Catégories:“SF”

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全長1500フィートで七層に区分された、要塞のような「地球市」は、常にレールを敷設して1年に36.5マイルずつ進み続ける都市。この都市に生まれたヘルワードは、この日都市で成人とされる650マイルの年を迎えて、ギルドの見習い員となる儀式に出席していました。ヘルワードは父と同じ未来測量員を希望して認められ、早速見習いギルド員として、様々なギルドの仕事を経験することになります。最初の仕事先は、鉄道敷設ギルド。ヘルワードは生まれて初めて外に出て、土の匂いを嗅ぎ、夜明けの太陽が昇るのを眺めることに。その太陽は、かつて教師に習ったような球形ではなく、円盤のような形をしていました...。

なぜ都市は移動し続けなければならないのか、なぜ都市の人々は外に出ることができないのか、なぜ限られた人々しか都市が動いていることを知らないのか。そもそもこの世界は何なのか。読み始めると同時にわからないことがいっぱい。ヘルワードのお父さんが同年代の人間よりも老けて見えるのは、きっと未来測量員という仕事のせいなんだろうなとは思うんですけど、そもそも未来測量員が何なのかも分からないんですよねえ。それでもその設定を受け入れて読んでるうちに... えっ、時間や距離が状況に応じて変化?! なーんてますます不思議な状況になってきてびっくり。一体この世界は何なんだー!!
結末は思いの他あっさりしてるなあと思ったんですが、これはまさに逆転世界ですね! 今まで信じて生きてきたものが、根底から覆されちゃう。完全に覆されたあとのヘルワードときたら... きゃー、お気の毒! (痛切なんだけど、ちょっと滑稽な感じもあるような・笑)
いやー、さすがプリーストでした。そしてやっぱりこの人はSF系の人なんだなあと実感しました。「奇術師」や「魔法」(感想)はハヤカワ文庫でもファンタジーのレーベルに入ってたし、あの2作品に関してはそれも良かったと思うんですけど、でも根っこのところは絶対SFだわ、この人は。もちろん「双生児」(感想)も然り、です。

SFはあんまり得意ではないので、読む前はちょっと心配してたんですけど、読んでみれば全然大丈夫でした。むしろ好きなタイプのSFだったので嬉しい♪ SFには好き嫌いがハッキリ分かれちゃうんですけど、自分が何が好きで何が苦手なのかきちんと分かっていないので、現在模索中なんです。どうやら宇宙戦争はダメらしい、というのは分かってるんですけどね。
それとこの都市、読んでる間はマーヴィン・ピークの作品に登場するゴーメンガーストという奇城を思い浮かべてたんです。さすがにあそこまでは歪んでないだろうとは思ったんですが。でも本の表紙を見てみたら意外とまともでびっくり。(本屋の紙カバーをつけっぱなしだったので、全然見てなかった) いや、普通に考えれば、こっちの方が本の内容には合ってるんですけどね。(笑)(創元SF文庫)


+既読のクリストファー・プリースト作品の感想+
「奇術師」「魔法」クリストファー・プリースト
「双生児」クリストファー・プリースト
「逆転世界」クリストファー・プリースト

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半年前に結婚して以来、すれ違いがちな生活を送っているジェーンとマーク。その日もマークは大学の会議で遅くなるはずで、そう考えた途端、ジェーンは憂鬱になります。そして、その日の朝刊に載っている写真を見た時にジェーンが思い出したのは、その前の晩の夢でした。それは外国人らしい男とが四角い小部屋で来客者と話しているうちに、いきなり来客者が男の首をを取り外したという夢と、数人の男が墓地のような所から老人の死骸を掘り出すという夢。夢の中で首を取り外されていたのは、ギロチン処刑されたアラブ系の科学者・アルカサンだったのです。一方、マークは有力者であるフィーヴァーストーン卿に能力を認められ、国立統合実験機関NICEへの就職を提示されて舞い上がっていました。

C.S.ルイスのSF3部作、3作目。完結編です。
1冊目では火星へ、2冊目では金星へと行ったランサムなんですが、この3冊目ではなかなか登場しないんですよね。こちらの話の中心となっているのは、マークとジェーン・スタドック夫妻。しかもこの2人が敵味方となっているそれぞれの組織から勧誘されることになります。今まではSF3部作とは言っても、どちらかといえばファンタジーっぽかったんですが、この3作目には他の惑星への旅がないというのに、とてもSFらしい作品になってました。もちろんキリスト教的部分も健在ですが。
今までの火星や金星の描写がとても好きだったので、今回は他の惑星への旅がなくて、すごく残念。地球が舞台となった途端、どうも現実的になり過ぎてしまったというか何というか、全然雰囲気が違うんですよねえ。もちろんこれまでの話の流れからいけば、最後は地球で締めくくるというのはすごく順当だと思うんですが...。アーサー王伝説との絡みなんかもあるし、終盤になるとすごく神秘的な場面もあったりするんですが、どうも全体的にサスペンス小説になってしまったような感じで、私には前2冊の方がずっと面白かったです。一般的には、これが一番読みやすいかもしれないな、とも思うんですけどね。(ちくま文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「マラカンドラ」「ペレランドラ」C.S.ルイス
「サルカンドラ」C.S.ルイス

