も、添えられた文章もとても美しいです。何時間でもぼーっと眺めていられそう。ただ、せっかくの文章なのに、フォントがね... もう少し違うものだったら良かったのに。もっと柔らかい、たとえば雲のような風のようなイメージのフォントはなかったのかな。フォントは同じでも、せめて太文字でなければ。それだけが少し残念。(偕成社・講談社)


+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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下にも書いたアリス部のおかげで、ちょっぴりアンテナが広がってる... かもしれない(笑)今日この頃。本家のアリスを読もうかなあと思いつつ、図書館でこの本が目についたので借りてきてしまいました。いや、もうすっかりこの表紙に呼ばれてしまって。奥付を見てみたら、やっぱりというか何というか、出版社はパロル舎。独特の色使いがとても綺麗~。この独特なシュールな感じが堪らない~。(半魚人みたいな登場人物がいっぱいなんです) 調べてみたら、大竹茂夫さんには、こんな本(下の画像、左2つ)もあるようです。「タロット」というのが気になるなあ。...あ、どこかで見た絵だと思ったら、森博嗣さんの「工学部・水柿助教授」の表紙も描いてらっしゃる方だったのか!(下の画像、右の2つ)
ここには画像を出せませんが、「アリストピア」では「赤の王様」「天体の運行について」の絵が特に好き♪

   


そしてジョン・テニエルの絵やディズニーの絵が圧倒的に有名なアリスの世界なんですが、意外と多いんですよね、それ以外のアリスの本というのも。しかもそれがまたそれぞれの世界を作っていて面白いなーと思います。案外懐が深いアリス。(笑)

        

アマゾンで画像が表示されてるものを適当に拾ってきたんですけど、これ以外にもいっぱい! 以前私もブログで感想を書いたことのあるラッカムをはじめ(記事)、トーベ・ヤンソンの絵の本があるなんてびっくりだったし、ヤン・シュヴァンクマイエルや金子國義さんや山本容子さん! 色々あるものですねえ。画像が載ってなかった本にも面白いのがいっぱいあるんだろうな。あ、アリスが好きな方は、こんなページも見てみてねっ。
ええと、今回は絵の話ばかりになってしまいましたが... しかも肝心の本の中身に触れてないし... 天沼春樹さんのアリスの話の方も面白いです。なんせ最初のページで、アリスは地下鉄の中で本を読んでるんですから。こういうのもアリなのね。(笑)(パロル舎)


+既読の天沼春樹作品の感想+
「ALICETOPIA(アリストピア)」天沼春樹・大竹茂夫
「リトル・レトロ・トラム」天沼春樹・北見葉胡

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何度も読みすぎてばらばらになってしまった植物図鑑を直してくれるというルリユールおじさんを探す女の子の物語「ルリユールおじさん」と、様々な場所を旅しては、様々な風景を切り取ってくる「絵描き」の2冊。

いせひでこさんの絵は水彩画。好きな絵といえば、基本的に抽象画だったりする私なんですが、こういう絵はものすごく好き! 「ルリユールおじさん」を読んだあと、思わず「絵描き」の方も手に取ってしまったほどです。色使いがとても素敵で、特に青がとっても綺麗。「ルリユールおじさん」で女の子の着ている青い服、おじさんの着ている群青色のセーター、「絵描き」の中の、昼や夜や夕暮れ時の様々な空の青、海の青。もちろん青以外の色も沢山あるのだけど、それらの色によって一層青が引き立ってるような気がします。
そして私が一番惹かれるたのは、「ルリュールおじさん」の職人さんの「手」。子供の頃から「職人の技」が大好きで、デパートの催し物会場で伝統工芸の実演販売なんかをしていると、思わず見入ってしまう習性があった私。自分でも色々と手を出したことはあるんですが、「ルリユールおじさん」で描かれているのは、その中でも憧れ度の特に高い本作りの職人さんでした。「ルリユール」って、フランス語で「製本屋」という意味なんです。図書館では本の簡単な修理の仕事をすることも結構多くて、それが実はひそかに嬉しかったりするんですが、そんな私に「ルリユールおじさん」はもうツボど真ん中。本を読むのももちろん好きなんですが、本そのものも大好き。以前にも豆本講座には行ったことがあるんですけど、ああ、こんなのを読んでしまったら、本格的に製本の勉強をしたくなってきちゃうなあ。ルリュールおじさんの、木のこぶのような節くれだった手がとっても素敵。
そして「絵描き」の方は、いせひでこさんご自身が「絵描き」さんだけあって、また違った意味で伝わってくるものがある1冊でした。こんな風に風景を切り取っていくんですね。ああ、素敵だなあ。いいなあ。ゴッホだなあ。

「ルリユール」には、「もう一度つなげる」という意味もあるのだそう。そして「絵描き」の方には、「きのうときょうはつながっている」という言葉が。昨日から今日へ、今日から明日へ。どちらの本も時がゆったりと流れていきます。(理論社)


+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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フランスの商業美術家・ジャン・マルク・コテが、1900年に開催されるパリ万博に向けて請け負ったのは、丁度100年後、西暦2000年の生活を描いたシガレットカードの製作の仕事。そのカードは、結局発注した玩具メーカーの操業停止によって、配布されないまま埋もれてしまうことになるのですが、そのまま残っていた1組のカードが100年後、SF作家のアイザック・アシモフによって蘇ることになります。

先日の第39回たらいまわし企画「夢見る機械たち」の時に、日常&読んだ本logのつなさんが挙げてらした本。(記事) 古いイラストを見るのは大好きなので、眺めてるだけでも楽しい本でした~。つなさんからも伺ってたんですけど、ほんと飛ぶものが多くてびっくり。全部で50枚のカードが紹介されてるんですが、そのうち何らかの形で人間が飛ぶ機械を描いているのは全部で18枚あるんです。空を飛ぶことにこだわらず、人間が移動する手段としての機械を合わせると、半数を超えてしまって、この当時そちら方面への期待が大きかったのがすごく良く分かります。その後、2つの世界大戦を経てかなり進歩してしまった分野なので、ほんの2~3人しか乗れない飛行機や、人間がイカロスみたいに羽(動力装置付き)を装着して飛行している絵に、この頃はこの程度の発想だったのかあ、とちょっと微笑ましくもなるんですけどね。でも、飛行機野郎がカフェでドライブスルーしてたりするし! それに羽を付けた消防士が消火活動をしたり、建物の上の階にいる人間を救出してるのは、いいかもしれないなあ。...とは言っても、アシモフは「勢いよく羽ばたけば、火元を煽ることになって、火の勢いがますます強くなるのではないだろうか」と書いてるし、どうやってポンプで水をそこまで吸い上げるかなどの問題を指摘していて、確かにあまり現実的ではないのだけど。(笑)
私が一番楽しめたのは、これまた意外と多かった海中の絵かな。潜水帽をかぶって海底を散歩したり、水中ハンティングをしたり、時にはゲートボールをしたり(笑)、魚に乗ってのレースを楽しんだり。鯨のバスや、1人のりタツノオトシゴまで登場。アシモフが指摘するまでもなく、羽で空を飛ぶ以上に現実味が薄い分野なんだけど(笑)、「海底二万里」みたいで夢があって好きです♪

