Catégories:“ミステリ”

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20年の時を経て完結したという「奇術探偵曾我佳城全集」。秘の巻と戯の巻に分かれていて、こちらは1冊目の秘の巻。11の短編が収められていて、美貌の女性奇術師・曾我佳城が謎解きに活躍します。
決して派手ではないものの、泡坂さんの奇術に対する思いが伝わってくるような短編集ですね。舞台を見に来ていた少年に曾我佳城が語った言葉にはぐっときちゃいました。奇術師の技量を試すような行動によって、その奇術師がせっかく用意してきた楽しい奇術を観れなくなるかもしれない。その場をより楽しむために、奇術師に協力して雰囲気を盛り上げるのが一番。そんな意味合いの言葉。これは奇術の舞台だけでなく、エンターテイメントの舞台全般に言えることなんだろうな。
奇術や事件のトリックも楽しみましたが、一番好きなのは一作目の「空中朝顔」。曾我佳城はほとんど出てこないんですけどね。この朝顔の情景がなんとも綺麗でいいなあ。あとはやっぱり曾我佳城、謎の多い彼女自身のことが気になります。(講談社文庫)


+既読の泡坂妻夫作品の感想+
「11枚のとらんぷ」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 秘の巻」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 戯の巻」泡坂妻夫
Livreに亜愛一郎シリーズ、ヨギ・ガンジーシリーズ、「乱れからくり」「煙の殺意」「毒薬の輪舞」の感想があります)

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大隈半島の先端近くにある竹茂という集落で竹の花が満開と聞き、その集落を訪れることにしたカメラマンの猫田夏海と、彼女の大学時代の先輩・鳶山久志。そこはわずか7世帯、12人の人間しかないという小さな村。荘子の思想を大切にしている一種のユートピアなのですが、しかし竹の花に誘われるように凄惨な事件が起きることに...
設定こそ横溝正史作品のようで(第21回横溝正史ミステリ大賞優秀作なんですって)、結構どろどろとした雰囲気になりそうなあらすじなんですが、中身は意外に飄々と軽かったです。これは主人公である猫田夏海のキャラクターですね。必要以上に陰惨な雰囲気にならなかったのはいいんですけど、でも彼女のキャラクターにあまり馴染めないまま終わってしまったかも...。軽妙というよりも、なんだか浮いているような気がしちゃって。それにあまりにあからさまにワトソン役すぎて、逆に気の毒というか。
でも竹はいいですね。中空についての話も面白かったし、やっぱり竹の花! 竹はイネ科なので、1つ1つは地味な花なんだけど、沢山集まると竹林全体に霞をかけたような幻想的な風景になるんですって。これが見てみたかったなあ。(角川文庫)

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有名な彫刻家・川島伊作が癌のため逝去。その遺作となったのは、1人娘の江知佳を形どった石膏像でした。しかし家人が伊作を救急車で病院に連れて行っている間、無人となったアトリエに何者かが忍び込み、その首を切断して持ち去っていたのです。その死の前日、偶然、江知佳と知り合いになっていた法月綸太郎は、その事件に巻き込まれることに。
いやー、「二の悲劇」から実に10年ぶりの長編なんだそうです。力作ですね! これぞまさに本格ミステリといった感じの、とても端整な作品。(だと思う) この物語の舞台となるのが、今から5年ぐらい前、まだ20世紀の頃というのが、執筆に相当時間がかかったんだなあと、ちょっぴり哀愁を漂わせてますが...。(笑)
彫刻に関する話はとても面白かったし、久々の探偵・法月綸太郎も相変わらずで、なんだか嬉しくなっちゃう。伏線の張り方も、いかにも法月さんーっ。最後の解決編がちょっと唐突だったり、「それ、本当にバレなかったの...?」って部分もあったんだけど、でもやっぱり面白かったです。いい作品を読んだなーって感じ。(角川書店)

