Catégories:“ミステリ”

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「怪笑小説」や「毒笑小説」に次ぐ、ブラックユーモア短編集。13編が収められています。
この中で目を引くのは、やっぱり4編の文壇物でしょうね。表紙の写真にも東野さんご自身が登場してるし、某文学賞に5度目のノミネートという作家・寒川は、どう考えても東野さんご自身がモデル。とは言っても、別に自虐的なギャグじゃなくて、周囲の「きっと東野は悔しがっているだろうな」という期待に応えてみたんだと私は思ってるんですが... どうなんでしょう。(笑) 作中に登場する唐傘ザンゲ氏の「虚無僧探偵ゾフィー」が読んでみたいな。勝手な想像としては、舞○王○郎作品がモデルなのかな、なんて思ってるんですが...?(笑)
そういう文壇物は独立させて1冊にして欲しかったような気はするんですけど、下ネタ物その他がミックスされて、「黒笑」が程よく緩和されているのかも。私が特に楽しんだのは「インポグラ」と「モテモテ・スプレー」なんですが、「シンデレラ白夜行」も面白かったな。突然の童話調に驚いたんですけど、このシンデレラこそが彼女なのですね~。(集英社)


これで東野作品は再びコンプリートのはずだったんですが、一昨日「容疑者Xの献身」が出ちゃいました。いやーん、なかなか追いつかない... じゃなくて、好きな作家さんの新作が次々に読めるなんて幸せ! 今度は早めに読めるよう頑張ろうっと。


+既読の東野圭吾作品の感想+
「ちゃれんじ?」東野圭吾
「さまよう刃」東野圭吾
「黒笑小説」東野圭吾
「容疑者Xの献身」東野圭吾
「さいえんす?」東野圭吾
「夢はトリノをかけめぐる」東野圭吾
「赤い指」東野圭吾
「たぶん最後の御挨拶」東野圭吾
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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1人娘を殺された長峰。娘が2人の少年にレイプされているビデオを見た時、彼は...。

久々の東野圭吾作品。分厚い2段組だし、相当重いテーマのようだったので、もしかしたらこれは相当ツラいかも... と思ったんですが、読み始めたら一気でした。いや、でも、もう何を書いたらよいのやら... 自分の子供、特に女の子を持つ親ならば、長峰に同情せずにはいられないでしょうね。こんなひどいことをしても、3年もすれば仮出所できるなんて! 「少年法は子供を裁くためのものではなく、間違った道に進んでしまった子供たちを助けて、正しい道に導くために存在する」なんていう言葉が、ほんと白々しく感じられちゃうほどのどうしようもない少年たち。長峰は、司法に任せておいても犯罪者に制裁など加えてくれないだろうと、自分で犯人を1人殺し、もう1人を追いかけることになるんですが、警察はそんな長峰に同情しながらも、長峰の次の犯罪を未然に防ぎ、しかも長峰を逮捕しなければならないわけで... 正義って一体ナニ? 
でも果てしなく広がってしまいそうな、少年法に対する問題提起を、これだけの作品にまとめた東野さんはやっぱりすごいです。(ここでは切り落としてる部分まで含めたら、ほんと何冊も書けそう) はああー、ずっしり。(朝日新聞社)


+既読の東野圭吾作品の感想+
「ちゃれんじ?」東野圭吾
「さまよう刃」東野圭吾
「黒笑小説」東野圭吾
「容疑者Xの献身」東野圭吾
「さいえんす?」東野圭吾
「夢はトリノをかけめぐる」東野圭吾
「赤い指」東野圭吾
「たぶん最後の御挨拶」東野圭吾
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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「市民サーヴィス課臨時出張所」の貼り紙と折り畳み式らしい机と共に、市内のそこここに現れる「腕貫探偵」の連作短編集。
「日頃のご意見、ご要望、なんでもお聞かせください。個人的なお悩みもお気軽にどうぞ」なんて貼り紙と一緒に座ってる「腕貫探偵」を見た人たちは、ついふらふら~と寄って行って、話すつもりがなかったことまでどんどん話しちゃう。で、それを聞いた腕貫探偵が一言二言アドバイスして、あっという間に解決しちゃうという、そんな話です。どことなく、同じく西澤さんの「完全無欠の名探偵」みたい。腕貫探偵のアドバイスは確かに的確だけど、最後の部分は結局相談者が自分で推理してたりしますしね。もしやあの「みはる」が、神通力(?)が弱まって、ここの市役所に就職したのか...? なんて思っちゃいました。(笑)(腕貫探偵は、一応市役所の市民サーヴィス課一般苦情係... 本当なのかな?)
ものすごーくテンションが低い探偵なんで(笑)、緊迫感はほとんどないし、謎も小粒。でも登場人物がいいのです。本の後味を爽やかにしてくれた蘇甲純也と筑摩地葉子も良かったし(相変わらず素直に読めない名前...)、7編の中で特に気に入ったのは、「スクランブル・カンパニィ」で、玄葉淳子と秋賀エミリという2人の存在がとても強烈! 事件の内容や解決そのものよりも、 4課には他にどんな面々がいるんだろう、なんてそんなことが気になっちゃいました。その辺りの話も今度読んでみたいなあ。(実業之日本社)