アシモフのコメントはちょっぴり辛口なんですが... こういうのって、実際に実現してるようなカードがいっぱいあったら、「へええ、すごいな」と感心はしても、結局のところ感心止まりだと思うんですよね。現実からは少しズレてるからこそ楽しめる部分って、実はとても大きいのではないかと。一昔前のSF黄金期(と書いてる私自身はよく知らないのだけど)によくあったような未来都市の予想図(たとえばドラえもんの元々いた未来とか)とはまた違う発想がここにはあって、この素朴さがすごく好きです。(パーソナル・メディア)

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先日、「ザスーラ」のDVDを観たんです。これが結構面白くて(アマゾンのカスタマーレビューでは星1つでしたが!)、でも基本的な話は以前観た「ジュマンジ」と一緒なんですよね。「ジュマンジ」は、子供たちがゲームを始めた途端に家がジャングル状態になってしまう話で、「ザスーラ」は、その宇宙版。どういう関係なんだろう? 二番煎じ? なんて思っていたら、どちらもクリス・ヴァン・オールズバーグの絵本が原作だということが判明。早速図書館で借りてきました。

「ジュマンジ」の絵本が描かれて約20年後に「ザスーラ」が描かれたのだそう。実は話が続き物になっててびっくり。でも絵本になると、やっぱりかなりあっさりしてしまうものですね。そんなものかもしれないけど... というか、このぐらいの長さの話を膨らませる方が、映画を作るには向いてるのかもしれないですけど。少なくとも、長編小説を映画化するために、設定を色々変えて、しかも「あのシーンもない、このシーンもない」なんて言われちゃうよりも、作る人にとっては作りやすいかも? 映画のシナリオって、実際、びっくりするほど短かったりしますし。

それでもやっぱり、この絵本からあんな映画を作っちゃったのかというのが驚きです。特に「ジュマンジ」はスゴイです! あれは、迫力。私にとっては、ほとんどホラー映画状態。あまりに迫力だったので、最後までちゃんと観たのか定かではないほどですし... 結末とか全然覚えてないので、今度また借りてこなくっちゃ。そして、「ザスーラ」の方は、確かに「ジュマンジ」の二番煎じだし、「ジュマンジの方が映画として格上だった気もするんですが、お子様な私には、こちらも十分面白かったです。絵本よりも映画の方が、いがみ合ってる兄弟の気持ちが通じ合っていく過程が丁寧に描かれていたし、絵本よりも映画の方が好みだったかも。って、映像化にほとんど興味のない私にしては、ちょっと珍しい感想かも。でも絵本に出来ること、映画にできること、それぞれの特性がよく分かるような、映画とその原作でした。(ほるぷ出版)

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どちらも寺田順三さんの手がけた本。寺田順三さんの絵は、ノスタルジックな柔らかい色調がとても素敵なんです。「本の本」は、「架空の絵本のエディトリアルデザイン集」で、以前読んだ時にすごく素敵だったので自分でも購入したんですけど、「タビの雑貨屋」は今回初めて。掲示板で彩水仙さんに教えて頂いて、早速読んでみました。

「タビの雑貨屋」は、雑貨屋に住むタビというネズミの物語。お店が閉店したら、タビの時間。掃除をしたり、商品を動かしたりと、たくさん売れるようにするのがタビの仕事。でも、いつまで経っても売れない犬のぬいぐるみがあるんです。夏には浮き輪をつけてみたり、クリスマス前には赤い帽子をかぶせてみたりするけどダメ。でも、そうこうするうちに、だんだんそのぬいぐるみに愛着が湧いてくるんですね。そんなある日気づいたら、犬のぬいぐるみがいない! 売れてしまった...? 売れるために色々したけど、いざいなくなると淋しくなってしまう、そんなタビの物語。
こちらも柔らかい色調がとても綺麗だし、何といってもネズミのタビが可愛い~。雑貨屋さんの雑貨屋さんもフランス風でとってもお洒落。「本の本」は、大人向けの本だけど、こちらは子供も一緒になって楽しめそうな絵本です。でもやっぱりこういう本を子供に独占させちゃうのは勿体ないですね。図書館で借りてきたんだけど、これも手元に欲しくなってしまいます。

寺田順三さんのサイトはコチラ。大阪にお店があって、行ってみたいと思いつつ未だに行けてない私。今度こそ、時間を作らねばー! そして、最近では小川洋子さんの「ミーナの行進」も手がけてらしたんですね。知らなかった。今度ちゃんと手に取って見てみようっと。(学習研究社・ワールドコム)


+既読の寺田順三作品の感想+
「本の本」横山犬男・寺田順三
「タビの雑貨屋」「本の本」寺田順三

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激しい嵐のために軌道から大きくそれた熱気球は、尖塔の建ち並ぶ大きな街に下りていきます。そこは「ぼく」が生まれ育ったプラハの街。「ぼく」の家も、記憶のまま。でも3つの錆びた南京錠がかかっており、その鍵を持っていないので入れないのです。「ぼく」は鍵を探しに、人気のない街を歩き始めます。道案内をするのは、わが家の黒猫。そしてまず訪れたのは図書館...。

先日のたらいまわしで、picoさんが挙げてらした本。(記事) これは第32回「ねこ・ネコ・猫の本」と第34回「行ってみたいあの場所へ~魅惑の舞台」ですね。作者のピーター・シスの生まれ育った町・プラハは、中世の面影を今も色濃く残す街。ピーター少年が猫と共に懐かしい街をさまよい、プラハにまつわる伝説を読み進めながら、金の鍵を手に入れていくという物語。
石畳の街は迷路になっていたり、人間の顔のようなものや幻想的な動物が浮き上がっていたり。少年が訪れる図書館では、図書館員は全身本で出来ていたり、本の中から色んな人物が現れてきたり。ちょっぴり、いや、かなり異様な雰囲気... 全編が薄闇に覆われているようで、これは逢魔ヶ刻って感じですね。子供よりも大人が楽しめるであろう絵本。幻想的で美しいんですけど、でもそれは怖さと紙一重。「子供が読んだら悪夢をみてしまうかも」ってpicoさんが仰ってますが、確かにそうかも。凄いです、一気にプラハに魂が飛ばされてしまいました。(笑)
この作品の中で語られる3つの伝説とは、プラハの有名なカレル橋にまつわる、獅子を従えた騎士の伝説「ブルンツヴィーク」、ユダヤ人の指導者だったラビ・レーフが、ユダヤ人の夢と涙で作り上げた人造人間の伝説「ゴーレム」、そして地元ではオルロイと呼ばれるプラハの魔法のように美しく、信じられないほど精巧な天文時計を作ったに親方の伝説「ハヌシュ」。こういう伝説ももっと読んでみたくなりました。「ゴーレム」といえば、やっぱりグスタフ・マイリンク? あまりよく知らないんですが、怖そうです。でも今度探してみようと思います。あと洋書ですが、右の絵本もいいかも♪ 「ブルンツヴィーク」と「ハヌシュ」に関しても、何かいい作品があったら読んでみたいな。
...プラハの天文時計に関してはWikipediaに記事がありました... コチラ。これは実物が見てみたい!!(BL出版)

