Catégories:“ミステリ(翻訳)”

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ローマにやって来た売れないミステリ作家の「わたし」は、ブルネッティという名の市立探偵が活躍する物語を書くために、ある料理店(トラットリア)にかけあって、その店を舞台にする代わりに無料で食事をさせてもらう約束を取り付けます。極上のイタリア料理を堪能しながら、「わたし」の執筆は順調に進むのですが...。

これは本のことどもの聖月さんのオススメ。(聖月さんの感想はコチラ
売れないミステリ作家の「わたし」が小説として書いているブルネッティの物語と、「わたし」が実際にローマで過ごしている物語の2つの流れがあって、その2つの流れが交錯していくという展開。どちらにも同じ名前の人物が登場してちょっぴりヤヤコシイし、そもそも2つの流れの境目が2~3行の改行だけなので分かりづらいのが難点なんですよね。(伊坂幸太郎さんの作品みたいに、間に小さいマークが入ってたらいいのに) でも2つの流れの双方で毒殺事件が起きる辺りからぐんぐんと面白くなります。ブルネッティを主人公にした小説部分には、最初は出来の悪い小説を読んでいるような感じだったのに、それもいつの間にか作品全体にしっくりと馴染んでるし、人は良いけれどかなり抜けているブルネッティに、どちらかといえば抜け目のない「わたし」がだんだん引っ張られてくようなところも面白かったです。
それに料理店が舞台だけあって、美味しそうな料理が満載! いいなあ、美味しいイタリア料理食べたいなあ。(という私はペンネアラビアータが一番好きなんだけど、これは登場しなくて残念(^^;) しかも、家に居ながらにしてローマの市内観光まで出来ちゃいます。(北イタリアには行ったことがあるんだけど、ローマには行ったことないのよね。行ってみたいー。)
ちなみに作中に登場する「わたし」の作品は、本当にベルンハルト・ヤウマン自身の作品だったのでびっくり。それが分かって読んでたら、一層面白かっただろうな。それ以前の4作品が全然日本語に訳されてないようなのが残念です。(扶桑文庫)

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スター紙の記者ウェルズに情報屋が持ち込んだネタは、上院議員選に立候補中の下院議員が女優の卵相手にSM行為をしている写真。ウェルズは、スター紙はファミリーペーパーであり、議員の私生活は議員自身のものだと、そのネタを断ります。しかし翌日情報屋の死体が見つかり、ウェルズが見た写真のことがマスコミに漏れたことから、ウェルズの新聞記者生命は危うくなることに。

新聞記者・ジョン・ウェルズのシリーズ3作目。1作目の「幻の終わり」の時は、正直あまり面白いと思わなかったんですけど、「暗闇の終わり」そしてこの「夏の稲妻」とどんどん面白くなってるような... シンプルで渋いハードボイルドです。(伊坂幸太郎さんがお好きだそうな)
これが日本での話なら、どんな新聞や雑誌でも議員のSMネタなんて放っておかないんじゃないかとも思うんですが、アメリカでは違うんでしょうか。もちろん1人の人間である以上、プライバシーは絶対に必要だし、自分が記者だったとしてもそんな記事でスクープをものにしたいと思わないだろうと思うんだけど... どうなんだろう? ウェルズみたいに、そういう時でも自分の価値基準を忘れずに突っ張れるのってカッコいい。逆に頑固すぎて、自分で自分の首を絞めるような真似もしちゃうわけですが...。(創元推理文庫)

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車で気ままな田舎旅行に出かけたヘレンとジェーク。しかし釣りの許可を取ろうとジャクソンの郡役場を訪れた2人は、建物の中で嵐が過ぎるのを待っている間に殺人事件に巻き込まれてしまいます。アリバイはあるものの、彼ら2人はここではあくまでも「よそ者」。保安官はヘレンとジェークの2人が重要参考人だと言い張り、ヘレンは急いでマローンに電報を打つことに。

