Catégories:“青春小説”

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荒唐無稽、奇想天外、豪放磊落な「じーさん」の物語。「男の価値ってのはなぁ、どれだけ無茶苦茶やって生きていくかだ」が口癖のじーさんは、80歳を過ぎた今でも無敵。なんせ今までじーさんより強かったのは、優しくて穏やかだった、死んだ婆ちゃんだけなのです。しかしそのじーさんが、サイパンでの宝探しの最中に行方不明になってしまいます。

もうじーさんがとにかくかっこいい! まるで劇画のような展開で、どこからどこまでが本当なんだ~?って感じなんですけど(小説なんだから、全部虚構なんだってば)、このパワーとテンポの良さの前には、そんなのどうでも良くなっちゃいます。「殺しても死なない」というのは、こういう人のためにある言葉なんですねー。家族もそんなじーさんに慣れてしまっていて、多少のことには動じなくなっちゃってます。それでも最後の最後は、さすがにもうダメかと思われるんですが...(笑)
終盤はちょっぴりダレちゃったんですけど、でもとっても楽しくて、読むだけで元気を分けてもらえそうな物語でした。そして、このじーさんの冒険談をまとめたのが、「図書館の水脈」の彼なんですねっ。うふふ、これでまた1つ繋がったわ♪(講談社)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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夏いっぱいアルバイトに励みながら芝居を作り、8月終わりに開催される演劇コンクールに出場して賞金の100万円を頂いてしまおうと鹿爪島にやってきた、コント劇団コカペプシの4人。その面々と同じフェリーに乗っていたのは、今回初の官能小説に挑戦するために、島のホテルに缶詰になることになった大桃佳苗と、アシスタントをしている従妹の大岩律子。男好きな佳苗は早速コカペプシのメンバーに目をつけ、4人と親しくなることに。

「官能」なんて言葉が出てきてますが、爽やかな夏の物語です。恋愛はもちろん、島に産業廃棄物を持ち込む業者なんかも問題になって、そこに劇団の脚本や佳苗の書く小説のストーリーなんかも絡んできて、なかなかの盛り沢山な内容となっています。脚本と小説、それぞれお互いをモデルにしてアイディアを膨らませていくところが楽しいんですよね。キャラクターも立ってるし、テンポも抜群。でもねー、もっと青春物語に絞っても良かったかなって気も...。盛り沢山なのはいいんだけど、そのせいでちょっとせわしないし、知らない間に時間が経ってしまっていて、置いてきぼりを食らってしまった気分。終盤のミステリ風味もいらなかったんじゃないかと思うし...。
と言いつつも、気軽に読めて楽しめた1冊。この劇団のその後の話も読んでみたいなあ。(角川春樹事務所)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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都内の私立高校に通う在日コリアンの「杉原」。中学3年の時に北朝鮮籍から韓国に籍を移したのをきっかけに、一念発起して日本人の通う高校を受験。でも中学までは民族学校に通っていたことがあっという間に広まって、学校ではほとんど友達も出来ない状態。そんな杉原が、ある時出会った「桜井」という女の子と恋をして...。

なんとなく重苦しい作風をイメージしてしまって、今まで敬遠していた金城作品。全然違ったんですねー。国籍問題という重いテーマを扱いながらも、とっても軽快。杉原本人が言ってるほどの恋愛小説かどうかは... でしたが(笑)、良かったです。何が良かったって、とにかく登場人物が! 特に主人公の杉原とそのお父さんがいいなあ。熱くてかっこいい! ただ、いくら韓国籍になってお母さんも強くなったからって、儒教の教えがしみついてるはずの杉原に父親に殴りかかるなんてことできるのかなあ、なんて思ったりもしたんですけどね。でもそういうシーンもひっくるめて、すごく良かったです。
で、この作品を読んでて思い出したのが、鷺沢萠さんの「君はこの国を好きか」。でも「GO」と「君はこの国を好きか」は、同じように在日韓国人が主人公で、その主人公たちが自分自身のことを考えさせる物語なのに、スタンスがまた全然違うんですね。「君はこの国を好きか」での主人公は、自分が韓国人なのに韓国のことを全然知らないことにショックを受けて、自分のルーツをもっと深く知ろうとするんですけど、「GO」の杉原はもっとグローバルな視野を持とうとするというか。でも国籍を変えることがあんまり簡単なのに驚いて、国籍なんてどこでも一緒と思ってるような杉原も、やっぱり日本国籍にはしようとしないし、桜井にも本当のことがなかなか言い出せないんですよねえ。
それにしても、自分が何者なのかちゃんと自覚してる日本人って、一体どのぐらいいるんでしょ。(自分も含めて) 日本人として日本にいる限り、普段は全然考えなくても済むことなんですよね。こういう作品を通して一歩踏み出すのは、すごくいいのではないでしょうかー。今度DVDも借りて来ようっと。(講談社文庫)


