Catégories:“ミステリ(翻訳)”

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イギリスの由緒正しい貴族の館・パラダイン館は、現在は一部がカントリークラブとして解放されていました。しかしこのパラダイン家には代々伝わる呪いがあったのです。突如として、居もしない尼僧が館の中をうろつき、外から鍵がかけられた人気のない音楽室ではハープが曲を奏で、さらにはポルターガイスト現象が... そしてロンドンで心霊探偵をしているアレグザンダー・ヒーローが呼ばれることに。

ポール・ギャリコ唯一の長編本格ミステリという作品。意外としっかりとした本格ミステリなので驚きました。とは言っても殺人など物騒なことは起きなくて、もっぱら心霊現象の解明なんですが。(笑)
館に住んでる人間は6人、そして泊り客は12人。とにかく登場人物が多くて、最初は混乱しちゃいました。この辺りがもうちょっと分かりやすいと良かったんですが... でも分ってみれば、皆それぞれに個性的。そして探偵役のアレグザンダー・ヒーローが、本当は心霊現象を見てみたいと思ってるのに、心ならずも科学的に解明することになっちゃうっていうのがいいんですよね。心霊現象には冴えてる彼も、思わぬところに弱点があったり。(笑) このアレグザンダーと義理の妹のメグがいいコンビなんですよ。シリーズ物にならなかったのが、とっても残念。
そしてこの彼がロンドンの家で使ってる家政婦さんが、ハリスおばさん! ハリスおばさんのシリーズは最近復刊したばかりで、ぜひ読んでみたいと思ってたのです。なんか嬉しい♪ ギャリコは、コンプリート目指します!(創元推理文庫)


+既読のポール・ギャリコ作品の感想+
「トマシーナ」ポール・ギャリコ
「セシルの魔法の友だち」ポール・ギャリコ
「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」ポール・ギャリコ
「われらが英雄スクラッフィ」ポール・ギャリコ
「幽霊が多すぎる」ポール・ギャリコ
「猫語の教科書」ポール・ギャリコ
「ハリスおばさんパリへ行く」「ハリスおばさんニューヨークへ行く」他2冊 ポール・ギャリコ
「七つの人形の恋物語」「スノーグース」ポール・ギャリコ
「トンデモネズミ大活躍」「ほんものの魔法使」ポール・ギャリコ
「ポセイドン」上下 ポール・ギャリコ
「ザ・ロンリー」ポール・ギャリコ
「「きよしこの夜」が生まれた日」ポール・ギャリコ
Livreに「ジェニィ」の感想があります)

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2001年9月11日に起きた同時多発テロの後のニューヨークを描いたノン・シリーズ作品。とは言っても、それはあくまでも背景であって、そのこと自体にはそれほど触れてませんが...。
主人公は特にいなくて、敢えていえばテロを体験したニューヨーカー全員、もしくはニューヨークという街自体、でしょうか。書いてるのがブロックなので、どの人物もそれぞれに存在感たっぷり。ニューヨークという街もリアル。でもねー、長いんですよ。いつかは全作品を読みたいと思ってるほど好きなブロックだけど、これはどうなんだろう...? この半分の量でぴりっと引き締めて欲しかったー。読んでいて、ちょっとつらかったです。本筋とは直接関係ないエピソードも多かったですしね。しかも性的倒錯場面の多いこと。確かに訳者あとがきで田口俊樹さんが書いてらっしゃるように、9.11テロが「死」だとしたら、ここに描かれている性は「生の謳歌」だというのは納得がいくんですが...。きっと自分が生きている証のようなものを求めて、ひたすらそちらに突き進んでしまってるんでしょうけれど。
途中私立探偵が登場して、その男が警察に20年勤めた後に私立探偵となった飲んだくれ、とあったので「もしや...?」期待したんですが、マット・スカダーではなかったようでちょっと残念。まあ、ローレンス・ブロックはそういうことをするタイプじゃないですね(^^;。(二見文庫)


+既読のローレンス・ブロック作品の感想+
「死者の長い列」ローレンス・ブロック
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック
「処刑宣告」ローレンス・ブロック
「砕かれた街」上下 ローレンス・ブロック
Livreにマット・スカダーシリーズ、「泥棒は野球カードを集める」「殺し屋」の感想があります)