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木の写真集。取り上げられているのは、シラカバ、ナナカマド、トネリコ、ハリエニシダ、ハンノキ、ヤナギ、サンザシ、ロイヤル・オーク、ヒース、ヒイラギ、ハシバミ、リンゴ、ポプラ、キヅタ、エニシダ、リンボク、ニワトコ、イチイ、マツ、ブナの20種類。生育場所や性質など木そのものの説明はもちろんのこと、オガム・アルファベットでの表記方法とその意味、神話や伝説での姿、その象徴性、伝統的な利用方法、現代の利用方法、薬効などが、美しい写真と共に説明されています。

北欧神話の世界樹ユグドラシルはトネリコだけど、ケルトのシャーマニズムではシラカバが宇宙樹だとか、でもケルト人にとってトネリコはは宇宙の真理の守護者で、ドルイドの杖に使われていたとか、全ての木の中で最も神聖なのはオークであり、アーサー王の円卓やマーリンの杖はオークだったとか、オークにヤドリギが宿るといよいよ神聖になるとか、ギリシャ・ケルト・北欧神話でリンゴは不死の象徴で、永遠の命を約束するものだとか、世界で最初の本は薄く切ったブナの木に文字を書いて束ねたもので、アングロ=サクソン語のブナ"boc"が"book"の語源だとか、そんなエピソードがいっぱい。植物図鑑のような説明だけではなく、様々な面からそれらの木々のことを紹介しているのが面白いです。
本の中に木の名前が出てくる時って、もちろん特に何の意味もない時もあるでしょうけど、何らかの意味が篭められてることが多いと思うんですよね。でも名前は知っててもどんな木か分からなかったり、普段身の回りではなかなか見られない木も結構あります。そんな木の写真集なので、写真を見てるだけでも楽しいです。(東京書籍)

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「森と大地の精」「海と草原の精」「空と風の精」「花と水の精」の4冊。以前、風待屋のsa-ki さんが、たらいまわし第8回「あなたが贈られたい(贈りたい)本はなんですか?」の時に挙げてらして、その時から気になってたんですよね。

北欧神話やケルト神話を中心に、主にヨーロッパの文化や生活に根付いている妖精たちを紹介していく本です。「森と大地の精」では洞窟・地中・森・荒野・丘・山に住む妖精、「海と草原の精」では草原・庭・家・川・海に住む妖精、「空と風の精」では天気・太陽・月・クリスマスにまつわる妖精、「花と水の精」では緑や水辺にまつわる妖精を紹介。どちらかといえば、前2冊は基本的な妖精の種類の紹介がほとんどで、物語などで有名な妖精は後2冊に登場するので(要するに分類しにくいんでしょう)、後2冊の方がとっつきやすいかもしれません。ワルキューレとかローレライとかね。アーサー王伝説に登場するモーガン・ル・フェイや、「夏の夜の夢」のオベロン王なんかも、後2冊で紹介されています。説明の文章には、その妖精にまつわるエピソードはもちろんのこと、外見や住みか、好きな食べ物、性質なども書かれていて、とても詳しくて読み応えがあります。そしてそれ以上に絵がものすご~く美しくて、眺めているだけでも楽しくなるような本なんです。

ヨーロッパが中心とは言っても、アジアの妖精も登場してきました。日本の妖精として紹介されていたのは、雷鳴の神とか風の神とか山の神、谷の神、あとカマドノカミとか鬼子母神、地蔵菩薩など。(笑) 中国のものには挿絵があったのに、日本のものにはなくて、ちょっと残念。どんな絵になるのか、見てみたかったな~。(文溪堂)

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5歳の一太郎は、身体が弱くて熱を出してばかり。両親は店の切り盛りで忙しく、お店にいる小僧さんたちも働くのに忙しく、毎日一太郎は離れの部屋で一人ぼっちで寝ています。そんなある日、ふと天井を見た一太郎が見つけたのは、天井の隅にいる小鬼たち。小鬼たちは、じきに沢山出てきて、楽しそうにぎゅいぎゅいと騒ぎ始めます。思わず一緒に遊ぼうと話しかける一太郎。そして一太郎は小鬼たちと鬼ごっこを始めることに。

若だんなのシリーズの絵本。一太郎と鳴家の出会いの物語。
本編と同じく柴田ゆうさんの絵なのでイメージもぴったりだし、もうそのまんま楽しむことができます。手代の佐助や仁吉の少年姿が見られるのも嬉しいし、一人ぼっちで寂しい一太郎が、鳴家の可愛らしさや楽しい雰囲気に和んでいく様子が、とてもほのぼのとしていて暖かいのです~。あんなに楽しそうに遊んじゃって、後で大丈夫なのかしら... なんてちょっとハラハラしながら読んでましたが、それだけのことはある出会いですね。こうやってあやかしに慰められていたからこそ、一太郎はそのまままっすぐ育って、今の若だんなになれたんじゃないかな、なんて思っちゃうほどの素敵な出会い。で、やっぱり鳴家って猫みたい。ものすごーく可愛かったです。この本は図書館で借りて読んだんですけど、やっぱり自分でも買っちゃおうかな♪(新潮社)


+シリーズ既読の感想+
「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「おまけのこ」
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「いっちばん」畠中恵

+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
Livreに「百万の手」の感想があります)

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ノノコが住んでいるのは、とっても古い家。床に丸い物を置くと転がるし、雨の日は天井から水が落ちてくるし、風が吹くと家がゆさゆさと揺れます。近所の子供たちからは「おばけやしき」と呼ばれていて、ノノコはおばけやしきに住んでいる「おばけ」だからって、誰もノノコと遊んでくれないのです。そんなある日、おじいちゃんが倒れ、ノノコはおじいちゃんの部屋にもぐりこむことに。

若竹七海さんの文章と杉田比呂美さんの絵による絵本。
おばけはおばけでも、親切なおばけになってみたら、というおじいさんの言葉を聞いて、親切なおばけになろうと頑張ったノノコの巻き起こす騒動をユーモラスに描いた物語。家が変わるだけでそんなに状況も変わるのかなあ、なんて思ったりもするんですけど... ノノコを見守るおじいさんの暖かいまなざしがいいですね。おじいさんの部屋が楽しそうで、私ものぞいてみたーい! それと、杉田比呂美さんの絵はやっぱり可愛いです。(光文社)


+既読の若竹七海作品の感想+
「猫島ハウスの騒動」若竹七海
「親切なおばけ」若竹七海・杉田比呂美
「バベル島」若竹七海
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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先日「アーサー王の剣」を読んだ時に、日常&読んだ本logのつなさんに教えて頂いた本。エロール・ル・カインの画集とされていますが、むしろムックと言った方が相応しいと思います。エロール・ル・カインの紹介と共に絵が沢山収録されていて、未訳の絵本の絵も見られるのが嬉しいところ。時には純粋に西洋風だったり、時には東洋風のエキゾチシズムたっぷりだったり、その絵柄は自由自在。日本的な絵も描いてるんですよー。日本では出されてないんですが、「竹取物語」にはもうびっくり。まさに日本で描かれた絵本に見えます。まるで弁慶みたいな男性が欄干を上ろうとしている絵なんかもありました。(笑) 中国のお話の絵本は、もう中国の絵としか言いようがないし...。タッチも色使いもまさに、です。シンガポールで生まれ、インドに育ち、その後英国に渡ることになったというエロール・ル・カインの中には、あまり芸術的な国境は存在しなかったのかもしれないですね。
ヨーロッパ的色調の濃いハリウッド映画を見て育ち、そこから様々な影響を受けたというエロール・ル・カイン。「ニールセンやデュラック、ピアズリーの作品を初めて見たとき、それに影響されるというより僕はこう感じました。これは僕の世界だ。前から知っていた世界だと。」「僕はいいところだけをかすめとるカササギみたいなものです」という言葉が印象的でした。その構図の上手さも映画仕込みなのでしょうか。どの作品にも濃やかな気配りがされていて、文章以上に絵の方が雄弁だと言えそうなほどなのがすごいです。しかもこのユーモアセンス、好き♪