これで留守中の分の更新は終わりです♪


+既読の金城一紀作品の感想+
「GO」金城一紀
「レヴォリューションNo.3」「フライ、ダディ、フライ」金城一紀
「SPEED」金城一紀
「対話篇」金城一紀
「映画篇」金城一紀

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「海辺のカフカ」を読みながら、ふと一人旅に出てしまった売れない作家と、同じように「海辺のカフカ」を読んで四国旅行に出たカップルの物語。昨日のたらいまわし企画のエントリを書きながら、図書館解禁になったら読もうと思っていた竹内真さんの作品をまだ読んでないのに気付いて、早速これを借りてきました。いやー、面白かった! もしまだたらいまわしのエントリをアップしてなかったら、これも入れたかったぐらい。読みながら何とも心地よくて、もう本の世界から戻って来たくなかったです。(笑)
「海辺のカフカ」へのトリビュート作品と聞いてたんですけど、カフカだけじゃなかったんですね。カフカ以外の村上春樹作品はもちろん、藤子藤雄氏の「パーマン」から(笑)、徳富蘆花、「ドン・キホーテ」、「クローディアの秘密」、「ライ麦畑でつかまえて」「青春デンデケデケデケ」... なんと50冊もの本が紹介されてるんです。...実は「海辺のカフカ」がそれほど大好きというわけではない私にとっては(これは内緒)、そういう予想外の登場本が凄く嬉しかったです。「海辺のカフカ」へのトリビュートというよりも、この世の中にある様々な本に対するトリビュートって感じですね。そして2つの視点から交互に物語が語られていくところは、「海辺のカフカ」と同じような感じ。でもこの2つの視点が交錯していく辺りからは、この作品の方が断然上のように思います。この辺りがほんと良かったな。
で、ワタルって、もしやあっちの作品のワタルと同一人物なんですか...?! そしてここに登場する売れない作家の名前って... もしかして(もしかしなくても)アナグラム?! 
この作品の登場する沢山の本の中で一番読みたくなったのは、ジャック・フィニィの「ふりだしに戻る」。タイムスリップ物だそうです。時間は積み重なっていくものだから、古くからある建物の中でぐぐっと集中すると意識が過去に戻るんですって。なんだか石川英輔さんの「大江戸神仙伝」を思い出しちゃった。この作品も、現代の普通の男性がいきなり江戸時代にタイムスリップしちゃう話なんですけど、丁度そんな感じで行ったり来たりするんですよね。まあ、いかにも男性が描いた作品って感じではあるんですが(男性のドリーム? 笑)、でもこれも面白いです。(ダ・ヴィンチ・ブックス)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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第15回ファンタジーノベル大賞受賞作。ずーっと読みたいと思ってて、でも図書館解禁まで我慢我慢... と思っていたら、なんと友達が持ってました。ラッキー♪ ...って、確かに図書館自粛は破ってないけど、友達から借りてたら一緒...?(笑)
あ、でも来月辺りそろそろ図書館解禁にしようと思ってます。積読本はまだ70冊ちょっとあるんですけど、それでも自粛してる間に100冊以上消化しましたしねー。とは言っても、その間も本は買ってるので、あんまり効率が良くない減り方なんですが...(^^;。まあ、図書館行きを解禁しても、その70冊を消化するために、当分は週1~2冊借りる程度に抑えようと思ってます。(って、一体誰に向かって説明してるんだ...? 笑)
そしてこの「太陽の塔」なんですが、主人公は休学中の京大5年生。この彼が、1年前のクリスマスに自分を振った「水尾さん」を、「研究対象」とか言って付け回してたりするあぶなーい人だったりするんですが、でもこれがストーカー小説かといえば全然違います。主人公もその周囲の男友達も、自分たちのことを素晴らしい人間だと信じきっていて、自分たちがモテないのを棚上げして、ひたすら強がってる人たち。時には鼻持ちならない勘違い振りなんですが、でもその勘違いの方向がまるでズレてるから、逆に微笑ましくなっちゃうのね。東大生では、この雰囲気は出せないかも。京大生ならではかもしれないなあ。でもって、照れ隠しでわざとちょっと硬めにしてみました... という風情の文章がまた、まるで昔の帝大時代の文学少年といった雰囲気なのです。...これのどこがファンタジーノベル大賞なんだ? なんですが(笑)、でもこの妄想ぶりはまさにファンタジーかも。爆笑できるというよりは、何度もニヤリとさせられちゃう青春小説。特に、土地勘がある人には、かなり楽しめるのではないでしょうか。(笑)(新潮社)