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リンダ・ハワード作品を読むのは初めてです。全然知らなかったんですが(この本もいきなり貸してもらったので)、「ロマンス小説の女王」と呼ばれる方らしいですね。
これは、CIAの契約エージェントという女性が、親友夫婦(2人とも引退したCIAの契約エージェント)とその養女を殺された恨みから、常に厳戒警備のマフィアのボスを殺し、引退していたはずの親友夫婦が、なぜまた危ない仕事を始めたのかを探っていくという話。マフィアの一家は当然血眼になって彼女を探すし、勝手な行動をしたことからCIAからも追われることになるし、CIAから派遣された男とは恋仲になるしで、サスペンスとミステリとラブロマンスの三本立て。
彼女がマフィアのボスを暗殺するシーンはかなりの緊迫感だし、その後その一家の手下に追われながらも鮮やかに撒いてしまうところなんて結構面白いんだけど... 全体的に見ると、なんだか無難にまとまり過ぎてたような気も。最初の方で「なんでそんな行動をする?」と思ったのが尾を引いたのか... それとも肝心のラブロマンス部分がいかにもアメリカ的でイマイチだったのか...(多分どっちも) 相手の男性は面白いキャラなんですけどね。でもすんなり上手く行き過ぎというか... ハリウッド映画的というか... ああ、映画にするといいかもしれないですね。そんな感じの作品でした。(二見文庫)

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マット・スカダーシリーズ13作目。このシリーズにもIT化の波が来ていて、マット・スカダーもTJという助手にしきりとパソコン導入を勧められてます。
今読むと、「まだパソコン使ってないの?」「やっぱりマット・スカダーも新しい物は苦手なのねー」って感じだったんですけど、でもよく考えてみると、この文庫が出たのは今年なんですけど、単行本で出たのって1996年なんですよね。1996年でパソコンがまだでも、それって全然遅くないんじゃ... てか、3作前の「獣たちの墓」で、ハッカー少年たちが大活躍するんですけど、この作品が日本に発表されたのが1993年。まだWindows3.1の時代じゃん!(日本語版でも、それほどタイムラグがないはず) それ以前の作品でも、警察のコンピューターで情報を調べてたような気がするし、実は結構時代を先取りしてる作品だったんですねー。今まではどちらかと言えばアナログなイメージを持ってたシリーズだけにびっくりです。だって、マット・スカダーは「足で稼ぐ」タイプの探偵なんですもん...。この作品でも、マット・スカダーがTJをポケベルで呼び出してるのが違和感だったんですが、1996年頃だとそっちの方が普通ですものね... ほんとびっくり。

でもこういう最先端技術を本に取り入れるのって難しいですね。いくら新しいこと書いても、出た時すぐに読まなかったらどんどん古くなっちゃうんですもん。最先端技術だけでなく、時事的な問題も。例えば、服部真澄さんの作品は、「龍の契り」と「鷲の驕り」しか読んでませんが、どちらもとても読み応えがあったし、出てすぐ読めばものすごーく旬な作品だったはずなのに、3~4年遅れて読んだ私にとってはちょっぴりツラかったんですよね。(「龍の契り」は、香港返還の直前に読みたかった!) でも井上夢人さんの、コンピューターウィルスを扱った「パワー・オフ」は、1996年に出た作品で読んだのが2002年。まだフロッピーディスクしかないような時代の話なのに、全然古く感じなかったんです。川端裕人さんの、クラッカー集団のサイバーテロの話「The S.O.U.P.」も夢中になって読んだし、他にも全然古く感じなかった作品は思い出せば色々とあるはず。
一体どこにその差があるのかしら?

...と思いつつ。
別にこの作品が古臭く感じられたという話じゃないんですけどね。この作品の中では、そういう電子機器はあくまでもメインじゃないし。でもそろそろポケベルの代わりに携帯電話が登場して、パソコンが活躍する頃かもしれないなー。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「過去からの弔鐘」「冬を怖れた女」「一ドル銀貨の遺言」「暗闇にひと突き」「八百万の死にざま」「聖なる酒場の挽歌」「慈悲深い死」「墓場への切符」「倒錯の舞踏」「獣たちの墓」「死者との誓い」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「死者の長い列」ローレンス・ブロック
「処刑宣告」ローレンス・ブロック

+既読のローレンス・ブロック作品の感想+
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック
「砕かれた街」上下 ローレンス・ブロック
Livreに「泥棒は野球カードを集める」「殺し屋」の感想があります)

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久々の猫の事件簿シリーズ。
「猫が消える町」の方は、ナンシー・ピカードの表題作が一番面白かったです。このシリーズでナンシー・ピカードの作品は2作目。やっぱり短編もなかなかいい感じ。短いのに、町の情景やそこに住む人々の明るい雰囲気が伝わってきました。他の作品は、まずまずってとこかな... 本としては「in ハリウッド」の方がずっと面白かったです。こちらはハリウッドが舞台となっているだけあって華やか。懐かしい有名スターの名前も登場するし、映画や舞台を巡る人々の人間ドラマみたいなのも面白かったし。(そういえば、メガンという名の女性がやけに登場するんですけど、女優や歌手に向いてる名前なんでしょうか...?)
でも「猫が消える町」には9編なんですが、「in ハリウッド」には17編も入ってるんです。合計26編。これだけ短編が続くとちょっとツライものが...。短編集を読んでるといつも、無性にずっしりした長編が読みたくなってくるんですよね、私(^^;。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「猫の事件簿」ピーター・ラヴゼイ他
「貴婦人のペルシャ猫」エドワード・D・ホック他
「魔女のオレンジ猫」シャーロット・マクラウド他
「宝石商の猫」ウィリアム・L・デアンドリア他
「猫が消える町」「inハリウッド 猫の事件簿」ナンシー・ピカード他