折りたたみ部分に並べたのは、今回一緒に読んだ絵本。これだけ画像を並べると壮観~。「サー・オルフェオ」と「キューピッドとプシケー」だけは神話絡みなので独立した記事にしましたが、この辺りも民間伝承がメインですね。「キャベツ姫」だけは、文章も絵もエロール・ル・カイン。
今まで読んだ絵本の中で、私が一番好きなのは「おどる12人のおひめさま」! これはグリム童話です。この話は子供の頃から好きだったんですけど、エロール・ル・カインの絵がまたとても素敵なんです。どれか1冊だけ手元に置いておく絵本を選ぶとしたら、私はこの本を選ぶなあ。あ、でも「キューピッドとプシケー」も素敵だし... どれも捨てがたいですけどね。(ほるぷ出版)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」
 

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あまりのプシケーの美しさに、人々はプシケーに祈りを捧げるようになり、ヴィーナスの神殿はないがしろにされてしまいます。怒ったヴィーナスは息子のキューピッドに、プシケーをその身分に相応しくない恋の奴隷にするように言いつけるのですが...。

エロール・ル・カインの絵本が続きますが、これは打って変わって違うタッチ。全て白黒のモノトーンで、まるでピアズリーの絵を見ているようです。カラーの絵も綺麗ですけど、これも美しい...。モノトーンにはやっぱり独特の美しさがありますね。白黒写真には独特のニュアンスを感じるし、映画なんかでも、古い白黒の映画の女優さんの美しさには何とも言えないものがありますものね。
ギリシャ神話のエピソードとして有名ですが、出所は多分アプレイウスの「黄金のろば」のはず。(感想) 「プシュケー」は、大学の頃、古代ギリシャ語の授業で一番最初に覚えた単語でした... 「魂」という意味。姉の言いなりで大切な夫の言いつけにそむいたり、自分の美しさを呪っていたはずのプシケーが小箱を覗いてしまうところなど、いかにも浅はかであまり賢くない娘なんですけど、それでもプシケーはなんか可愛くて憎めないんですよね。(ほるぷ出版)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」

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ある日、りんごの木の下で昼寝をしていたオルフェオ王の王妃・ヒュロディスは、突然悲鳴を上げて目を覚まします。夢の中に不気味な大王が出てきて、明日王妃を大王の世界へと連れて行くと宣言したというのです。オルフェオ王は早速選りすぐりの騎士たちに王妃を守らせることに。しかし騎士たちに囲まれ、オルフェオ王に手を握られていても、王妃は結局忽然と姿を消してしまうのです。最愛の王妃を奪われたオルフェオ王は、家老に国を任せると、竪琴だけを持って城を後にすることに...。勇敢で慈悲深く、竪琴のたいそう上手だった古のサー・オルフェオの物語。

ケルトの伝承の中に伝えられるサー・オルフェオの物語を絵本にしたもの。ケルトとは言っても、元はどうやらギリシャ神話のオルフェウスのエピソードのようなんですけどね... そういえば、オルフェオとオルフェウス、名前も一緒ですね。2人とも竪琴だけを持って、異界にまで妻を捜しに行きます。違うのは、こちらの王妃は本当に死んだわけではないということ(一応)、そしてハッピーエンドで終わること。(だから私はこちらの方が好き) サー・オルフェオの物語は、色んなところに載ってると思いますが... 例えばJ.R.R.トールキンの「サー・ガウェインと緑の騎士」の中でも読むことができます。
絵柄に特有の縄目模様などが使われて、そこここにケルトの香りがすると思えば、エロール・ル・カインは、アイルランドに伝わるケルトの文様で装飾された古い手書きの聖書「ケルズの書」から、模様や構図を借りているのだそう。道理で、クラシックな雰囲気が素敵なはずです。(ほるぷ出版)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」

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遠い北の地に住む魔女・ロウヒがスキーで滑ってる時に見かけたのは、ワイナモイネンがカンテレを弾く姿。美しい楽の音に、獣や鳥や木々だけでなく、太陽や月まで降りてきたのを見たロウヒは、いきなり鷲に変身すると月と太陽を掴んで飛び去り、持って帰って山の中に閉じ込めてしまいます。おかげで世界は闇の中に...。

フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」を絵本にしたもの。先日「カレワラ」を読んだ時(感想)に検索してて見つけて、読んでみたいなあと思っていたんです。で、しばらく忘れていたんですが(おぃ)、先日図書館にいた時に丁度返却してらした方がいて、綺麗な水色の表紙にピン! これだこれだと早速借りてきてしまいました。
「カレワラ」の中のロウヒは邪悪な魔女とされてるんですけど、私はそれほど邪悪とは思ってなくて、こちらの絵本のロウヒの方がイメージに近かったかもしれません。こちらのロウヒは、ちょっぴりお茶目なおばあさん魔女。その気になれば鳥になって空を飛んだり、魚になって水の中を泳いだりもできるのに、雪が降ってるのを見て、いそいそとスキーを用意しちゃうのが可愛いんですよね。で、気分良くスキーをしていたのに、気がつけば雪の上を滑っているのではなく、空を飛んでいた、というのがまたお茶目。鍛冶屋のイルマリネンがロウヒを捕まえようと鉄の首輪と鎖を作ってるのを見た後の反応も、筋金入りの邪悪な魔女とは到底思えないですし。(笑)
文字で書かれた作品を、アニメやドラマ、映画といった映像で見るのはあまり好きじゃないんですが(大抵イメージが壊れるから)、絵本はいいかも。ワイナモイネンが弾いてるカンテレというフィンランドの楽器も、写真で見ても今ひとつイメージが湧かなかったんですけど、ワイナモイネンが弾いてる姿を見てすっきりしました。こんな風に膝に乗せて弾くんですね。なるほど~。(あすなろ書房)

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スコットランドの王女・マーガレットは、お城の塔のてっぺんの部屋で毎日朝から晩まで、貴族の娘たちと一緒に刺繍をする日々にうんざりしていました。娘たちはただお行儀良くおとなしく座って、身分の高いお金持ちの男性が結婚を申し込みにやって来てくれるのを待っているだけなのです。マーガレットはお城の外に出て、わくわくするような冒険をしてみたくて堪りませんでした。そんなある日、ばあやのお説教にうんざりして部屋から走り出たマーガレットは、そのままカーターヘイズの森へ。この森は、若い娘に出会う呪いをかけて戻れなくしてしまうという伝説の妖精の騎士・タム・リンの森。森に着いたマーガレットが赤い薔薇の花を摘んでいると、そこにはタム・リンが現れます。

スコットランドに古くから伝わるバラッド(民間伝承の物語詩)の1つ「妖精の騎士 タム・リン」をスーザン・クーパーが再話、ウォリック・ハットンの絵で絵本にしたもの。物語そのものは、妖精に囚われていた騎士を1人の娘が救い出すというオーソドックスなものなんですけど、マーガレットとタム・リンの出会いの場面がとても素敵でした。