+既読の西澤保彦作品の感想+
「方舟は冬の国へ」西澤保彦
「生贄を抱く夜」西澤保彦
「腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿」西澤保彦
「フェティッシュ」西澤保彦
「キス」西澤保彦
「春の魔法のおすそわけ」西澤保彦
「ソフトタッチ・オペレーション」西澤保彦
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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新宿に古くからある「酒場」は、クセモノ揃いの常連客たちが集まってくる場所。そこに店長の義理の娘・のり子が100円ショップで売っていた缶詰を持ち込んだことから物語は始まります。

「百万の手」に続く現代物。「百万の手」みたいに不満がいっぱい残ることはないし、まあまあ可愛らしい連作短編集なんですけど... でもやっぱりなんだか物足りない...。「いつでも帰れる場所」としての「酒場」の存在は魅力的だったんですが、いくら美味しそうな食べ物が出ても、北森鴻さんの香菜里屋みたいな存在にはならないし、それより何より、100円ショップの缶詰という小道具がちょっとチープ過ぎじゃないですかね? 13歳ののり子にはともかく、いい年した常連さんたちにはちょっと合わないですよー。
やっぱりファンタジックな畠中さんの作風には、現代という舞台はあまり合わないんでしょうかねえ。同じような物語でも時代物なら、もっとすんなりとその世界に入り込めたのかも。...それでも詰めの甘さは変わらないか... 「しゃばけ」のシリーズは大好きだし、もっと面白い作品が書ける人だと思うのに残念だなあ。(双葉社)


+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「おまけのこ」
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
「いっちばん」畠中恵
Livreに「しゃばけ」「ぬしさまへ」「百万の手」「ねこのばば」の感想があります)

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またしても酒見賢一さん。こちらはデビュー作の「後宮小説」に続く短編集です。これも全然中国の気配すらなくて、現代日本のミステリの形式を借りて小説という虚構を皮肉っていたり、古代ギリシャ哲学者や数学者の話であったり、徐々に現実と幻想の境目がなくなっていくホラー(ファンタジー?)であったりと、作風は様々。解説を読んでいたら、この本が出た時の酒見さんの「中国小説の作家だと勘違いされてるようだったので、いかんなあと思ってああいうのを書いたんですけどね。あれを読んで得体の知れない作家だなと思われたらうれしいですね。何でもありという作家になりたいんですよ」という言葉が引用されてたんですけど、まさにその通りになってるじゃあないですか!(笑)
この中で気に入ったのは「籤引き」という短編。泥棒とか殺人が起きた時に、真犯人を探し出して裁判にかけるのではなくて、籤引きで当たった人間こそが真犯人、という考えをしている未開の村の描写がとても面白いんです。一見非常識に見えるこのやり方も、読んでいるうちに徐々にそれが正しいように思えてきてしまうんですよねえ。(笑)(講談社文庫)

私が読んだのは古い講談社文庫版なんですが、画像とリンクは集英社文庫版です。(どちらにしても今は入手できないんだけど)


+既読の酒見賢一作品の感想+
「陋巷に在り」1・2 酒見賢一
「陋巷に在り」3・4 酒見賢一
「陋巷に在り」5・6 酒見賢一
「陋巷に在り」7・8 酒見賢一
「陋巷に在り」9・10 酒見賢一
「陋巷に在り」11・12 酒見賢一
「陋巷に在り」13 酒見賢一
「語り手の事情」酒見賢一
「聖母の部隊」酒見賢一
「ピュタゴラスの旅」酒見賢一
「泣き虫弱虫諸葛孔明」酒見賢一
「中国雑話 中国的思想」酒見賢一
Livreに「後宮小説」「墨攻」「童貞」「周公旦」の感想があります)