+既読のC.S.ルイス作品の感想+
「顔を持つまで 王女プシケーと姉オリュアルの愛の神話」C.S.ルイス
「悪魔の手紙」C.S.ルイス
「喜びのおとずれ C.S.ルイス自叙伝」C.S.ルイス
「カスピアン王子のつのぶえ」他 C.S.ルイス

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徒歩旅行で丘陵地帯を訪れていたケンブリッジ大学の言語学者ランサムは、道で出会った女性に頼まれて、ある家の中に入り込みます。その女性の頭の弱い息子ハリーがその家で働いており、時間になっても帰って来ないのをとても心配していたのです。その家は物理学者のウェストンの家。そして一緒にいたのは、ランサムの学生時代の友人のディヴァイン。ランサムは何とかハリーを無事に家に戻させるものの、何かを企んでいた2人によって薬を盛られ、眠り込んでしまいます。そして次に気づいた時、ランサムはなんと宇宙船の中にいたのです...。

ナルニアシリーズが大好きだったC.S.ルイスのSF作品。ナルニアの方は、小学校3年ぐらいで読み始めて以来、もう何度読んだか分からないぐらい読んでいて、今でも文章がまるごとするっと出てきてしまうぐらいなんですけど、こちらのシリーズには手を伸ばしてなかったんですよね。今更...?って感じもあるんですが、すごく面白かったと聞いたので、やっぱり読んでみることに。SFはあんまり得意じゃないし、大丈夫かなあ... なんて心配しながらだったんですけど、そういう意味では全然問題ありませんでした! 確かに火星とか金星とかに行っちゃうSFではあるんですけど、私が苦手とするSF的要素(というのが何なのか、自分でも今ひとつ分ってないんですけど)が全然なくて、しかも火星とか金星とかの描写がものすごく素敵で~。
でも、ナルニアでも感じた方は多いと思いますが、こちらもかなり神学的な部分があるんです。最初はほとんど感じられないんですが、「マラカンドラ」の終盤近く、ランサムが火星における神のような存在と話す辺りからむくむくと...。ここで地球のことにも触れられていて、私にはそれがものすごく面白かったです。そして「ペレランドラ」で描かれているのは、原罪と楽園喪失について。これもすごく面白かった。もしイヴが知恵の木の実を食べなかったら? 知恵の木の実を食べる前の無邪気な状態と今の状態と、どちらが幸せ? ミルトンの「失楽園」(感想)なんかでは、楽園から追放されたアダムとイヴに何かほっとしてるものを感じてしまったんですけど...(笑) あと聖書の創世記だと、まるでイヴがあっという間に誘惑に負けてしまったみたいに書かれてるんですけど、この作品の中の悪魔の執拗な誘惑はものすごくリアルで、その辺りにもすごく説得力がありました。でもこういうキリスト教的部分というのは、好みがはっきり分かれるところでしょうね。
私はちくま文庫で読んだんですが、そちらは入手不可能のようなので、今流通している原書房版にリンクしておきますね。題名も変わっていてびっくりですが。(ちくま文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「マラカンドラ」「ペレランドラ」C.S.ルイス
「サルカンドラ」C.S.ルイス

+既読のC.S.ルイス作品の感想+
「顔を持つまで 王女プシケーと姉オリュアルの愛の神話」C.S.ルイス
「悪魔の手紙」C.S.ルイス
「喜びのおとずれ C.S.ルイス自叙伝」C.S.ルイス
「カスピアン王子のつのぶえ」他 C.S.ルイス

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スラム街で生まれ、宗教団体に育てられたローレンの生活はとても厳しく質素で、敬虔深いもの。しかしそんなある日、10歳だったローレンは、床下に隠されていた1冊の本を見つけます。それは「ジェーンの物語」。1人の少女とロボットとの恋愛を描いた物語でした。それまでは本と言えば聖書ぐらいしか知らなかったローレンは、たちまちのうちに夢中になります。