「なぜ、バラをつむのだ、マーガレット。わたしの許しもなしに」
「カーターヘイズの森はスコットランド王の領地、そしてわたしは王の娘。行きたいところに行き、したいことをするのに、だれの許しもいらない。むろん、バラをつむことにも」

ウォリック・ハットンの絵の色彩が淡いだけに、このバラとか、この後マーガレットがタムから渡されるリンゴの赤い色がとても印象的なんです。妖精の女王が全然魅力的じゃなかったので、ちょっとがっかりしたんですけど、この場面があっただけでなんだか満足♪ スーザン・クーパーは、アーサー王絡みの物語も書いてるようなので、いずれ読んでみるつもり。
ちなみにこの物語では、妖精の女王からタム・リンを救い出すのは夏至の夜の騎馬行列でのこと。普通はハロウィーンかと思ってたんですけど、ここでは違うんですね。救い出す娘の名前も、ここでは「マーガレット」ですが、一般的には「ジャネット」みたいです。(小学館)


+既読のスーザン・クーパー作品の感想+
「妖精の騎士タム・リン」スーザン・クーパー再話
「コーンウォールの聖杯」スーザン・クーパー

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昔々ブリテンの国に、アーサーという王さまがいました。ある日アーサー王は、湖の姫から、魔法の剣エクスカリバーを授かります。これは何でも願い事の叶う魔法の剣。しかしアーサー王の姉モルガナがその剣を盗みだしたのです。

エロール・ル・カインの描いたアーサー王物語。これは27歳の時の作品で、これがデビュー作となって一流の絵本作家として認められるようになったのだそうです。
湖の姫にもらった剣エクスカリバーに魔法の力があるというのはよくある話ですが(私としては、剣そのものよりも、鞘に魔法の力があるという話の方が好きなんだけど)、ここまで分かりやすい魔法の力があるという話は初めて! なんとアーサー王が命じれば、道も教えてくれるし、雨が降れば雨傘代わりにも、日差しが強ければ日よけにもなるし、時には船にもなってくれるんです。そしてなんと宴席では、つまようじに...! エクスカリバーが楊枝代わりに使われてるなんていやーん。(笑)
落ち着いた色調の絵がとても雰囲気を出していて素敵でした。(小学館)


+エロール・ル・カイン作品の感想+
「アーサー王の剣」エロール・ル・カイン
「サー・オルフェオ」アンシア・デイビス再話 エロール・ル・カイン絵
「キューピッドとプシケー」エロール・ル・カイン
「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン」

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先日「トールキンによる『指輪物語』の図像世界」を読んだ時に(感想)、読みたいなあと思った本。早速図書館で借りてきました。私が読んだ版の書影がなくて残念! と思っていたら洋書の方にあって嬉しい~。ほとんど一緒なので、ここに載せちゃいますね。リンク先は日本語版のページですが。

ということで、J.R.R.トールキンが子供たちのために作ったお話からできたという絵本2冊。「ブリスさん」の方も、トールキンの直筆の原稿(挿絵入り)が見られて楽しいんですけど(左ページに日本語訳、右ページに直筆原稿となっているのです)、絵本にしてはちょっと長くて飽きてしまいまったりなんかして...(^^;。
気に入ったのは、断然「サンタ・クロースからの手紙」の方でした! この本は、トールキンが自分の4人の子供たちのために20年以上書き続けた絵と手紙を絵本にしたもの。手紙の差出人は、サンタ・クロース自身だったり、助手の北極熊だったり、秘書のエルフだったりで、いつもプレゼントと一緒に暖炉の前に置いてあったのだそうです、時には降ったばかりの雪にまみれて...!
この本の翻訳には2種類あって、私が読んだ評論社の「しかけ絵本の本棚」版では、実際に手紙が封筒に入れられているという、とても凝った素敵な本となっています。(きちんとオリジナル通りの色合いの英語の手紙が入っていて、その裏には日本語訳が) サンタ・クロースから直筆の手紙が来るというだけでも楽しいのに、サンタ・クロースとドジな北極熊の大騒動がイラスト入りで読めるなんて素敵すぎる~。北極熊が、北極柱(北極は英語で「NorthPole」)にひっかかったサンタ・クロースのフードを取ろうとすると、柱が真ん中で折れて倒れてきて、サンタ・クロースの家の屋根に大きな穴をあけてしまい、クリスマス間際に引越しをしなければならなくなったとか、翌年は、北極熊が2年分のオーロラ花火を打ち上げてしまい「世にたぐいなく大きなドカーン」となってしまったり、その翌年は、またまた北極熊が両手にかかえきれないほど荷物を持って階段から転げ落ちてプレゼントをばら撒いてしまったり... 北極での楽しく賑やかな様子が伝わってきます。封筒についている絵や北極マークの切手も素敵ですし、サンタ・クロースの震える文字、北極熊のかっちりとした文字、エルフの流れるような筆記体と文字が使い分けられているのも楽しいです。これ、しかけ絵本じゃない方だとどんな感じになってるのかしら。もっと物語になってるのかな? でもそれはそれとして、しかけ絵本、可愛すぎ。原書版が欲しいかもー。(評論社)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

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「ビルボの別れの歌」は、トールキン生誕100年記念出版の絵本。エルフたちと共に中つ国から船で旅立ったビルボが、その旅立ちの直前に書いたという詩が、ポーリン・ベインズのフルカラーの挿画と共に美しい絵本となりました。「指輪物語『中つ国』のうた」は、「指輪物語」の中に存在する、美しかったり切なかったり楽しかったりする様々な歌を抜き出した本。こちらはアラン・リー挿画。

まず「ビルボの別れの歌」ですが、それぞれのページに、ビルボの詩と指輪物語の最後の旅立ちの場面、そしてページの下には「ホビットの冒険」の場面も描かれて、とても綺麗な絵本です。でも私にとってポーリン・ベインズの絵といえば、絶対にナルニアシリーズなんですよね...! 子供の頃からお馴染みなだけに、どの絵を見ていてもナルニアの場面のように思えて仕方がなかったです。馬に乗るエルフたちの姿は、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィたちのようだし、戦いの場面は白い魔女との戦い... というよりむしろ彼らがカスピアン王子や物言う動物たちと共に戦った時かな。そして船は朝びらき丸! それでもトールキンとは長い付き合いだったというポーリン・ベインズなので、その絵にはトールキン自身から聞いたことが色々と描きこまれているそうで、巻末にある各イラストの詳細な説明がとても面白かったです。
そして「指輪物語『中つ国』のうた」は、先日「シルマリルの物語」を読んだ時に(感想)、もう一度「指輪物語」を再読したい、特に歌の部分を重点的に読みたいと思っていた私にとっては、なんてぴったりな本! と思ったんですが... 確かに様々な歌とその歌が歌われた状況を読んでいるだけで、まるで本編をもう一度読んでいるような気分になるんですけど、でもやっぱりこういった歌は本編の中にあってこそでした。やっぱりちゃんと再読しなくちゃいけないな。...本当は「指輪物語」だけを再読するつもりだったんですが、「ビルボの別れの歌」に「ホビットの冒険」の場面の絵があるのを見てたら、こちらから読みたくなってきました。積読本消化のためにも、本当は今はあまり再読したくないんだけど... どうやら我慢できそうにないです。時間の問題。(笑)(岩波書店・評論社)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