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「にぎやかな眠り」に続く、シャンディ教授シリーズの2作目。今回は強盗とか殺人事件とか、バラクラヴァ農業大学畜産学部の大切な大切な豚のベリンダが誘拐されたりとか(表紙の彼女です←天野喜孝さんのイラスト、可愛い!)、年に1度の馬の競技会に対する邪魔工作があったりと盛りだくさん。
やっぱりこのシリーズ、登場人物がすっごくいいです。特に今回はイデューナという女性がいいんですよー。この女性に対するシャンディ教授の第一印象は、「グッドイヤーの気球そっくりの体形」の「人間ツェッペリン」。このグッドイヤーの気球というのが分からなかったので検索してみたらこんなのが出てきました。ひ、ひどい...(^^;。 歩き方も、「七月四日の独立記念日のパレードで子供が持っているピンクの風船のように、元気よくはずむ感じでただよって」いるですって。すごい言われようですね。でも、彼女がにっこりすると、誰もが笑顔を返さずにはいられないし、男性陣はみんな彼女が気になって仕方ないのです。そして豚のベリンダの世話をしている畜産学部長のダニエル・ストット教授もかなりいい恰幅なんですが、「ストット教授が豚に生まれていたら、きっとこのうえなくすばらしい豚になっていたことだろう」という表現をされてて、なんか可笑しい。農業大学を中心とした町なので、普通の都会的なスレンダーな美女やハンサムさんには用がないみたいです。(笑)
盛りだくさんな出来事が綺麗にパタパタと解決していくのも気持ちいいし、しかも思わぬところに伏線が潜んでいてびっくり。同僚のエイムズ教授の家に、おっそろしい家政婦さんが来てしまったので(ものすごい掃除魔で、家の前を通るだけで漂白剤の匂いがする始末...)、シャンディ教授はイデューナをエイムズ教授の奥さんにして、その恐ろしい家政婦を追い出そうなんて言ってたりするんですけど、その辺りの展開も楽しいところ。殺人は起きるんですが、それでもやっぱりほのぼのした魅力が失われなくて素敵。続きも読みたいんだけど、次の「ヴァイキング、ヴァイキング」は未入手。積読本がもう少し減ったら買って来ようっと。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「にぎやかな眠り」シャーロット・マクラウド
「蹄鉄ころんだ」シャーロット・マクラウド
「ヴァイキング、ヴァイキング」「猫が死体を連れてきた」シャーロット・マクラウド

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クリスマスのイルミネーションの時期だけ、見物人で賑わうバラクラヴァ。その中でただ1人協力せず、毎年グランド・イルミネーション委員会にせっつかれていたシャンディ教授、今年は悪戯心を出してしまいます。専門業者に悪趣味な飾りつけと大音響のクリスマスソングを頼み、ちょっとやそっとじゃスイッチを切れないようにして、そのまま船旅に出かけてしまったのです。しかし船のエンジン・トラブルで、すぐに自宅に戻ることになった教授を待っていたのは、暗くひっそりと静まり返った家。そしてイルミネーション委員会のジェマイマの死体でした。

ずっと気になってたシャンディ教授シリーズの第1作。ようやく読めました。
大学教授が探偵役で、その専門知識を生かして推理というミステリは結構ありますし、比較的最近読んだ中では、アーロン・エルキンズのスケルトン探偵・ギデオン・オリヴァー博士のシリーズが印象に残ってるんですが(「古い骨」「暗い森」の感想)、こちらのシャンディ教授は、応用土壌学が専門。また変わったものを持ってきてますねー。(笑) 応用土壌学と言われても正直ピンと来ないんですけど、どうやら土というよりも、植物の品種改良がメインみたいです。巨大なカブを作り出していて、その特許料が毎年結構入ってきてるみたいだし、毒性を持つ植物なんかにも詳しいみたいだし。とは言っても、この1作目ではその知識がそれほど生かされていないようだったのが、少し残念だったのですが。これからのシリーズで、もっとそういう部分が前面に出てくるといいな。
殺人は起きるんだけど、基本的にほのぼのとしたミステリ。同僚のエイムズ教授やその親戚のヘレン・マーシュ、そして大学の学長夫妻など、周囲の登場人物がすごく個性的で楽しかったし、これは続きも読んでみたいな。これから先の展開も楽しみです。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「にぎやかな眠り」シャーロット・マクラウド
「蹄鉄ころんだ」シャーロット・マクラウド
「ヴァイキング、ヴァイキング」「猫が死体を連れてきた」シャーロット・マクラウド

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