ジェーンとシルバーのロマンティックな恋物語「銀色の恋人」から24年ぶりの新作。この「銀色の恋人」が、本の中に登場する「ジェーンの物語」というわけです。
「銀色の恋人」は、恋に恋する少女のロマンティックな物語。人形のように扱われていたジェーンが母親から自立する物語でもあったんですけど、今回の主人公ローレンは、最初から自立していた少女。育ててくれた場所を早々に飛び出して、自分の力で生き延びています。考えてみれば、まるで逆の設定なんですね。「銀色の恋人」は、何1つ不自由のない少女がロボットを選び、そのことによって成長していく物語。今回の「銀色の愛ふたたび」は、貧しい少女がロボットに選ばれ、そしてロボットが自立する物語。どちらも選んだ側が成長するという点では共通してますけど、前回はジェーンの成長物語であったのに比べ、今回のローレンは、恋に落ちた途端に自我や自立を失ってしまったみたい。
ずっと「ジェーンの本」を読んでいたローレンがシルヴァーに憧れて、その気持ちがいつしか恋に変わっていたというのは、まだ理解の範囲内なんですけど... シルヴァーの生まれ変わりのヴァーリス(silver→verlis のアナグラムですね)がローレンのどこを好きになったのかは、よく分からなかったんですよねえ。まさかローレンの外見や条件だけに惹かれたわけでもないのだろうとは思うんですけど... 外見的な美しさでいったらロボットの方が遥かに美しいわけだし。それ以前に、ヴァーリスは本当にローレンのことを好きだったのかしら? 「銀色の恋人」には、ジェーンとシルヴァーのお互いへの思いやりが溢れてたんですけど、今回はそういうのがまるでなかったような気がします。そもそもヴァーリスがシルヴァーの記憶を持ち続けているという設定も、結局あまり生かされないままでしたしね。そこで何かを葛藤するのでなければ、記憶を持ち続けることに一体何の意味があるんでしょ? 結局、ローレンに嫉妬させるためだけにしか役立ってなかったような。
ロボットの自意識といえば、どうしてもアシモフの三原則が頭をよぎってしまいます。別にロボットの話だからといって、必ずしもその三原則に則ってる必要はないでしょうけど、やっぱりあれはとても基本的な部分をカバーしてると思うんですよね。ここの会社はそういう措置を取らないまま、ロボットを作ってたのかしら? なんて腑に落ちない部分がちょこちょこと残ってしまいました。腑に落ちない最大のポイントは、「銀色の恋人」がとても綺麗に終わっているのに、なぜここで続編を出したのかということ。本当に、なぜ24年経った今、続編が...?(ハヤカワ文庫SF)


+シリーズ既刊の感想+
「銀色の恋人」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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イングランド中部ダービシャー州の町でサイン会を開いていた作家のスチュワート・グラットンは、サイン会を訪れたアンジェラ・チッパートンという女性に、その父親が書いていたというノートのコピーを渡されます。以前からグラットンは、ソウヤーという名前の1940年代に英空軍爆撃司令部に属していた人間の情報を求める広告を出していおり、父親が書き遺したノートが役に立つのではないかと考えたアンジェラは、その一部をコピーして持参したのです。

先日「奇術師」と「魔法」を読んだクリストファー・プリーストの作品。(感想) 本当はkotaさんが「SFガジェット満載」で「最後に現実崩壊感覚を味わえます」と仰る「逆転世界」を先に読もうと思っていたのに、入手の順番が逆になってしまいましたー。「双生児」はさらに圧倒的な傑作だそうなので、最後のお楽しみにしようと思ってたのに!
というのはともかく、今回は第二次戦争下の英国が舞台の物語です。その頃のことを本に書こうと調べている作家の集めた資料を読むという形で物語は進んでいきます。グラットンが調べていたのは、ソウヤーという名前の兵士もしくは士官。ソウヤーは良心的兵役拒否者でありながら、同時に英空軍爆撃機操縦士でもあるという人物で、英国首相・チャーチルが、なぜそのようなことが可能なのかというメモを残していて、そこにグラットンは物語を感じたんですね。まあ、この疑問の答は、ソウヤーが1人の人間ではなくて一卵性双子だったということで、早々に明かされてしまうんですけど...(笑) そこからが本領発揮。そこはクリストファー・プリーストだけあって一筋縄ではいきません~。本格ミステリ作品では双子を使ったトリックは使い古されてますけど、これはそういったトリックとはまた全然違う! プリーストならではの世界。
読み始めてすぐに「1940年半ばの米中戦争」という言葉にひっかかったんですが、もうここから始まっていたんですね~。ボート競技でベルリンオリンピックに出場したところから始まる双子の物語も、時代が戦争へと流れ込んでいく辺りも、読んでいて純粋に面白いです。私がもっとウィンストン・チャーチルやルドルフ・ヘスに詳しかったらなあ、なんて思ったりもしたんですけど、それでも十分楽しめます。その辺りはこの作品の表層上のことにすぎないんですけど... やっぱり読みやすくて面白いというのは重要ポイントですね。小難しいことを小難しく書ける人はいっぱいいるけど、そういうのってごく普通。難しげな単語を振りかざしてるだけで、結局虚仮威しに過ぎないなんてこともありますし。でも本当に頭が良い人の文章ってそうじゃないと思うんです。ここまで複雑な話をこんな風に読みやすく面白く書けるのって凄いです。なーんてことを書き続けてるのは、ひとえにネタバレしたくないからなんですけど...(笑)
大胆でありながら緻密。クリストファー・プリーストならではの、知的な「語り=騙り」を試してみてください。肝心のトリックに関しては、もし読み終えた時には分からなくても、大森望さんによる解説に詳しく書かれているので大丈夫です。^^(早川書房)