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「死神」は情報部に指示された人間に近づき、7日間のうちにその人間が死んでもいいかどうかを判断、「可」なら8日目にその死を見届けるのが役目。仕事がくるたびに、対象となる人間に近づきやすい年齢や外見となって近づき、淡々と仕事をこなします。特に問題がない限り「可」を出すことになっているため、ろくな調査をせずに「可」としても構わないのですが、「ミュージック」をこよなく愛する死神たちはギリギリまで判断を保留し、CDショップに入り浸るのです...。

ということで、先月出た伊坂幸太郎さんの新作。死神の「千葉」を主人公にした連作短編集です。そのうちの1作「恋愛と死神」は、以前雑誌で読んでるんですが、やっぱりこうしてまとめて読むとずっと面白い! 死神だなんていう突拍子もないはずの設定なのに、すんなりと作品の世界に入れちゃうし、しかも6つの短編はそれぞれに恋愛物だったり雪の山荘を舞台にしたミステリだったり、ハードボイルドだったりとバラエティ豊かで、それもとても面白いんです。特に雪の山荘なんて、死神ならではの真相が!(笑) そして最後の「老婆対死神」がまたいいんですよー。読んでいるとどの人間も死なせたくないって思っちゃうし、それでも千葉は感傷に流されることなく「可」の判定を下してしまったりするのだけど、でも最後まで読むと「それで良かったのね」という気になりました。飄々としていてちょっぴりズレた発言をする千葉の造形もすごく楽しいし、雨男の千葉なので雨の情景ばかりなのに、読後感はとっても爽やかです。
淡々とそつなくまとまっているようでいて、そこにはしっかり伊坂さん流の笑いの感覚が潜んでいるんですねー。大満足。これは続編もぜひとも書いて頂きたいのだけど、ここまで綺麗にまとまっちゃったら無理かしら?(文藝春秋)


+既読の伊坂幸太郎作品の感想+
「死神の精度」伊坂幸太郎
「魔王」伊坂幸太郎
「砂漠」伊坂幸太郎
「終末のフール」伊坂幸太郎
「陽気なギャングが地球を回す」「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎
「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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今回は再読したわけじゃないんですけど、Livreに載せている感想をこちらにエントリしておきます。読んだのは2004年6月なので、丁度1年前ですね。この作品を読んだ時点では、「妖都」「蘆屋家の崩壊」だけが既読だったはず。そちらの2作との雰囲気の違いにすっごく驚いた覚えがあるんですけど... そんなこと一言も書いてないや(^^;。
以下Livreからの転載です。

ミッション系のルピナス学園の女子高校生・吾魚彩子が級友の桐江泉と京野摩耶、そして憧れの祀島龍彦と一緒に、刑事をしている姉・不二子とその相棒・庚午宗一郎から持ち込まれた事件を推理するという連作短編集。
最初の2編は、10年ほど前に「津原やすみ」名義で講談社X文庫から出版された、「うふふルピナス探偵団」「ようこそ雪の館ヘ」を全面改稿したもの。そしてこれに「大女優の右手」が新たに書かれたのだそうです。X文庫の時とは、おそらく文体がかなり違うのではないかと思いますが、さすがに元は少女小説らしく、テンポが良くてさくさくと読める楽しい作品となっています。そしてやはり少女小説ならではといったところで、キャラクターが魅力的。特に彩子の憧れの祀島くんが何ともいい味を出しています。収められているのは、「冷えたピザはいかが」「ようこそ雪の館へ」「大女優の右手」の3作。

「冷えたピザはいかが」倒叙式のミステリ。犯人がなぜピザを食べなければならなかったのかというのは今ひとつ納得できなかったのですが、エアコンのタイマーの説明には非常に納得。「ようこそ雪の館へ」奇妙奇天烈な推理も披露されるのですが、しかしその着眼点が面白いですね。「大女優の右手」ここで演じられている尾崎翠の「瑠璃玉の耳輪」は、実在する作品。その舞台の艶やかさが伝わってくるような作品です。プラチナの腕輪という小道具の使い方も鮮やかで、しかも切なさを孕んでいていいですね。この作品の中では、右手が切断されたというのも、まるで1つの儀式のように見えてくるのが不思議。遺体の移動トリックが面白く、3作の中ではこれが一番好きです。

彩子と祀島くんの恋の行方も気になりますし、続編もぜひ書いて頂きたい楽しいシリーズです。(原書房)

とのことデシタ!


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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