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ビルの最上階で、社長が殺されていた! 暗証番号を打ち込まないと最上階には止まらないエレベーター、社長室の前の廊下の監視カメラ、オートロック式非常階段の扉などによって警備は万全。誰も侵入していない密室状態の社長室で、一体何があったのか。
貴志さん初の本格ミステリという作品。いやあ、面白かったです。こういう不可能状況って、なんだかワクワクしてきてしまいます。しかも密室のための密室って感じの突飛な設定じゃなくて、普通のオフィスビルの中っていうのがまたいいんですよねー。
探偵役となるのは、弁護士の青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径。女弁護士先生の方はちょっと薄味なんですけど、この榎本径がいいんですよ。叩けば埃がいっぱい出てきてゲホゲホしてしまいそうな人物で、なんか味があるのです。で、弁護士先生も頑張って推理しちゃったりなんかして(この発想も良かったな)、盛り上がってきたところで第2部へ。今度は犯人からの視点で語られる倒叙形式。本格ミステリというよりも、サスペンス物のような雰囲気になります。本当はこちらの第2部の方が、おそらく貴志さんの本領発揮なんでしょうね。...でも私は1部の方が面白かったなあ。あの盛り上がりを分断されてしまったし、最終的な謎解きが唐突な気がしちゃって、それだけはちょっと残念でした。とは言っても、これが犯人の心情を描くには一番なんでしょうし、それがなかったら全然説得力がなくなっちゃうんですよね。
これはぜひシリーズ化して欲しいな。で、榎本径の過去の話なんぞも読んでみたいものです。ふふっ、これは楽しそう♪(角川書店)


+既読の貴志祐介作品の感想+
「硝子のハンマー」貴志祐介
Livreに「青の炎」の感想があります)

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決して吉兆は占わず、人の不幸だけを恐るべき的中率で当て、多くの自殺者を生み、ついには書店から姿を消したという占い書「フォーチュンブック」。松本市内の書店の倉庫に残っていたこのフォーチュンブック6冊と、その本を巡る人々。そして昭和の歴史に残る数々の大事件が繋がり合っていきます。
最後もびっくりしたし、何とも上手いとしか言いようがないなあ。でもね、雰囲気が暗いんですよー。そのフォーチュンブックのせいなのか何なのか、一種異様な雰囲気。精神状態があまり良くない時に読んだら、引きずり込まれちゃいそうな感じ。
でもやっぱり上手いんですよねえ。(ほおぉっ)(徳間文庫)


+既読の北森鴻作品の感想+
「共犯マジック」北森鴻
「蜻蛉始末」北森鴻
「親不孝通りディテクティブ」北森鴻
「螢坂」北森鴻
「瑠璃の契り」北森鴻
「写楽・考」北森鴻
「暁の密使」北森鴻
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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「希望の形」光原百合

見ず知らずの女の子に、突然彼氏になって欲しいと言われた「俺」。10万円というバイト料につられて、オーケーするのですが...。
わー、いつもと雰囲気が違うんですね。えええ、そっちの展開になっちゃうの...?と思ったら、最後はちゃんと収まるところに収まってくれて、ほっ。...なんだか、違う意味で、とってもスリリングな短編でした。(?)
一矢と正憲、案外いいコンビかもしれないなあ。正憲の最後の台詞、なんかいいし♪ で、この頑固オヤジは、まるで「みんなの家」の田中邦衛みたいだなー。(笑)


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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江戸末期。上野の端にある小さな神社の禰宜を務める弓月の元を訪れたのは、由緒正しい大神社の権宮司・佐伯彰彦。彰彦は、弓月の夢告(ゆめつげ)の能力で、神社の氏子である蔵前の札差・青戸屋の1人息子の行方を占って欲しいと言うのです。
畠中さんの江戸時代物!やっぱりこの方は、江戸時代が合ってるんでしょうねー。どうしても若旦那のシリーズのインパクトが強いので、同じ江戸時代が舞台となると、どんな風に特徴を出すんだろう... とちょっぴり心配していたのですが、心配無用でした。こちらは妖怪こそ出ませんが、主人公の弓月もいい味出してますし、ほのぼのとして暖かくて、やっぱりこの雰囲気は大好きです(^^)。...ちょっと頼りなくて、でもやる時はやるゾ!って弓月のキャラクターは、若旦那と少しかぶってるんですけどね。(笑)
青戸屋の1人息子は一体誰なのか、神社に集まった彼らを狙うのは誰なのか、という謎が中心にあるし、弓月のゆめつげの能力が、本人にもなかなか意味が解けない謎の情景ということで、立派にミステリ仕立てと言える作品なんですが、でもミステリという以前に1つの物語として面白かったです。シリーズ化して欲しいような作品だけど、でもこれはもうこれでお仕舞いかなあ。ちょっともったいないような気がするけど、これは仕方ないかなあ。(角川書店)


+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「おまけのこ」
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
「いっちばん」畠中恵
Livreに「しゃばけ」「ぬしさまへ」「百万の手」「ねこのばば」の感想があります)

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