Catégories:“ミステリ(翻訳)”

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セントラル・パークで通りゆく人々の写真を撮って生計を立てているビンゴとハンサム。アパートの家賃にも困っている2人でしたが、ある日現像した写真にサンデー・ピジョンの姿が写っていることに気づきます。サンデー・ピジョンとは、7年前に忽然と姿を消して話題になった男。友人と東洋アンティークの輸入会社を経営し、日曜日にセントラル・パークで鳩に餌をやるのが習慣だった彼が姿を消してから7年、次の日曜日までに現れなければ、共同経営者のペニースが50万ドルの死亡保険金を受け取ることになっていました。ビンゴはサンデー・ピジョンを自分たちで探し出し、死亡保険金の分け前にありつこうと考えます。

大好きなクレイグ・ライスの作品。ミステリ作家さんもたくさんいますが、海外のミステリ作家さんの中で私が一番好きなのは、このクレイグ・ライスかも。...なーんて考えはじめると、いや、コリン・デクスターも捨てがたい、ハリイ・ケメルマンはどうした? ローレンス・ブロックにだってハマってるでしょ、ピーター・ラヴゼイだっているし、他にもあの人は? あの人は? あの人は? なんて他の作家さんの名前がどんどん出てきちゃって困るんですけど(笑)、少なくとも私の中では、海外ミステリ部門でトップ5に入る作家さんです。古き良き時代が舞台のコージーミステリ。特にヘレンとジェイクのシリーズの、粋でお洒落な雰囲気が堪りません~。
でも、創元推理文庫とハヤカワ文庫HMから出てる作品は全部読んでるんですが、実はハヤカワのポケットミステリに手を出したことがない私、この作品もポケットミステリから出ていたので未読なんです。また違うシリーズらしくて、今度はどんな雰囲気なのかドキドキ。

ということで、チビでやせっぽちで赤毛のビンゴと、長身で男前、超人的な記憶力の持ち主だけど頭の回転は鈍い、元新聞社のカメラマン・ハンサムのシリーズです。これが1作目。
保険金目当ての誘拐や脅迫などを企んではいても、いっぱしのワルぶっていても、主人公がワルになりきれないお人よしの2人なのが、とてもクレイグ・ライスらしいところ。いくら食費や家賃に困っていても、今にも部屋を追い出されそうだからといっても、誘拐した相手からお金を取るなんて!と、2人は妙なところで筋を通してますし、ピジョン氏ともすっかりお友達になってしまって、ピジョン氏が朝食に作ったオムレツのできばえにも感動して和気藹々と食事をしてるし、とっても和やか~。もちろん殺人事件も起きるし、2人も悪いヤツらに狙われ続けるんですけどね。そして、一見ビンゴがもっぱら計画を立てて、ハンサムをひっぱっているように見えるんですが、ふとしたところでハンサムの天然な言動にビンゴが助けられてるのも楽しいところ。でも今回はシリーズ1作目のせいか、話の展開自体はあまり...。今後の2人の活躍ぶりに期待、ですね。(ハヤカワ文庫HM)


+既読のクレイグ・ライス作品の感想+
「暴徒裁判」クレイグ・ライス
「セントラル・パーク事件」クレイグ・ライス
Livreに「マローン御難」「マローン殺し」の感想があります)

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修道士カドフェルシリーズの19作目と20作目。あとは短編集を1冊残すのみなので、長編はこれでオシマイです。淋しいー。でも、特に20巻で完結という作りになっているわけではないし、そういう意図もなかったようなんですが(エリス・ピータースは続編を書こうとしていたそうなのですが、その途中で亡くなられてしまったようです)、19巻では、1巻の「聖女の遺骨求む」で聖ペテロ聖パウロ修道院にやって来た聖ウィニフレッドの遺骨が盗まれるという事件で、カドフェルの行動を色々振り返ることになるし、20巻ではこれまでのスティーブン王と女帝モードの争いという歴史も大きく絡み合い、しかもこれまで探偵役に徹していたカドフェルが名実共に話の中心となり、最終作に相応しい物語となっています。

このシリーズは、12世紀という時代背景における人々の生活や修道院での暮らしが色々と描かれているのがとても興味深いんですが、今回は19巻に出てきた聖書占いというのが面白かったです。これは聖骨箱の上に福音書を載せて、目は他の方向に向けて両手で福音書を開き、人差し指で指した部分の文章を読み取り、解釈するというもの。今回の占いの結果に関してはやや出来すぎの感があるのですが、それでも臨場感たっぷり。荘厳で敬虔な雰囲気がよく現れていました。そんな偶然に頼るなんて! とも思ってしまうのですが、それも神の御心ということなんでしょうね。今よりも遥かに信心の篤いこの時代ならではの占いで、すごく面白かったです。
ただ、このカドフェルシリーズは何人かの訳者さんが訳してらっしゃるんですが、岡本浜江の訳だけ登場人物の言葉遣いが違うのが気になります。19巻もやけに古めかしい言葉遣いだし...。これでシリーズ全部を統一しているのならまだしも、訳者さん同士での連携というのはないのかしら? 1人だけ浮き上がってしまうのは問題だと思うんですけどねえ...。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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19世紀末。ワイオミングの寂れかけた銀鉱山の麓の町に、ネブラスカから来たマシュー・ダブチェクという若者がやって来ます。既に両親を失ったというマシューは、15人しか残っていない土地の人々から低賃金の半端仕事を引き受けながら、この町に居座ることに。しかしその頃ワイオミングの刑務所から、数々の犯罪を犯して終身刑を言い渡されている"リーダー"と呼ばれる凶悪犯が脱走していたのです。そして"リーダー"がこの土地に現れます。