+既読のクリストファー・プリースト作品の感想+
「奇術師」「魔法」クリストファー・プリースト
「双生児」クリストファー・プリースト
「逆転世界」クリストファー・プリースト

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「わたし」がその男に出会ったのは、ウォーリック城の中でのこと。まるで親友や敵や、ごく親しい近所の人の話をしているかのようにベディヴィア卿やボース卿、湖水の騎士ランスロット卿、ギャラハッド卿の話をするその男は、コネティカット州ハートフォード生まれの生粋のヤンキー。以前自分の工場の男に頭の横っぺらを殴られて気を失った時、気がついたら6世紀の英国にいたことがあるというのです。ケイ卿に囚われた彼は火刑にされそうになり、しかしその3日後に起きる皆既日蝕のことを思い出して危ういところで命拾い。魔法使いのボス卿として、マーリンを差し置いてアーサー王の大臣兼執務官となることになります。

19世紀のアメリカ人が突然アーサー王時代の英国にタイムスリップしてしまうという作品。そういうのをマーク・トウェインが書いちゃうというのがすごいなあと思ってたんですが、ようやく読めました! マーク・トウェインの時代だったらタイムスリップというだけで新鮮だったんじゃないかと思うんですが、行った先のその時代に合わせるのではなくて、現代技術(マーク・トウェインにとっての「現代」なので19世紀です) をどんどん持ち込んでしまうというのがユニーク。石鹸みたいな日常に便利なものはもちろん、電話や電気みたいな色んなものを作っちゃうんです。工場を建て、人材を育成し、最終的に目指すのは共和制の世の中。
皆既月食の日時を正確に覚えているところはあまりに都合が良すぎるし(確か○年... ぐらいならまだしも、○年○月○日○時○分に始まる、まで覚えてるんですもん)、19世紀の産業を6世紀の世の中ににこんなに簡単に移行できるはずはないとも思うんですが、それでも奇想天外な物語が面白かったです。自分の置かれた状況をくよくよと思い悩んだりせず、19世紀の知識を利用してどんどん前向きに対処していくところはいかにもアメリカ人のイメージ~。それに確かにこの時代には色々問題もあったんでしょうけど、現地の人の気持ちをあまり考えようともせずに物事をずんずん進めていっちゃうのも、アメリカ人っぽい~。(失礼) これがアメリカ人作家の作品じゃなかったら、アメリカ人に対する強烈な皮肉かと思うところです。でもどうやらこれは、南北戦争後の南部人を北部人から見た風刺的な視線といったところみたいですね。アーサー王と宮廷の騎士たちは、思いっきり頭の悪い野蛮人扱いされています。^^; (ハヤカワ文庫NV)

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天久開放地の地中から突然現れた女に、タンクローリーは電柱にぶつかって炎上し、偵察命令を受けて普天間基地から飛び立ったヘリコプター2機は、ミサイルを発射するものの、逆に女によって破壊されることに。その女が目をつけたのは、黒人との混血の高校生の少女・デニスでした。女はデニスの夢に現れ、デニスに乗り移ります。一方、翌日の天久開放地に視察にやって来たのは、キャラダイン中佐と日系のヤマグチ少尉。キャラダイン中佐には、天久に眠る力を目覚めさせて捕獲する極秘計画があったのです。

いやー、何だったんでしょう、この話は...。「風車祭」で、池上永一さんの想像力と展開の飛躍、破天荒ぶりには多少慣れてたつもりでしたが、これはまたもう一段階進んでました。デフォルトが怪獣パニック映画のようなものですね。1ページ目から圧倒的な迫力。時間的、空間的な制約も、この方の作品の前では意味がないのでしょうか。沖縄という土地が潜在的に持っている問題にも触れつつ、作品はその枠を遥かに超えていきます。
ただ、圧倒的な力技に巻き込まれるようにして読んだものの、結局何だったんだと聞かれると、答に困ってしまうんですよね。読み終えた瞬間、何が起きていたのか忘れてしまうような部分もあって、これは感想に困ってしまう...。面白かったんですけどね、多分。(多分て) いやあ、凄かったです。 (角川文庫)


+既読の池上永一作品の感想+
「レキオス」池上永一
Livreに「バガージマヌパナス」「風車祭(カジマヤー)」「あたしのマブイ見ませんでしたか」の感想があります)

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