マローンとヘレンとジェークのシリーズ。これは「大当たり殺人事件」の後に執筆された作品なのだそう。ずっとポケミスでしか出てなかったんですが、ようやく文庫になってくれました。(未だにポケミス未体験者なのだ)
今回はシカゴではなく、ウィスコンシン州の田舎町が舞台。ヘレンは相変わらずの美しさ可愛らしさなんだけど、今回はあまりその活躍が前面には出てなくて残念。心配させられるばっかりで、あざやかなブルーのコンヴァーティブルを疾走させるチャンスもほとんどなし。これが寂しーい。暴走しちゃったヘレンが大好きな私にはちょっと物足りなかったな。3人ともシカゴにいる時ほど飲んだくれてないし、ジェークも冴えないし。(今までは「ジェーク」じゃなくて「ジェイク」だったと思うんだけど...?)
でも今回も印象的な人物が登場してました。それは、莫大な金を失ったショックで1929年で時間が止まってしまい、相変わらず禁酒時代を生きているヘンリー。頭はいいし、会社経営も上手くいってるのに、彼の中の時間だけがストップしちゃってるのです。これがユーモラスなんだけど、人生の悲哀なんだなあ。(ハヤカワ文庫HM)


+既読のクレイグ・ライス作品の感想+
「暴徒裁判」クレイグ・ライス
「セントラル・パーク事件」クレイグ・ライス
Livreに「マローン御難」「マローン殺し」の感想があります)

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作家としての再起を図っているホーギーの元に届いたのは、差出人の名前がない手紙。それは小説家志望者からの自作小説の第1章でした。小説はただの白いタイプ用紙にタイプされていて、添えられた手紙の最後にあるアンサーマンという名前があるだけ。そしてその小説の内容は、アンサーマンという男が街で知り合った女性を殺すまでの顛末。一読したホーギーは、その才能に驚きます。しかし翌朝、ホーギーはその小説の内容と同じ殺人事件が起きていたことを知ることに...。

ホーギーシリーズの第8弾。小説のストーリーの通りに殺人事件が起きていくというストーリー展開自体はそれほど目新しくないんですが、今回はホーギーの学生時代のエピソードが登場するのが嬉しいです。そういえば、これまで学生時代の話って出てきてなかったんですねー。仲が良かった3人組も今は昔、「青春時代の栄光」と「人生の悲哀」って感じになっちゃって、下手すると暗くなりそうな展開なんですが、でも相変わらずのお洒落な語り口で、さらっとほろ苦い青春物語となっています。シリーズ前半の勢いこそなくなってるけど、やっぱり高め安定。でも本国ではこの作品を最後に続編が出てなくて、新シリーズが始まってるとのこと。もしやこれでおしまい...? 曲りなりにも、作家として再起できたから?! 1歳半のトレーシーも可愛い盛りだし、意外なカップルのその後の生活ぶりも気になるし、まだまだ彼らの会話を楽しみたいのになあ。もっと書いてくれないかなあ。(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「真夜中のミュージシャン」「フィッツジェラルドをめざした男」「笑いながら死んだ男」「猫と針金」「女優志願」「自分を消した男」「傷心」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「殺人小説家」デイヴィッド・ハンドラー

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老人ホーム「海の上のカムデン」シリーズ第4作目。相変わらずのアンジェラとキャレドニアのおばあちゃんパワーが炸裂。可愛いです~。そしてそんなおばあちゃんたちに愛情と敬老の精神たっぷりで接しているマーティネス警部補も、相変わらずの男前。ああ、私もこんな風に「公的には勤務中です。が、実際のところ、大好きなご婦人がたとコーヒーを飲んでも差し障りはありません」なんて言われてみたいものだわ!(おばあちゃんになった時にね) こんな風に歳を取れるなら、それも悪くないかもしれないなー、なんて思いながら読んでいたら、解説でも光原百合さんがそんなことを書いてらっしゃいました。(笑)
そして今回は、意外と冒険心旺盛だったトム・ブライトン翁も素敵でした。このシリーズって、中心となっているのが老い先の短い人たちなので、ふとした時に人生の年輪や重みが感じられるのもいいんですよね。老人ホームでは人間の死が決して珍しくないからこそ、普通のミステリ作品とは一線を画しているような。コリン・ホルト・ソーヤー自身が老人ホームに入っているだけあって、その辺りはとてもリアルです。本当は日常の謎が似合いそうな環境とキャラクターなんですけど、でもやっぱり殺人事件だかなこそ、感じられるものがあるんだと思ってます。まあ、シリーズが進んでいくにつれ、その辺りは少しずつ薄れてはいるのですが。それに殺人事件でないとマーティネス警部補は来ないしですしねー。(それは大変!)