+既読の森見登美彦作品の感想+
「太陽の塔」森見登美彦
「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

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かつて大阪で人気のあった劇団の花形だった花菱清太郎。しかし結婚を機に自分の劇団を立ち上げるものの失敗。それ以来何度も仕事を変わり、会社を作っては倒産する生活。今は家族6人で、レンタル家族派遣業の真っ最中。

荻原さんらしいデフォルメされた物語にデフォルメされた登場人物。まるで大衆演劇そのもののようなドタバタコメディだなーと思っていたら、後半は本当に大衆演劇の世界となっちゃいました。(笑) 元々はあまり仲良くなくて、すれ違ってばかりいる家族が、レンタル家族派遣なんていう仕事を通して仲の良い親子を装っている辺りは、なんだか痛々しくて読んでるのがツラかったんですけど、でも6人家族の1人が去り2人が去りと、どんどん人数が減ってくるに従って、なぜだか読むのは楽になりました。言ってしまえば家族崩壊なんですけど、でも全然悲惨な感じはしないんですよねー。ちょっぴり切ないんだけど、明るくて。これはやっぱりただの家族崩壊じゃなくて、1人ずつがそれぞれ自分の足で立てるようになったからなんだろうな。去る者を思いながらも、それぞれに自分の進む道をみつけて邁進。しんみりしながらもユーモアたっぷり。もう一捻り欲しかった気もするんですけど、荻原さんらしい作品でした。(双葉文庫)


+既読の荻原浩作品の感想+
「誘拐ラプソディー」荻原浩
「母恋旅烏」荻原浩
「神様からのひと言」荻原浩
Livreに「オロロ畑でつかまえて」「なかよし小鳩組」「ハードボイルド・エッグ」の感想があります)

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ちょっぴり疲れ気味なので、「陋巷に在り」はまたしても一休み。残りあと3冊なので、読むのが惜しくなったという話も...?(笑)
ということで、今日は笹生陽子さんの「サンネンイチゴ」です。内向的で友達を作るのが苦手。色々と思ってはいても、なかなか口に出しては言えない、中学2年生のナオミが主人公。先生に理不尽にいびられてるクラスメートを見た時も、心の中では勇ましく啖呵を切ってるのに、現実のナオミは何も言えないまま。そんなナオミですが、ある時カバンを盗まれたことから、学年一の問題児のアサミや、アサミの彼氏というウワサのヅカちんと話すようになって... という話。
物語の中には重い問題も色々と含まれてるんですけど、さらりと描かれてるので読後感はとても爽やか。本当にこれでいいのか...?と思う部分もあるんだけど、でもナオミの成長物語としては、やっぱりこれでいいんでしょうね。こういう話って、どこまで掘り下げるかによってまるで印象が違ってきますよね。例えば先生が生徒をいじめる話といえば、まず乙一さんの「死にぞこないの青」が浮かんだんですけど、さすがにあそこまでいっちゃうとね...。やっぱりこの爽やかさが笹生さんの持ち味なんでしょうね。読み終わった時に明るい気持ちになれる作品です。(理論社)

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