日本では実に18年ぶりの新作だったんだそうですね。毎回作風ががらりと変わることで知られているトレヴェニアン、今回のこの作品は西部劇とのことなのですが...
それをすっかり忘れていた私、ワイオミングと聞いてもぴんとこなくて(ワイオミングには、「カウボーイ州」という俗称もあるそうです)、前半はごく普通の山間の村が舞台の話と同じ感覚で読んでました(^^;。中盤、酒場によくあるスイングドアが登場して初めて、西部劇の映像が出てきた程度。西部劇の囲気を強く感じなかったのは、読みやすかったところでもあり、勿体なかったところでもあり、ですね。
そして良かったのは、主人公のマシューの造形。このマシューという青年が掴みづらいんです。警戒心を持つ人々の間にも持ち前の愛嬌でするりと入り込み、詐欺師のように達者な弁舌で相手を煙に巻いているマシュー。でも何か得体の知れないものを隠して持っていて、印象が微妙に不安定。それが後半、"リーダー"が現れた時にマシューがヒーロー役になって「めでたしめでたし」になるはずのところに、すごく効いてるんですよね。そして物語の後日談にも。この後日談が、普通なら冗長に感じてしまいそうなところなんですが、すごく余韻が感じられて良かったし... こういうところがトレヴェニアンらしいところかな。結局、憧れのリンゴ・キッドになり切れなかったマシューが痛々しかったです。(新潮文庫)


+既読のトレヴェニアン作品の感想+
「夢果つる街」トレヴェニアン
「シブミ」上下 トレヴェニアン
「ワイオミングの惨劇」トレヴェニアン

Livreに「バスク、真夏の死」の感想があります)

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しゅがーはーと・ぶろぐのとしやさんが読んでらして興味を持った本。表紙も可愛らしいんですけど(画像がでなくて残念)、それに似合ったなかなか可愛らしいミステリでした。主人公がミステリ専門店をしてることもあって、会話やら思考やら小道具に海外ミステリ作品がいっぱい登場。いかにもミステリマニアが書いたミステリといった感じで、そういうのが楽しかったです。もしもっと翻訳ミステリに詳しかったら、きっともっと楽しかったのに! 日本に翻訳されてない作品もあるようなので、ある程度は仕方ないんですけどね。巻末に、作中に登場した作品のミニミステリガイドがあるのが、また嬉しいところでした。
でも邦訳としてはこの作品が第1弾だったそうなんですが、本国ではシリーズ3作目とのこと。こういうシリーズ物を、なんで途中から出すのかしら? 1作目2作目は訳さないのかしら。一番売れそうな作品をまず出してみて様子を伺うという姿勢も分からないではないけれど、一度出すと決めたんなら、もっと堂々と自信を持って出版して欲しいなあ。しかもこの作品は今も入手できるけど、8作か9作かあるシリーズの他の作品は軒並み入手不能状態みたいです。やれやれ。(ハヤカワミステリアスプレス)

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リナ・ラザラスとピーター・デッカーのシリーズ、4作目~6作目。話自体ももちろん面白いんですけど、日頃なかなか知ることのできないユダヤ教やユダヤ人、その生活習慣について詳しく書かれていて、そういう意味でもとても興味深いシリーズ。今回読んでみても、やっぱり良かったです~。特に「贖いの日」のラストシーンが最高。1巻からの人間関係が、色々な出来事を経て徐々に発展していくのも楽しみなんですよね。
でもこのシリーズを読むのはほぼ3年ぶり。以前3作目まですごく面白く読んでいたのに、なんで3年も中断してたか、前読んだ時の自分の感想を読んで思い出しました。最初は敬虔なユダヤ教徒のリナと、ユダヤ人でありながら敬虔なバプテストの家庭で育ったデッカーの宗教的葛藤がすごく面白かったのに、3作目で2人の関係がちょっと落ち着くと、ユダヤ教関係の記述がすごく減ったんですよね。このまま2人が上手くいっちゃうと、さらに減るんだろうなあ、と勝手に思い込んでたのが原因。どうやら私はミステリとしてよりも、ユダヤ教関係の話が読みたくてこのシリーズを読んでるみたいです。(^^ゞ
新作「逃れの町」も今年9月に出てます。来年になったら買って読もう。(創元推理文庫)