マーティネス警部補の顔立ちは、アンジェラによるとメキシコ系の俳優・ギルバート・ローランド似。そのギルバート・ローランドの写真は、以前つきんさん@TSUKIN-BOOKS に教えて頂きましたので、よろしければどうぞ。コチラです。同じ写真ですが、こんなのこんなのも迫力があります。(笑)(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「老人たちの生活と推理」コリン・ホルト・ソーヤー
「氷の女王が死んだ」「フクロウは夜ふかしをする」コリン・ホルト・ソーヤー
「ピーナッツバター殺人事件」コリン・ホルト・ソーヤー

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修道士カドフェルシリーズの16冊目。もう16冊も読んだのかー... と、なんだか感慨深いです。読んでいてとても心地良いシリーズなので、あと5冊しか残されてないのがちょっと寂しいのですが。
今回は中心となるのは、まず異端問題。この時代ならではですね。イレーヴ青年の持った「生まれたばかりの赤ん坊が、洗礼を受けていないという理由だけで地獄に落とされるというのか?」という疑問や、「人は、神の恩寵を受けるために日々努力するべきであり、ただ単に救いを待つべきものではない」という言葉は決して間違っていないはずだし、当然だとも思うのに、キリスト教の教義に対して疑問を持つこと自体が異端であり、断罪されかねないこの時代では、神を冒?する言葉としてしか受け止められないんですよね。そもそも「父と子と聖霊の御名によりてアーメン」という三位一体の言葉自体、突き詰めて考えるとすっごく難しい問題のはずなのに、それが上手く理解できないというだけで異端とされちゃうなんて。(私だって、何度唱えたか分からないけど、まだ理解しきれてないぞ!) その辺りのややこしい問題がエリス・ピーターズによってとても入りやすくまとめられているのが興味深かったし、ラドルファス院長やカドフェルの懐の深さが改めて感じられて、とても良かったです。
あと今回はヴェラム皮で作られた祈祷書が登場。これが見てみたい! 本文中の描写を読んでるだけでもとても美しいのです。かなり具体的な描写なので、きっとモデルがあるのだろうと検索してみたんですけど、作り手や持ち主の名前では何も出て来なくて残念。やっぱり、ずばりそのものがあるわけではないのね。... でもどんな本なのかぜひ見てみたいなー。(光文社文庫)


やっぱり本は私にとって一番の精神安定剤だな。と、ふと。
精神的にキツくなってくると読了数が増えるという、不健全な本読みですが(^^;。


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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瀕死のハルイン修道士がカドフェルと院長相手に懺悔。恋人と引き裂かれて18歳で修道院に入ったハルインですが、実は恋人のおなかの中には、既に彼の子が宿っていたのです。そのことを恋人の母親から知らされたハルインは、求められるままにカドフェルの薬草で堕胎薬を調合。しかし恋人はその堕胎薬によって、おなかの赤ちゃんもろとも亡くなってしまったというのです。

修道士カドフェルシリーズ15冊目。今回は懺悔した修道士とカドフェルが、修道士のかつての恋人の墓参りをするために恋人の母親を訪れます。今回はいつも以上にフェアに書いてあるのかしら... あれ?と思ったら一気に謎解きまで全部分かっちゃいました。とは言っても、この作品はミステリだけの作品じゃないので、全然大丈夫なんですけどね。カドフェルを巡る人間ドラマは相変わらず読ませてくれます。それにしても、その恋人だった女性のお母さん、怖ーい。や、彼女自身も哀しい人生を送ってるのは良く分かるんですが...。でもハルイン修道士に関しては、良かった良かった。たとえ事故で足が不自由になっても、心が不自由なまま過ごすよりは、彼にとってはずっと幸せなんですものね、きっと。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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