+既読の指輪物語関連作品の感想+
「トールキン神話の世界」赤井敏夫
「トールキンによる『指輪物語』の図像世界」W.G.ハモンド/C.スカル
「トールキン指輪物語事典」デヴィッド・デイ
「図説 トールキンの指輪物語世界 神話からファンタジーへ」デイヴィッド・デイ

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壹萬壹阡之本のヤマボウシさんに「これ絶対、四季さん好きだと思う」と言われて手に取ったんですが、いや、本当にその通りでした。まさに私好み! 本は図書館で借りて読んだんだけど、これはきっと買ってしまいます。
桑原弘明さんが作られた手作りの極小のスコープと、その中に見える情景に、巖谷國士さんが文章をつけた本。堅固な合金で作られたスコープは、手に乗せるとずっしりと重いのだそうです。箱の側面の小さな円い穴に懐中電灯の光を当てながら覗くと見えてくる、小さな部屋や庭の情景。手のひらサイズの箱の中に存在する世界なのだから、ほんと相当小さいもののはずなんですが、これがとても精巧なんですよね。本当に覗き窓から覗いているみたいです。素晴らしいー。そして光を入れる窓を変えることによって、その情景は白昼夢のようになったり、夕暮れ時になったり、朝の光景から一転して神秘的な夜の情景となったり。その一瞬でがらりと変わる雰囲気に、ノックアウトされてしまいました。
箱の中に作られているのは部屋が多くて、実際に窓や扉や鏡があるものがほとんどなんですが、そうでなくても、常に覗き窓から覗いているせいか、常に窓の存在を感じさせます。扉や窓、そして鏡というのは、異世界へと通じる場所。本をめくっただけで、日常生活の中から一気に別世界へと引きずり込まれるようです。

これを見ていると、視野いっぱいに広がる小さな幻想的な世界をぜひとも体験したくなってしまいます。以前個展が開かれたこともあるのだそう。またどこかでやってくれないかなあ。今度される時は絶対に行きたい! こちらに以前の個展の写真が載ってますので、ぜひ見てみてくださいませ。箱の外側の装飾も、中の情景と良くマッチしていて美しいです。(パロル舎)

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きょうだいのなかで、ぼくだけ、みぎのほっぺにえくぼができる。かぞくのなかで、ぼくだけ、いつもかにさされる。クラスのなかよしのなかで、ぼくだけさかだちあるきができる。クラスメイトのなかで、ぼくだけ、げいのうじんのサインをもってない。がっこうのせいとのなかで、ぼくだけ、ひんけつをおこしてたおれた。ぼくだけができること、ぼくだけができないこと、いろいろ。

森絵都さんの文章とスギヤマカナヨさんの絵による絵本です。初期のハヤカワ文庫FTだと画像が出ない本ばかりなので、つい途中でこういうのを挟んでしまう私...。(^^ゞ
主人公の「ぼく」である「ようたくん」だけができること、「ようたくん」だけができないことが、1つずつ挙げられていきます。「ようたくん」が「ぼくだけのこと」を1つずつ自己申告して、そのそれぞれに周囲の人の証言が付いているのも楽しいところ。良いことも悪いことも、嬉しいことも情けないことも、「自分だけのこと」だと考えると、それが特別に思えてきて、自分のことをもっと好きになれるのかもしれないですねー。(理論社)


+既読の森絵都作品の感想+
「いつかパラソルの下で」森絵都
「にんきもののひけつ」「にんきもののねがい」「にんきものをめざせ!」「にんきもののはつこい」森絵都
「あいうえおちゃん」「流れ星におねがい」森絵都
「ぼくだけのこと」森絵都
「いちばんめの願いごと」森絵都
「屋久島ジュウソウ」森絵都
「風に舞いあがるビニールシート」森絵都
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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奇妙な世界の片隅でのkazuouさんの所で見て興味を持った絵本です。(記事
これは、カナダの画家・ロブ・ゴンサルヴェスの絵に触発されたセーラ・L・トムソンが文章を書いて、それを絵本にしたものなのだそう。ゴンサルヴェスの絵は、一言で言えば、エッシャーの騙し絵のような絵。でも雰囲気は、むしろルネ・マグリットかな。
たとえばここに出ている本の表紙の絵のタイトルは、「月の乙女」。川に映るもみの木の影と影の間が、いつの間にか白い服を着た女性になって、川から岸に上がって来る絵です。そして右に出したのは、本の裏表紙にも使われている絵で、タイトルは「白い毛布」。(クリックすると、ポップアップで大きくなります) 一面の雪野原が、実は真っ白い布団を敷き詰めた状態になってるんです。そしてその中に1人寝ているんですが、本当は雪景色が寒そうなはずなのに、なぜかぬくぬくとしているように感じられるのが不思議。
その2つの絵の他にも、パッチワークキルトのベッドカバーがそのまま上空から眺めた森や畑の風景になっている「夜の飛行」や、切り落としたカーテンがいつの間にか夜景に変わっている「変わる風景」「天体のカーテン」など色々あって、絵を眺めてるだけでも楽しいし、特に夜の蒼がとっても綺麗。この2枚の絵の色も素敵ですよね。

ちなみにゴンサルヴェスの絵を見てみたい方は、こちらへどうぞ。絵本に収録されている絵も載ってます♪(ほるぷ出版)

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"花のラファエロ"と呼ばれたルドゥーテの『バラ図譜』から高木春山の『本草図説』まで、古今東西のボタニカル・アートの粋をあつめた豪華な博物図譜。植物画の歴史、文学に現れたる花の数々、手彩画の美しさが満載。200点ものカラー図版による"白い花譜"と"黒い花譜"の饗宴... という本。(すみません、今回はamazonの紹介をコピペしてます)
荒俣さんがボタニカルアートを蒐集するきっかけになったのは、なんと澁澤龍彦氏の「フローラ逍遥」なのだそうです。「フローラ逍遥」を執筆しようとしていた澁澤大魔王(笑)に、何かそういった図版を持っていないかと訊ねられたのがきっかけだとか。しかし、いつか大魔王が第2の花の本を作る時に役に立てば... と蒐め始めたそのコレクションを、大魔王は見ることもなく他界。そして荒俣氏ご本人が大魔王に捧げるべくこの本を書かれたのだそうです。15年にも及ぶコレクション、さぞかしすごいんでしょうねえ。この本を書かれた後も増え続けているのでしょうか。実物を見てみたいなあ。
面白い薀蓄が色々とあったんですが、その中で一番びっくりしたのは妖精画。妖精がというのは、なんと闇の猥褻画で、特に某植物と一緒に描かれている絵を、貴婦人たちはポッと顔を赤らめながらご覧になったのだとか... 全然知らなかったです。もうびっくり~。(平凡社ライブラリー)


+既読の荒俣宏作品の感想+
「花空庭園」荒俣宏
「別世界通信」荒俣宏
Livreに「帝都物語」の感想があります)