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子供の頃にポプラ社から出ていた南洋一郎氏訳の全集を読んで以来のルパンシリーズ。ホームズよりも断然ルパン派だったんで、母親に嫌がられながら(母は表紙が嫌いだったらしい)全集を1冊ずつ揃えてましたよー。いやあ、久しぶりでしたけど、結構覚えてるものですね。懐かしかったです。「怪盗紳士ルパン」は一番最初に出版された短編集。ルパンといえば泥棒なのに、実は謎解き物が多かったという覚えがあるんですが、この短編集の頃はかなり純粋に泥棒をしてて、そういう意味でも楽しい1冊。そして「カリオストロ伯爵夫人」は、後期に書かれた作品ながらも、20歳の頃のルパンの最初の大仕事の物語。「怪盗紳士ルパン」の頃の設定とは食い違う部分もあったりして、そういうのを見つけるのもちょっと楽しかったり...。(滅多にそういうのを見つけられないので) このままハヤカワからシリーズが刊行されていくといいなあ。特に好きだったのは、「奇厳城」「8・1・3の謎」「青い目の少女」(あれー、「緑の目の~」だと思ってたんですけどー)かな。またぜひ読みたいです。
そして映画化もされてましたけど、どうだったんでしょう。本の帯を見る限りでは、ルパン役の俳優さんはあんまりイメージじゃないんですが...。(公式サイト)(ハヤカワ文庫HM)


それにしても今日は寒かった! 祖母の家の辺りは雪なんて滅多に降らないのに、今朝は起きたら吹雪いていたのでびっくりでした。今日は交代して自宅に戻る日だったので、その雪の中を電車で帰らなくちゃいけなかったんですが(交代要員は昨日の晩のうちに到着してたのでセーフ)、途中でJRが止まっちゃうし、もうえらい目に遭いました。代行輸送でなんとか帰り着いたんですけど、最寄り駅からの帰り道の雪の多さには、またしてもびっくり~。朝積もってたとしても、もう午後だからすっかり溶けてるだろうと思ったのに、全然なんですもん。裏がつるつるの靴で、すっかり踏み固められた雪の上を歩くのは怖かったです。雪は大阪の方が断然凄かったのね。(祖母の家の辺りは吹雪いてたけど積もってなかった) この間の日曜日の朝に、この冬初めての雪がちらちら舞ってはいたんですが、いきなりこんなドカ雪が降るとは。疲れたー。
今日は祖母の家の工事のために大阪から業者さんが来ることになってたんですけど、雪が凄すぎて高速道路まで辿り着けないって電話があって延期になったんです。どんな状態だか、身をもって納得しました。大阪で雪かきをしてる光景なんて初めて見たわ。(笑)


+シリーズ既刊の感想+
「怪盗紳士ルパン」「カリオストロ伯爵夫人モーリス・ルブラン
「奇岩城」モーリス・ルブラン
「水晶の栓」モーリス・ルブラン

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修道士カドフェルシリーズの17巻と18巻。現在発刊中なんですが、最終的に全21巻となることは既に決まっているので、これを読んでしまうと、あと3冊だけになっちゃうんですよねえ。なんか淋しいなあ。

さて、「陶工の畑」とは、聖書の「マタイによる福音」に登場する言葉。キリストを売って銀貨30枚を得たユダは、その後自分のしたことを後悔して首をつって死ぬのですが、その時にユダが神殿に投げ込んだ銀貨の扱いに困った祭司長たちは、「陶器職人の畑」を買って外国人の墓地にするんですよね。なのでキリスト教徒にとっては、どことなく不吉なイメージのある言葉。(陶工って、職人の中でも一番低く見られることがあるそうなんですが、きっとこの辺りが関係しているんでしょうね) そしてそんな題名が象徴するような事件が起こります。「陶工の畑」と呼ばれる土地に埋められていた女性の白骨死体は、一体誰の死体? 物語自体は、カドフェルシリーズらしいオーソドックスさなのに、謎の出し方がいつもとちょっと違っていて目新しい感じ。それぞれに愛する者たちを庇おうとするために、真実に辿り着くまでにかなり遠回りしてしまうことになります。
そして「デーン人の夏」は、「カドフェルまたしてもウェールズに行く」編。題名のデーン人というのは、平たく言えばデンマークから来たバイキングのこと。この頃にはアイルランドやスコットランド、ウェールズにも侵攻して、一大勢力となっていたようです。この作品では、3巻「修道士の頭巾」に登場した見習い修道士のマーク、9巻「死者の身代金」に登場したオエイン・グウィネズが再登場して嬉しい限り。終生住む場所はシュルーズベリの修道院と心を決めているカドフェルも、時々旅をしたくて堪らなくてうずうずするようで、ウェールズ旅行がもう楽しくて仕方ないみたい。今回は背景事情も人間関係も複雑で、冒頭で思わぬ苦戦をしてしまったんですが(3回も読み直す羽目に...)、途中からは面白くて止まりませんでしたー。そういえば「死者の身代金」もすごく面白かったし、エリス・ピーターズ自身、ウェールズとなると執筆にかなり力が入るのかも。(笑) (光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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