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広告やポスター、ポストカードの仕事から、本の挿画を手掛けるようになり、オペラ「魔笛」の美術監修、映画「アメリ」にも参加と世界を広げたミヒャエル・ゾーヴァが、自作や自分自身について語った本。というか、文章は多いのですが、やっぱり画集ですね。未発表のものを含めて45点の作品が収められています。本当は私自身、ゾーヴァ本人のことはそれほど興味はなかったのだけど、でもやっぱり人となりや仕事のことなど色々分って興味深いですね。(文字の大きさや行の間隔の具合が、どうも読みにくくて堪らなかったんだけど)
「アメリ」は私も観ましたが、アメリの寝室の絵だけでなく、部屋に置かれたランプや、少女時代のシーンに登場する「病気のワニ」もゾーヴァが作ったものだったとは知らなかったですー。

ゾーヴァの絵には動物が多いのが1つの特徴だと思うんですが、それは「風景に付け足しで描いてみたら思いがけずドラマが生まれて面白かった」のがきっかけなんだそうです。人間を描くと、どうしても物語が気になってしまうのだけれど、人間を描くところをあえて動物に置き換えてみると、人間を描く場合よりもシリアスになりすぎなかったとか。擬人化もないわけじゃないんでしょうけど、でもそれほどはっきり擬人化してるわけじゃなかったようですね。や、動物でも、十分に物語を感じさせる絵だと思うんですけど...。(笑)
巻末には、「ちいさなちいさな王様」を始めとして色々な作品で組んでいるアクセル・ハッケの「ゾーヴァのついて」も。ハッケによると、ゾーヴァは「上塗り家」。「税金の申告書」を理由になかなか仕事を引き受けようとせず、引き受けた後も、庭の木を植えなくちゃとか鉢植えを買いに行かなくちゃとか家の用事を理由に言い訳したり、絵を描いては気に入らずに10回ほど上塗りしてしまって、挙句の果てにその本とはまるで関係ない絵が出来上がってしまったり... ゾーヴァと一緒に仕事をするというのは、なかなか大変なことのようです。(笑) (講談社)


+既読のミヒャエル・ゾーヴァ作品の感想+
「キリンと暮らす クジラと眠る」アクセル・ハッケ ミヒャエル・ゾーヴァ
「ミヒャエル・ゾーヴァの世界」ミヒャエル・ゾーヴァ

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加納朋子さんのデビュー作「ななつのこ」の作中作が、とうとう本物の絵本になりました~。挿画は、「ななつのこ」の文庫など、加納朋子さんの作品でお馴染みの菊池健さん。(そういえば「ななつのこ」のハードカバーの表紙って見たことがないんですが... こちらも菊池健さんなのでしょうか?)
「ななつのこ」を読んだ時に私が一番惹かれたのは、何といっても「あやめさん」だったので、この絵本が読めてほんと嬉しい! 読むにつれて、「ななつのこ」のそれぞれの物語が思い出されて懐かしかったです。あ、でも、おかあさんが小さな息子に語る物語という形式は、正直意外でした。びっくりびっくり。そして最後まで読んでみて... これってもしかして... いや、もしかしなくても... ネタバレ反転(このお母さんは未来の駒子)ってことでしょうか?!
挿画もほんわりと優しくて、物語の雰囲気にぴったり。それぞれの場面は「昭和」の懐かしい雰囲気を思い起こさせてくれますし、話を聞いている「はやて」の子供部屋も居心地が良さそう~。これは、この絵とこの物語、どちらが欠けても成り立たない絵本でしょうね。(東京創元社)


+既読の加納朋子作品の感想+
「てるてるあした」加納朋子
「ななつのこものがたり」加納朋子
「モノレールねこ」加納朋子
「ぐるぐる猿と歌う鳥」加納朋子
Livreに、これ以前の全作品の感想があります。

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月の記憶の嫦娥さんのオススメ。「言葉、写真、作庭」が丸山健二氏。実は全然読んだことがなかったんですけど、この方、かなり沢山の作品を書いてらっしゃる作家さんだったんですね。この本は小説とかではなく、お庭の花の写真が中心。文章も載ってるんだけど、詩みたいな雰囲気。
表紙の赤い薔薇も鮮やかな咲きっぷりなんですが、私が反応してしまうのは、やっぱりまず白い花。本当に根っから白い花が好きなのね... しかも正面を向いてない花の方が好みだし。(笑)
こういう本は、疲れてる時にぼーっと眺めてるのにぴったりですね。(しかもタイミングばっちりだし)

でも1ヶ月半ぶりに見たうちの庭は、一応水遣りはしてもらってたんですけど、なんだかボロボロのヨレヨレ。薔薇の葉っぱもすごいことになってるし、伸び放題に伸びていたり、逆に枯れていたり。一体どこから手をつけたらいいのやら... って感じです。外は目眩がしそうな日差しだし、当分見たくない気分... お願いです、誰か何とかして下さい(^^;。


+既読の丸山健二作品の感想+
「荒野の庭」丸山健二
「水の家族」丸山健二

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薔薇の本は色々とあっても、その中でも特にお気に入りなのがこの「ルドゥーテのバラ」。ルドゥーテというのは、マリー=アントワネットからは「博物蒐集室付素描画家」の称号を下賜され、フランス革命後は、ナポレオン一世妃ジョゼフィーヌなどの庇護のもと、「花のラファエロ」とも「バラの宮廷画家」とも譬えられたピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ。要するにボタニカル・アートの画家さんですね。
このルドゥーテの本には、大英博物館所蔵の本を複写した有名な「バラ図譜」というのもあって、これがとても素晴らしいらしいんですけど、1冊29,400円もするんですよね...。いくら素敵でも、そんな本をおいそれと買うわけにもいきません。一昨年復刊した時も、結局見送ってしまったし。
そんな私が持っているのが、この「ルドゥーテのバラ」。3万円近い豪華本に対し、これは1000円ポッキリ。(笑) だからといって全然安っぽくないんです。オールカラーだから、ルドゥーテにの繊細で優雅なイラストが十分楽しめるし、ペトラ=アンドレア・ヒンツによるルドゥーテの紹介が、なぜか日本語・英語・仏語という3ヶ国語で掲載されていたりします。とってもお値打ち。(笑)
本当は「バラ ジャンボシリーズ」という豪華本も持っていて、そちらもまるで洋書のような、とても素敵な本なんですが、持っていると腕が痛くなっちゃうほどのボリューム。本棚から出してくるには、ちょっと気合がいるんです。だから普段はこちらの「ルドゥーテのバラ」で楽しんで、じっくりと世界に浸りたい時はそっちの豪華本という使い分けをしています。
cafe01.jpg
そして、なぜいきなりルドゥーテが出てきたかといえば、今日は庭で咲いていたカフェという薔薇を部屋に飾っていたせい。オールドローズばかりのうちの庭には珍しくフロリバンダなんですけど、この花の形はオールドローズのようなものですね。(笑) うちにある薔薇の中でも特にお気に入り。花は最初濃いキャメル色で、時間が経つにつれて徐々に色褪せてアプリコット色になり、最後は淡い茶色になります。その褪せていく様子も気に入ってるんですが... でもなんだかずっと調子が悪かったんです。で、とうとう見るに見かねて、先日蕾がついてる状態で植え替えをしてしまったんですよね。もしかしたら刺激が強すぎたかも... なんて心配してたんですが、無事に咲いてくれて嬉しい♪ 植え替えの効果が出たのか、前より心なしか元気になってきたような気も。そしてこの薔薇を見ているうちに、またルドゥーテが見たくなったというわけです。(タッシェン・ジャパン)

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渡邉良重さんの絵に、内田也哉子さんの言葉が添えられた絵本。お父さんが内田裕也さん、お母さんが樹木希林さんという内田也哉子さんのことは、本木雅弘さんと結婚した時に初めて知って、なんだか不思議な魅力のある人だなあと思っていたんですが、こんな絵本を作ってらしたとは! この表紙もとても綺麗なんですけど、中のページがね、全部薄紙なんですよー。繊細な薄紙をそーっと1ページずつめくっていくと、明るくてはっきりとしていて、それでいて優しい色合いの絵に、ほんの少しの言葉。薄紙なので次のページの絵や文字がうっすら見えて、絵はまた違った表情を見せてくれるし、言葉が向こうからこちらにやってきてくれる感じ。とても素敵なんです。この週末、私は朝から晩までずっと出かけていて、ほとんど本を読む気をなくしてしまうほど疲れていたんですが、そんな今の私の気分にぴったり。ゆっくりゆっくりとページをめくっているうちに、なんだか凝り固まっていた疲れが溶けていってくれるみたい。
これは宗さんに教えて頂いた本。書店に行くまではそれほど買うつもりはなかったのに、実物を見た瞬間しっかり握ってました。(笑) この本と出会えて良かったなあって素直に思える本です(^^)。(リトルモア)

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タニス・リーの「ゴルゴン 幻獣夜話」を読んだ時から気になっていた加藤俊章さんのイラスト。とうとう画集を買ってしまいました!
この厚さでこの値段(6,300円)はかなり高かったけど、でもやっぱり綺麗~。95年と2000年の個展で展示された作品が中心とのことで、「オペラ座の怪人」、「吸血鬼カミーラ」、「ロミオとジュリエット」、「ハムレット」、「ラプンツェル」、「美女と野獣」、「ジャンヌ・ダルク」などの、ファム・ファタールたちが描かれています。そしてタニス・リーの「ゴルゴン」「血のごとく赤く」、近藤史恵さんの「スタバトマーテル」、高野史緒さんの「ムジカ・マキーナ」、加門七海さんの「くぐつ小町」、篠田真由美さんの「レディMの物語」、ロバート・ジョーダンの「時の車輪」シリーズなど、これまで加藤さんが描かれた表紙や挿絵も合わせて収録。
フォントにも凝っていてとてもお洒落だし(金文体←ちょっぴり読みづらいけど、雰囲気は抜群)、ご本人はもちろんのこと、加門七海さんや榊原史保美さん、翻訳家の浅倉久志さんの文章も。
でね、タニス・リーの挿絵が圧倒的に多いんですよ! こんなに描かれてたとは知らなかった。ということは、これからもっと色々な加藤さんの絵と出会えるわけですね。嬉しいなあ。クリムトを思わせる豪華絢爛なカラー絵もとても素敵だし、ビアズリーを思わせる白黒の絵が、またとてもいいのです。(本家のクリムトやビアズリーよりも好きかも) 文庫本の表紙ともなるとかなり小さくなってしまうし、質感もちょっと違ってたりするので、画集で見る方が圧倒的に綺麗。もちろん原画はもっと綺麗なんでしょうけどねー。...高かったけど、やっぱり買って良かったです♪ (中央公論新社)

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ナイトメアー・ビフォア・クリスマスは、去年のクリスマスに観たビデオの絵本版。あのティム・バートン監督が描いた絵本というだけあって、中身は映画と基本的に一緒。やっぱり可愛いです。ダークなんだけど、無茶無茶可愛い。何とも愛嬌があるんですよねえ。でも、犬のゼロの鼻にかぼちゃちょうちんが付いてるなんて知らなかった! しかもこれが本当に役に立つんですね。可笑しーい♪
「オイスター・ボーイの憂鬱な死」の方も、ティム・バートン作の絵本。可愛いイラストと小さくて詩的な物語。でもこれは子供にはあまり... ですね。可愛いんだけど、でもすごくブラックでシニカルなんだもん。生臭くて親にも嫌われてるオイスター・ボーイの話を始め、両眼に釘がささった男の子の話とか、スティック・ボーイとマッチ・ガールが恋をして燃え尽きちゃったとか、そんな話が23編収められています。エドワード・ゴーリーが好きな人が気に入りそうなテイスト。で、ゴーリーもそうなんだけど、なんかいいですね、これは。癖になるというか。巻末に原文が載ってるから、今度はこっちをゆっくり読んでみようかな。(ビリケン出版・アップリンク)

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Merry Christmas!
今年はほんととんでもない暖冬だと思ってたんですが、昨日から急に風が冷たくなりました。とは言っても、まだまだホワイトクリスマスには程遠いですが...(^^;。 えーと、世間は昨日からすっかりクリスマスモードなんでしょうね。という私は、昨日は年賀状に大掃除。どちらも着々と進行しております♪(でもなんか悲しいゾ!)
ということで、先日、自分へのクリスマスプレゼントとして買った本のうちの1冊です。タイトル通り、そのまんま料理店のメニューみたい。「切ない気持ち」と「ダイヤモンド・ダスト」をシェイクして、冷やした水晶のグラスに注ぐ「ミラージュ・ボール」という食前酒からはじまり、「朝の光」と「苦笑い」、そしてトッピングとして「古いシャンソン」が添えられた、食後の「苦笑い付きコーヒー」までのフルコース・ディナー、追憶のスペシャル・メニュー。ああ、本当になんて素敵。なんとも妖しくてゴージャスな大人の世界でした。うっとり。(小学館)

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稲垣足穂さんの作品に、たむらしげるさんがイラストをつけた絵本。絵本とは言っても、稲垣足穂さんのショートショートが70編ほど収められているので、あまり小さな子供用とは言えないんですけどね。ちょっと前にこの本を戴いて、たむらしげるさんのイラストがとても素敵だったので、しばらく絵ばかり眺めていたのですが、ようやく読みましたー。表紙もちょっとクリスマスっぽいでしょう?(笑)


+既読の稲垣足穂作品の感想+
「一千一秒物語」稲垣足穂・たむらしげる
「一千一秒物語」稲垣足穂

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「架空の絵本のエディトリアルデザイン集」 まず寺田順三さんのイラストが可愛い! なんとも言えないノスタルジックな柔らかい色調の、絵本の表紙が30冊分。これがまるで古いポスターを見てるみたいでいいんですよねえ。そしてそのそれぞれの絵本の表紙に、横山犬男さんの書いた文章が添えられているんですけど、これがまたなんとも音楽を感じさせる文章なのです。帯に「古ぼけたレコード盤から、ノイズ混じりに広がるイメージ」という言葉がありましたが、うん、これはまさにレコード盤ですね! CDじゃないです。CDのクリアな音はもちろん綺麗だけど、レコード盤のパチパチというノイズには、何とも言えない味があるでしょう? そんな感じ。表紙の絵に惹かれた方、「レコード盤」という言葉に惹かれた方はぜひ一度手に取ってみて下さいませ♪ (帯には、チチ松村氏の推薦文もありましてよ!>某I嬢)
うわーん、これは続きが読みたくなっちゃうよう。「架空」だなんて殺生な。
ちなみに寺田順三さんのサイトCOMES MARTはコチラ。...わ、南船場にお店があるんだ!一度見に行ってみたいなあ。(ワールドコム)


+既読の寺田順三作品の感想+
「本の本」横山犬男・寺田順三
「タビの雑貨屋」「本の本」寺田順三

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